7.背景塗り
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[1]窓の塗り
塗り重ねの方法はキャラクターの塗りとほぼ同様です。
1.窓枠
下塗りレイヤーの上に新規レイヤーを作成し、[筆]ツール→[水彩]→[透明水彩]または[濃い水彩]、[にじみ縁水彩]で陰影を入れ立体感を出します。
▼使用ツール[にじみ縁水彩]
煙のような少しにじんだ描画ができるサブツールです。テクスチャをかけたような味のあるタッチを表現したい場合などに活用できます。
光の当たる方向は、キャラクターとだいたい合わせておきます。
また、窓枠の下塗りレイヤーを選択し、[編集]メニュー→[色調補正]→[色相・彩度・明度]で枠の色を少し明るめに調整しました。
2.窓ガラス
①窓ガラスの下塗りレイヤーの上に[下のレイヤーでクリッピング]で重ねてあるラフ塗りレイヤーに、[筆]ツール→[水 彩]→[にじみ縁水彩]ブラシ、 [墨]→[濃い滲み]ブラシで紅葉の映り込みを描き込んでいきます。
②描き込んだラフ塗りレイヤーを、[フィルター]メニュー→[ぼかし]→[ガウスぼかし]ぼかす範囲を6.0に設定してぼかします。
③ぼかしたラフ塗りレイヤーを選択し、[筆]ツール→[水彩]→[にじみ縁水彩]で部分的にぼかし、なじませて葉っぱの塊感を出します。
さらに、[編集]メニュー→[色調補正]→[明るさ・コントラスト]で、[明るさ]を下げて紅葉の色を濃くし、[コントラスト]を少しだけ高くします。
④新規レイヤーを作成し、レイヤーの合成モードを[焼き込み(リニア)]にして、ガラスの右端の色を少し暗くします。
さらにその上にレイヤーを作成して合成モード[スクリーン]にし、ガラスの左側を光の反射で明るくしました。
こうすることで、ガラス表面が光で反射している感じを出すことができます。
[スクリーン]レイヤーはレイヤーの不透明度を47%に下げました。
※上図左側は、④の描画部分がわかりやすいようにレイヤーの合成モード[通常]、不透明度100%にしています。
これで窓の塗りは終わりです。
[2]教室の塗り
教室を塗ります。
①教室の下塗りレイヤーにラフ塗りレイヤーを統合し、[筆]ツール→[水彩]→[透明水彩]または[濃い水彩]である程度描き込みます。
POINT
レイヤーを統合するには、[レイヤー]パレットで統合したいレイヤーを選択した状態で、右クリックし、表示されたメニューから[選択中のレイヤーを結合]を選択します。
※[Ctrl]キーを押しながらクリックすると複数のレイヤーを同時に選択できます。
②教室は今回のイラスト上では最も遠景になるため、ぼかして画面に奥行きを出します。
教室の線画を選択し、レイヤーを非表示にします。①で統合した教室の彩色レイヤーを選択し、[レイヤー]メニュー→[レイヤーの複製]で複製します。
複製したレイヤーは[フィルター]メニュー→[ぼかし]→[ガウスぼかし]でぼかします。
キャラクターのすぐ後ろの机は比較的手前にあるため、ぼかしたレイヤーのその部分だけを透明色で消してぼかす前の下のレイヤーを見せます。
その上に新規レイヤーを作成し、さらに細かいところを描き込みます。
※上図左側は、ぼかしたレイヤーの机部分を消した状態。消した部分がわかりやすいようにぼかす前のレイヤーを非表示にしています。
これで教室の塗りは終わりです。
[3]背景・小物の調整
1.小物の塗り
キャラクターの持っている小物(もみじ、本)も、他パーツの時と同様、下塗りレイヤーの上に新規レイヤーを作成し、[下のレイヤーでクリッピング]を設定して塗り重ねます。
2.窓の調整
枠、枠最前面の線画のレイヤーの不透明度を50%前後に下げて、キャラクターの線画より目立たなくさせておきます。
さらに、窓枠に木目を描き込みます。窓枠で陰影をつけたレイヤーの上に合成モード[乗算]のレイヤ-を新規作成し、細めのブラシサイズの[透明水彩]ツールを使用して手描きで木目の線を描画します。
そのままでは少し色が濃すぎたため、レイヤーの不透明度を47%に下げました。
これで背景が塗り終わりました。次回は全体の色の調整と仕上げをします。
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