[2]物理設定 1

提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30   
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剛体、ジョイントの自動生成

CLIP STUDIO COORDINATEでは、物理演算で使用する剛体およびジョイントを自動生成することができます。

(1)[物理設定]パレット内の[標準ボーンに剛体を追加]をクリックします。


(2)剛体とジョイントが自動的に追加されまました。 セルシスの標準ボーンが組み込まれた身体のベースとなる部分には、 [剛体(ボーン追従)]が生成され スカート、髪の部分には、[剛体(ボーン位置合わせ)]が生成されます。


 

POINT 物理演算 剛体、ジョイントに関して

CLIP STUDIO COORDINATEでは、物理法則に沿ってジョイントで連結された剛体群が動き、剛体と対になっているボーンが、それぞれの剛体にあわせて動きます。



剛体、ジョイントの表示の切り替え

剛体、ジョイントを表示の[ON/OFF]は、[上部メニュー]の[シーン]→[物理オブジェクト]を選択して切り替えます。


[ジョイント]とは、黄色で塗りつぶされた立方体で表示されます。 [剛体]には[球 ]・[箱 ]・[カプセル ]の3タイプの形状があり、その形状で表示されます(この図ではカプセルで表示されています)。 特性に合わせて、緑[ボーン追従]、黄[ボーン位置合わせ]、紫[物理演算]の3色のワイヤーフレームで表示されます。




[剛体]

[剛体]は、各パーツの衝突判定に使用します。頭、手などの各パーツを包み込むように剛体を設定することにより、パーツ同士の接触を制御していきます。
[剛体]の詳細設定は、セットになっているボーンを選択して、[物理設定]パレット内、[剛体]の[▲]を開くと確認することができます。


①名前
剛体の名前です。入力欄をクリックすると、剛体の名前を入力できます。通常は、剛体に関連付けされているボーン名が表示されます。

②種類
剛体の種類を選択します。

③形状
剛体の形状を選択します。剛体の形状は、[球 ]・[箱 ]・[カプセル ]の3種類です。

④位置
剛体の位置をスライダーで調整します。

⑤回転
剛体の角度をスライダーで調整します。

⑥質量
剛体の質量を設定します。入力欄をクリックすると、数値を入力できます。[物理演算 ]や [ボーン位置合わせ ]に設定された剛体どうしが衝突した場合、質量が小さい剛体の方が大きく影響を受けます。

⑦幅
剛体の幅を設定します。入力欄をクリックすると、数値を入力できます。
?剛体の形状が [箱 ]の場合は、幅の半分の値を設定します。
?剛体の形状が [球]・[カプセル ]の場合は、半径を設定します。

⑧高さ
剛体の高さを設定します。入力欄をクリックすると、数値を入力できます。[形状 ]で設定した項目により、入力する値が異なります。
?剛体の形状が [箱 ]の場合、高さの半分の値を設定します。
?剛体の形状が [カプセル ]の場合、カプセルの 2つの球の中心間距離を設定します。
?剛体の形状が [球 ]の場合、値が無効になります。設定する必要はありません。

⑨奥行き
剛体の奥行を設定します。入力欄をクリックすると、数値を入力できます。[形状 ]で設定した項目により、入力する値が異なります。
?剛体の形状が [箱 ]の場合、奥行きの半分の値を設定します。
?剛体の形状が [カプセル]・[球 ]の場合、値が無効になります。設定する必要はありません。

⑩移動減衰
剛体が動くときに、移動速度を徐々に遅くします。入力欄をクリックすると、数値を入力できます。0~ 1の値が有効です。数値を大きくするほど、動きが短時間で小さくなります。

⑪回転減衰
剛体が動くときに、回転速度を徐々に遅くします。入力欄をクリックすると、数値を入力できます。0~ 1の値が有効です。数値を大きくするほど、動きが短時間で小さくなります。

⑫反発力
他の剛体と接触したときに、剛体が反発して跳ね返る強さを設定します。入力欄をクリックすると、数値を入力できます。数値を大きくするほど、強く跳ね返ります。

⑬摩擦力
他の剛体の上に重なったときに、剛体間の摩擦による抵抗を設定します。入力欄をクリックすると、数値を入力できます。数値を大きくするほど、摩擦による抵抗が大きくなり、動作が遅くなります。

⑭グループ
剛体ごとにグループを設定します。プルダウンメニューから数字を選択します。

⑮非衝突グループ
衝突させたくない剛体のグループを選択します。



[ジョイント]

[ジョイント]には、剛体と剛体をつなぎ合わせる役割があります。[ジョイント]の設定を変更して接続部分の自由度を変えることで、様々な材質を表現することが可能になります。
[ジョイント]との詳細設定は、セットになっているボーンを選択して、[物理設定] パレット内、[ジョイント] の[▲]を開くと確認することができます。


①名前
ジョイントの名前を設定します。クリックすると、ジョイントの名前を入力できます。通常は、[接続元の剛体 ]と同じ名前が表示されます。

②接続元の剛体
接続元の剛体を設定します。プルダウンメニューから、剛体の名前を選択します。[標準ボーンに剛体を追加 ]で剛体を追加した場合は、ジョイントを選択すると、剛体の名前が表示されます。

③接続先の剛体
接続先の剛体を設定します。プルダウンメニューから、剛体の名前を選択します。[標準ボーンに剛体を追加 ]で剛体を追加した場合は、ジョイントを選択すると、剛体の名前が表示されます。

④位置
ジョイントの位置をスライダーで調整します。ジョイントの位置のx・y・z の基準は、キャラクターの足元の軸です。

⑤回転
ジョイントの角度をスライダーで調整します。ジョイントの角度のx・y・z の基準は、[接続元の剛体 ]です。

⑥移動制限
ジョイントの移動範囲を設定します。入力欄をクリックすると、数値を入力できます。

⑦回転制限
ジョイントの回転範囲をスライダーで設定します。ジョイントのx・y・z の基準は、[接続元の剛体 ]の向きに [回転 ]で設定した値を足したものです。

⑧ばね移動
ジョイントにばねの力を追加します。[ばね移動 ]では、ばねを引っ張ってから元に戻る力を設定します。入力欄をクリックすると、数値を入力できます。ばね移動のx・y・z の基準は、[接続元の剛体]です。

⑨ばね回転
ジョイントにばねの力を追加します。[ばね回転 ]では、ばねを曲げてから元に戻る力を設定します。スライダーで、数値を調整できます。

 

(3)剛体とジョイントが自動的に追加されましたが、物理演算が有効になっている状態では、下図、赤枠内のスカートのパーツなどが、入り組んで小刻みに動いてしまっています。これは剛体とジョイントの設定が適切でないことが原因しています。


(4)剛体とジョイントの設定を調整するには、まずボーンを選択する必要があります。 小刻みに動くボーンは選択しにくいので、一度、物理演算を無効にします。 [上部メニュー]の[シーン]から[詳細設定]→[物理演算]→[物理演算しない]を選択します。


(5) 物理演算を無効にした直後の状態だと、ボーンの位置、角度がバラバラになった状態ですので、 ボーンを物理演算適用前の初期位置へ戻していきます。 [上部メニュー]から[ポーズ]→[初期ポーズに戻す]を選択します。


(6)ボーンがリセットされ、剛体、ジョイントの設定を調整する準備が整いました。


コメント
翠河 2014/03/31 19:30
勉強になります
博龍 2013/08/24 05:21
参考にさせていただきます