1.Blenderからのモデルの書き出し
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使用したバージョン:CLIP STUDIO ACTION Ver.1.1.4、CLIP STUDIO COORDINATE Ver.1.1.4
[1]はじめに
[2]Blenderを使ってみよう
[3]BlenderからCOORDINATEに出力するときのポイント
[4]モデルをCOORDINATEに出力してみよう
[5]Blenderでモデルを分ける
[1]はじめに
はじめまして、どっぺと申します。
ビデオゲーム制作とそれに付随することを色々やっています。
よろしくお願いします。
今まで3D格闘ゲームなんかを色々作ってきたのですが、そんな経験を生かして、CLIP STUDIOを使ってなにか面白いことができないかと考え、「動く漫画」というものを作ってみました。
第一話です。ご覧ください。
http://isi-game.com/?p=192
※外部サイトにリンクします。
この動く漫画は、CLIP STUDIOシリーズの他、「Blender」というCGツールを使って、モデリングとスキンのウェイト付けを行って制作しました。 実際にどのような手順で「動く漫画」を作るのか説明していきますので、興味のある方は、手順に従ってチャレンジしてみてください。
※サンプルデータについて
サンプルデータは、この講座のレッスンのためだけに使用してください。
商用利用、非商用利用、転載、再配布、改変しての利用などは禁止です。
[2]Blenderを使ってみよう
まずは、「Blender」をダウンロードしましょう。
「Blender」とはフリーウェアで、モデリング、アニメーション、レンダリングまで可能な汎用性のある3DCG作成ソフトです。今回の講座では、「Blender 2.69」を使いました。「Blender」の最新バージョンは下記のサイトからダウンロードできます。
http://www.blender.org/download/
※外部サイトにリンクします。
また、Blenderに関して、日本語によるヘルプなどはこちらのサイトをご覧ください。
http://blender.jp/
※外部サイトにリンクします。
「Blender」のセットアップが終わったら、講座のサンプルデータの中からBlenderのシーンファイルを読み込みます。
「Blender」を起動し、ダウンロードしたサンプルデータ(CSA_005_sample01.zip)のzipファイルを解凍して「Megu.blend」を「Blender」のアプリケーションウィンドウ内にドラッグ&ドロップします。
※インストーラー版の「Blender」をインストールしている場合は上記「Megu.blend」ファイルをダブルクリックするだけで、「Blender」が起動してファイルが読み込まれます。
「Blender」にファイルが読み込まれ、下図のような画面が表示されます。
では視点を変えてモデルを見てみましょう。
それぞれの視点操作にマウスの中ボタンを使います。
- ・マウスのホイールでズームイン、ズームアウト。
- ・中ボタン+マウスの移動で視点の回転。
- ・中ボタン+Shift+マウスの移動で視点の移動。
どうでしょう、モデルをいろんな角度から確認することができましたか?
この講座では、「Blender」の詳しい操作の仕方やモデリング、ウェイトのつけ方などの説明は省略します。「Blender」について詳しく知りたい方は、ネットで検索すると詳しく説明されているサイトがたくさんありますので、そちらを参考にしてください。
[3]BlenderからCOORDINATEに出力するときのポイント
「Blender」で自作モデルを作るときのアドバイスです。
「COORDINATE」にモデルデータを持っていくために、ちょっとしたコツがあるので、それを紹介したいと思います。今回はサンプルデータを使うので関係ありませんが、モデルを自作するときの参考にしてください。
末端ボーンについて
まず1つ目は、骨を作っていった時、指先などの末端にウェイトのついていない骨を1段階追加する必要があります。
上図には表示していませんが髪の毛の骨なども入れると、かなりの本数になるので、忘れないようにしましょう。
ボーンの階層構造について
2つ目は、ルートにつく骨の階層構造です。
セルシスの定める「標準ボーン」の仕様では、ルートには腰の骨しかつきませんが、「Blender」からfbxを出力する場合は、下図のように腰と背骨を骨構造のルートに並列に配置してください。
本来、セルシスの定める「標準ボーン」では、下図のように腰の骨が親で背骨が子の構造になっています。
しかし、「Blender」のfbx出力ではルートが骨として扱われてしまうので、「標準ボーン」通りの骨構造で出力すると、「COORDINATE」上でうまくボーンマッピングができません。そこで、「標準ボーン」の階層構造とは違いますが、並列で配置しておきます。
