[5]物理設定 4
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下図、「青色の領域のパーツ」の剛体とジョイントを調整していきます。
1.髪の毛の物理設定
(1)下図、赤枠内、キャラクターから向かって、左側の髪の毛の物理設定を行っていきます。
髪の根元のボーン[c003_Lhair_02]を選択して、剛体[c003_Lhair_01]を選択状態にします。
(2)[物理設定]パレット内の剛体[c003_Lhair_01]と、ジョイント[c003_Lhair_01]を下図のように設定していきます。
※変更を行った箇所は下図、赤枠内となります。
(3)剛体[c003_Lhair_01]と、ジョイント[c003_Lhair_01]の調整が完了しました。
剛体[c003_Lhair_01]の[質量]の設定と、ジョイント[c003_Lhair_01]の[回転制限][ばね回転]の設定を組み合わせることで髪らしい材質の動きを表現しています。
髪の毛の形状や長さなど、状況に応じて設定を調整する必要がありますが、大まかに髪の毛の設定を行う上でのポイントを解説します。
■剛体
・[種類]の設定
髪の毛の剛体で使用される[種類]は、[ボーン位置合わせ]と[物理演算]の2種類になります。
挙動は似ていますが、[ボーン位置合わせ]と[物理演算]では、親のボーンの動きに差がでてきます。
下図のように、Bの剛体の[種類]が[物理演算] と[ボーン位置合わせ] である場合にキャラクターモーションを適用すると、パターン①では、ボーンAが若干ですが、自由に動くことができ、パターン②では、ボーンAは固定され、自由に動くことはありません。髪の毛に限らずこのような特性を理解した上で、状況に応じて剛体の[種類]を選択することが重要です。
[ボーン位置合わせ]であれば、髪の根元や、スカートのはじまりの部分など根元の位置が固定された方が望ましい箇所や、[ボーン追従] と[物理演算]の繋ぎとなる部分の剛体の設定に最適です。
[物理演算] であれば、髪やスカートの中間から先端部分、根元の[ボーン位置合わせ]が設定された剛体の先の部分の剛体の設定に最適です。
・[質量]の設定
[質量]の値が大きくなるほど、キャラクターモーションを適用した時の動きが大きくなります。髪の毛などでは、根元の動きを大きく、先端ほど動きを小さくするために[質量]の値に差をつけていきます。
■ジョイント
・[移動制限] [回転制限]の設定
初期値でもある程度、ジョイントに自由度はありますが、数値を入力することでジョイントの自由度を高めることができます。下図の例の様に[移動制限]、[回転制限]の幅を調整することで動きを制御して、材質を表現することもできます。
・ [ばね移動] [ばね回転]の設定
初期値では、身体のベース部分の[ばね移動] [ばね回転]の数値は共に「0」となり、スカートや、髪の毛などの部分の[ばね移動] [ばね回転]の数値は、[ばね移動]は「0」、[ばね回転]「1000」となります。[ばね移動] [ばね回転]など動きに対して、元に戻ろうとする力は材質を表現する重要な要素の一つです。 スカートや、髪の毛などの部分の[ばね回転]の初期値は「1000」になりますが、その他、設定の値と調整しながら、数値を変更していくことで意図した材質を表現することができます。
上記の設定などを組み合わせることで、髪の毛に限らず、様々な材質を表現することが可能です。
(4)続いて、ボーン[c003_Lhair_03]を選択します。
(5)[物理設定]パレット内の剛体[c003_Lhair_02]と、ジョイント[c003_Lhair_02]を下図のように設定していきます。
※変更を行った箇所は下図、赤枠内となります。
(6)剛体[c003_Lhair_02]と、ジョイント[c003_Lhair_02]の調整が完了しました。
(7)続いて、ボーン[c003_Lhair_04]を選択します。
(8)[物理設定]パレット内の剛体[c003_Lhair_03]と、ジョイント[c003_Lhair_03]を下図のように設定していきます。
※変更を行った箇所は下図、赤枠内となります。
(9)剛体[c003_Lhair_03]と、ジョイント[c003_Lhair_03]の調整が完了しました。
(10)続いて、ボーン[c003_Lhair_005]を選択します。
(11)[物理設定]パレット内の剛体[c003_Lhair_04]と、ジョイント[c003_Lhair_04]を下図のように設定していきます。
※変更を行った箇所は下図、赤枠内となります。
(12)剛体[c003_Lhair_04]と、ジョイント[c003_Lhair_04]の調整が完了しました。
(13)キャラクターから向かって、左側の髪の毛の物理設定が完了しました。
キャラクターから向かって、右側の髪の毛の物理設定も同様の工程で調整を行います。
(14)髪の毛の物理設定が完了しました。
2.物理設定の確認
髪の毛の物理設定が完了したので、物理演算を有効にして髪の動きを確認します。
(1)[上部メニュー]の[シーン]から[詳細設定]→[物理演算]→[常に物理演算]を選択します。
(2)頭のボーンを選択して、赤く表示されている剛体の領域内でマウスを左右にドラッグします。上半身の動きに合わせ、髪の毛が揺れますので、動きを確認します。
(3)動きに問題がなければ、[上部メニュー]の[シーン]から[詳細設定]→[物理演算]→[物理演算しない]を選択して
物理演算を無効にした後、[上部メニュー]→[ポーズ]から[初期ポーズに戻す]を選択し、ボーンを物理演算適用前の
初期位置へ戻していきます。
動きに問題がある場合は、 [1.髪の毛の物理設定] に戻り、剛体、ジョイントの設定を再度確認します。
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