[1]作品を作る前に(マンガ原稿用紙の仕組み)
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実際にマンガを描く前に、まずはComicStudioの用紙を例に、原稿用紙の仕組みについて覚えましょう。
通常、マンガ用の原稿用紙には、下図のように青い線が書かれています。
この青い線は、印刷するときの位置合わせや、製本をするときの目安など、印刷所の人が正しい位置に印刷、製本するために必要な線です。
描き手側もそれを意識した上で、絵やセリフの配置などに気を配る必要があります。
青い線は下記の5つの役割があります。
1.基本枠
2.トンボ
3.仕上がり枠
4.裁ち落とし幅(裁ち切り幅)
5.センタートンボ
それぞれどのような役割をしているのか見ていきましょう。
1.基本枠(内枠)
原稿用紙の真ん中にある大きな四角い枠を指します。「内枠」とも言います。
セリフや絵などを原稿の端の方に描くと、製本後に切れてしまったり、綴じられて見えなくなってしまうことがありますが、その予防のためにあるのがこの「基本枠」です。
大事なセリフや絵は、基本枠の内側に描くと、製本されても読みやすい場所に印刷されます。
もちろんマンガの見せ方として、ある程度基本枠にセリフや絵を被せたい場合もあると思います。
その場合は、後述の「仕上がり枠」に近づけすぎない程度に配置しましょう。
※市販の原稿用紙によっては、基本枠のサイズが異なるものもあります。
POINT
基本枠からセリフがはみ出す場合は、本の綴じる側に気をつけよう!
下図のように基本枠からはみ出したセリフがあります。
このセリフが本の外側になるか、内側(綴じる側)になるかでこのセリフの読みやすさが変わります。
セリフが本の外側に来た場合問題なく読めますが、本の内側(綴じる側)に来た場合少し読みづらくなります。
2.トンボ
原稿用紙の四隅にある線の総称です。本を仕上がりサイズに断裁するときの目安となります。
3.仕上がり枠
トンボの内側の線の延長線の範囲が「仕上がり枠」です。この枠の範囲が、仕上がり時の本のサイズになります。
例えば、通常A4の原稿用紙でマンガを作成した場合、仕上がり時のサイズはB5となります。
仕上がり枠までは印刷される範囲ではありますが、あまりぎりぎりの場所には大事な絵やセリフを描かないようにしましょう。
セリフが切れたり、綴じられて見えなくなってしまう場合があります。
4.裁ち落とし幅(裁ち切り幅)
トンボの外側の枠を「裁ち落とし」といい、「仕上がり枠」から、「裁ち落とし」までの範囲を「裁ち落とし幅」といいます。
本は仕上がり枠に併せて裁断しますが、ミリ単位でズレが生じる場合もあるため、予備範囲としてこの「裁ち落とし幅」が設けられています。
そのため、裁ち落としまで絵が入る場合は、必ずこの裁ち落とし幅いっぱいに描くようにしないと、場合によっては微妙な隙間ができてしまいます。
裁ち落とし幅まで絵を描く処理の事を「塗り足し」といいます。この処理を施せば、端まできれいに印刷されます。
裁ち落とし幅は一般的に3mm~5mmですが、印刷所によって幅の指定が異なるため、入稿予定の印刷所のホームページなどであらかじめ調べておきましょう。
5.センタートンボ
センタートンボとは、原稿用紙の上下左右にある、十字型の線です。これは印刷所で原稿の中心位置を確認するために必要な線です。マンガ原稿作成時も、中心に絵を描きたい場合などは参考にできます。
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