3.モーションの設定

提供者 : セルシス    更新日 : 2016/07/28   
閲覧数 : 4464回 総合評価 : 4件

使用したバージョン:CLIP STUDIO ACTION Ver.1.1.4、CLIP STUDIO COORDINATE Ver.1.1.4

[1]はじめに
[2]モデルデータの読み込み
[3]モーションデータの読み込み
[4]モーションブレンドの設定
[5]ファンクションカーブを使ったモーションの調整

[1]はじめに

動く漫画メイキング講座第3回です。
CLIP STUDIOでなにか面白いことができないかと考えACTIONやPAINTの機能をつかって、動く漫画というものを作ってみました。
動く漫画の特徴は漫画のコマの中でアニメーションすることです。動画のように、音楽や効果音、セリフを話す声優など必要ないところが、個人でも作成できるポイントです。

「動く漫画」の第一話です。

http://isi-game.com/?p=192

今回は、CLIP STUDIO ACTIONを使って、モーションを作っていきます。まずは、zipファイルをダウンロードして解凍してください。
では、モーションをつけていきます。

サンプルデータ

動く漫画メイキング講座第1回サンプルデータ(39.7MB)

※サンプルデータについて
サンプルデータは、この講座のレッスンのためだけに使用してください。
商用利用、非商用利用、転載、再配布、改変しての利用などは禁止です。

[2]モデルデータの読み込み

ACTIONを使ってモーションをつけていく前に、サンプルキャラクターの体格の調整をします。このキャラクターは、身長30cm程度のロボットという設定なので、COORDINATEを使って身長を設定します。

(1)[キャラクター情報]パレットで身長を30cmに設定します。


(2)これでファイルを保存します。

(3)COORDINATEを終了してACTIONを立ち上げます。先ほど保存したキャラクターを読み込みましょう。
[ファイル]メニュー[読み込み]→[モデル]を選択します。


(4)同じようにして、第3回のサンプルフォルダからその他に用意されている背景とテーブル、「SkyBox.c2fc」と「ピクニックテーブル.c2fc」を読み込みます。


どうでしょう、このような感じに読み込むことができましたか。
もし、全体がグレーに濁った表示になる場合、[表示]メニュー→[影]のチェックを外してください。


[3]モーションデータの読み込み

では、モーションを読み込みます。
おじぎするモーションと手を振るモーションを用意してあるので、それらを組み合わせてシーンを作っていきます。

(1)最初に、タイムラインで、「megu」をクリックしてキャラクターを選択します。


(2)調整しやすいように[編集対象を注視]ボタンをクリックして、キャラクターの表示をアップにします。
キャラクターの身長を30cmに設定したため、相対的に輪郭線が太くなるので、[輪郭線設定]で[輪郭線幅]を10に変更して輪郭線の太さを細くします。


(3)[ファイル]メニュー→[読み込み]→[モーション]を選択し、サンプルフォルダ内のモーションファイル、「おじぎ.cmt」を読み込みます。


(4)次に、同様の手順で「手をふる.cmt」を読み込みます。
タイムラインではこんな形で、モーションがつながって配置されます。


(5)さっそく再生してみましょう。選択されているクリップの部分をダブルクリックして、選択状態を解除します。そして、[先頭フレームへ移動]ボタンをクリックして再生フレームをシーンの先頭に戻します。


(6)再生の前にスカート(服の裾)の揺れを調整します。
今回は[活発さ]を「0.1」、[曲りバネ]を「800」に調整しました。


(7)スカートの調整が終わったら[再生]ボタンをクリックしてください。
どうでしょうか、キャラクターが動きましたか。

[4]モーションブレンドの設定

そのままモーションを再生した状態だと、途中でキャラクターが移動してテーブルの範囲を飛び出してしまいます。
モーションを適用する角度を調整して、テーブルから飛び出さないよう調整していきます。


(1)各モーションクリップを非選択状態のまま、再生フレームをおじぎのモーションのクリップの上に合わせます。


(2)[前のクリップとのブレンド]におじぎのモーションのブレンド情報が表示されます。
下図は前のクリップとのブレンドの設定です。最初のクリップの場合、前のクリップがありませんが、位置と角度は設定できるようです。


(3)[接続角度]の部分に「90」と入力します。すると、モーションが90度回転します。z軸に向いていたおじぎがx軸を向きました。任意の角度が入力できるので、「45」を入力すると斜めに向きます。
テーブルの縦方向に移動させたいので、ここでは「90」を入力します。

おじぎのモーションの角度を変えると、その後のモーション「手をふる」もそれに合わせて、ブレンドされますので全体に90度モーションの再生角度が変わります。これでテーブルからはみ出なくなりました。

(4)まだ、テーブルの端ぎりぎりなので、[接続位置X]に「50」を入力します。これでどうでしょうか。

(5)次に再生フレームを「手を振る」モーションの範囲に合わせます。すると先ほどのおじぎのモーションと同様、ブレンドに関する情報が表示されます。
ます、ブレンドする基準を選択します。手を振るモーションは左足から歩き出すので、体重が右足にかかります。その場合、右足が固定されていたほうが「それっぽく」見えるので、ここでは[基準パーツ]を右足に設定します。


(6)[前フレーム]、[後フレーム]では前後のブレンドフレーム数も設定できます。今回は、デフォルトのままでもいい感じなので、値は変えません。
先ほど「おじぎ」のモーションで設定したように、ここで[接続角度]を設定すると、歩き始めの角度が変えられます。


[5]ファンクションカーブを使ったモーションの調整

「ファンクションカーブ」を使って、読み込んだモーションの調整をしていきましょう。
モーションを作るときにも色々調整しながら作りますが、全体を通してみて修正したい点がでてきたり、モーションを適用したキャラごとの調整が必要になるので、最後にモーションの調整が必要になることがよくあります。
サンプルでは「手をふる」モーションで、左手をあげたときに、腕と髪の毛の剛体が接触してしまっているので、左手を少し下げましょう。

(1)最初に手を振るモーションのクリップを選択します。


(2)[ファンクションカーブ編集開始]ボタンをクリックして、ファンクションカーブのエディットモードにします。


(3)「左手の位置」のファンクションカーブを選択します。
次に、[表示]で「Y」のボタンをクリックし、ファンクションカーブのYだけを選択します。


(4)モーションで手をあげて振っている部分のファンクションカーブを選択します。


(2)複数選択されているポイントの一つをドラッグして下方向に移動します。


これで、手を振っている部分だけ、手を少し下げることができました。


これで、モーションの調整は終わりです。気になる部分があれば、同様の手順で修正してください。
サンプルデータの「あいさつ.capj」は調整したシーンです。参考にしてください。

次回は、セリフを作っていきます。

ファンクションカーブエディットの注意点

「ファンクションカーブ」は、[3]で調整したブレンドの値には影響されません。「ファンクションカーブ」の値をもとに、ブレンドが計算されているためです。したがって、ブレンドフレームで設定されたモーションの変化後の調整はできません。
ブレンドのローテーションの値も、ファンクションカーブには影響しませんので、見た目x軸に移動していても、ファンクションカーブはz軸に変化しています。
ファンクションカーブはブレンドされる前の、ローカル座標を意識して、エディットしましょう。

どうしてもブレンド後のモーションを、見たまま修正したい場合は、裏ワザとして、[ファイル]メニュー→[書き出し]→[BVH(すべてのノード情報)]からBVHファイルを出力して、そのBVHファイルをまた読み込みなおす、という手法があります。


コメント
しまはるき 2016/05/19 19:38
現在のバージョンのACTIONの「読込み」には3Dモデルを読み込む項目などありません。