上記の骨構造は「標準ボーン」と階層構造が違うので、UNITY等へのfbx出力で上手く動作しない場合がありますが、CLIP STUDIOシリーズ内で作業が完結する場合に限って問題なく使用できます。
COORDINATEでスカート設定機能を使う場合
「COORDINATE」でスカートの機能を使う場合は、スカートとして扱う部分と、そうでない部分でマテリアルを分ける必要があります。
スカートの機能を使わない場合は必要ありませんが、今回のモデルでは、服の裾にスカートの機能を付けて、ひらひらさせてみたいので、服にあたる部分のマテリアルを分けました。
サンプルデータの「Body.blend」では、服の部分のモデルを分けて、マテリアル名を変更してあります。
ここまでの説明は、Blenderでモデルを自作する際の注意点などでした。
[4]モデルをCOORDINATEに出力してみよう
さて、このサンプルモデルを「COORDINATE」に読み込める形式で出力してみましょう。
まずは読み込みのテストとして先ほど読み込んだ全身モデル「Megu.blend」をFBX形式で出力してみます。
※全身一体型のモデルは「COORDINATE」では表情変更などが行えないため、後の工程でパーツを切り分けたモデルを読み込みなおします。
(1)[file]メニュー→[Export]→[Autodesk FBX(.fbx)]を選択します。
(2)保存画面で保存先フォルダを「Megu.blend」と同階層に指定し、ファイル名を入力したら、[Export FBX]ボタンをクリックします。
fbxファイルが指定のフォルダに出力されました。これでblenderでの作業をいったん終わります。
fbxファイルの保存場所によっては、テクスチャ画像とのリンクが切れてしまうことがあります。サンプルファイルの場合、「Megu.blend」ファイルと同じ階層に保存すれば、テクスチャのリンクが切れません。
(3)CLIP STUDIO COORDINATEを立ち上げます。
fbxモデルを読み込む場合は[ボディ]パレット(下図の赤枠部分)を使用します。
(4)[ボディ]タブを選択、[+]ボタンをクリックして、先ほど「Blender」から書き出したfbxファイルを読み込みます。
※赤枠内のアップです。
(5)テクスチャファイルとのリンクが切れていなければ下図のようにモデルが表示されます。
FBXファイルの保存場所とテクスチャファイルとの位置関係が変わってしまうと下図のような単色のモデルが表示されます。この場合、テクスチャの再設定が必要です。赤枠部分でテクスチャの設定をしていきます。
(1)[テクスチャ]タブを選択します。
[テクスチャ]パレット内の「Megu_MeguKami_png」項目をクリックすると、ファイル選択ダイアログが表示されます。
(2)サンプルデータのテクスチャの入っているフォルダから、「Megu_MeguKami_png」、「Megu_MeguKao_png」、「Megu_MeguBody_png」にそれぞれ同名のテクスチャを当てはめていきます。
[5]Blenderでモデルを分ける
「COORDINATE」の仕組み上、[3]の工程で読み込んだ全身一体型のモデルでは、顔のテクスチャも変えられませんし、髪形などのパーツも後から差し替えできません。先ほどはBODYとして全身を一括で読み込みましたが、改めて「Blender」から顔と髪を別々のモデルとして出力して、「COORDINATE」に読み込みましょう。
(1)再度、「Blender」起動し、モデルをパーツごとに分割する作業をします。
前の工程で、実践したようにCOORDINATEでモデルデータ読み込むためには「fbx」形式で出力しなければなりません。
「Blender」からのfbx出力は、シーン全体に適応されるので、モデルをパーツごとに分けて「COORDINATE」に渡すためには、分割したモデルごとにそれぞれシーンを作る必要があります。
「Blender」での作業は、その都度不要な部分のモデルや骨を削除すればいいだけです。
わかりやすくするためにパーツを削除済のシーンファイルを用意しました。
(2)サンプルフォルダ内にある、「Kao.blend」をBlenderに読み込んでください。
顔のモデルと骨が表示されます。
これは、先ほどの全体が表示された「Megu.blend」モデルから、顔とその骨以外をすべて削除する作業だけをした状態です。
(3)この状態からfbxを出力します。
先ほど同様の手順で[file]メニュー→[Export]→[Autodesk FBX(.fbx)]を選択します。
ファイル名を「Kao.fbx」として保存します。
同様に、サンプルデータの「Body.blend」を「Body.fbx」に「Kami.blend」を「Kami.fbx」として出力します。
ここで、出力された3つのfbxを「COORDINATE」に読み込んで、組み立てます。
次回は、これらのfbxをCOORDINATEでいかにして組み立てるかを実践していきます。
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