キャラクターを引き立てる!背景の描き方講座
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[2]背景の配色
[3]効果
[1]この講座について
イラストレーター60枚さんによる「キャラクターを引き立てる!背景の描き方講座」です。 この講座では、キャラクターと背景を同化させず、キャラクターを引き立てるための方法を解説していきます。 はじめに動画講座で全体の流れを確認してみましょう!
キャラクターを引き立てる方法としては、以下3つの方法があります。
パースによる視線誘導や黄金比等を活用した「構図」。
人物の色彩に配慮した「背景の配色」。
ぼかしやブレ、色収差(いろしゅうさ)といった「効果」。
この講座では主に「背景の配色」と「効果」についての解説します。
[2]背景の配色
■色相と明度
背景とキャラクターを同化させない為には、色の明るさの度合である「明度」と、赤、黄、緑、青、紫といった色合いである「色相」に差を付けることが重要です。
明度差、色相差が小さい場合、キャラクターが引き立たず、イラスト全体を眺めた際に、視線が定まりづらくなります。
対処法として、「色相環」を参考に色の差を大きく付け、明度にも変化を持たせます。
CLIP STUDIO PAINTの場合、明度差を見分ける為には、イラスト全体のレイヤーが入ったフォルダーを選択後、「レイヤーウィンドウ」より「レイヤーの変換」をクリックします。上から3番目の項目の「表現色」から「グレー」を選択する事で、全体の明度差の確認を行うことができます。レイヤー単体の場合は、レイヤープロパティより設定可能です。
グレースケールに変換した際、すぐに人物の顔に視線が向かない場合は、反射光を入れるなどして、明度差が大きくなるよう調整を行いましょう。
■グリザイユ画法
方法の一つとして、モノクロで描き始め、後から色を置く方式の「グリザイユ画法」を用いると、明度調整を効率よく行う事ができます。
■セパレーション
背景に柄や複数の小物を配置したり、風景が細かく描き込まれている場合には、人物が同化しやすく、差が付けづらいため、「セパレーション」を用います。「セパレーション」は、配色がはっきりしない隣接した色同士の境界に無彩色や低彩度色を付け加えることで、コントラストの調整をする働きがあります。
Windowsの場合は「Ctrlキー」、Macの場合は「コマンドキー」を押しながらキャラクターのレイヤーフォルダーをクリックし、メニューバーの「選択範囲」から「選択範囲の拡張」を選びます。
キャラクターと背景レイヤーの間に新規レイヤーを作成後、無彩色または、低彩度色で塗り潰しを行い、背景と人物の色を分離させる境界を作ります。レイヤープロパティの「境界効果」や、編集メニューの「選択範囲をフチ取り」からも可能です。
イラスト全体がハッキリとした彩色の場合、そのままでも問題ありませんが、厚塗り等のイラストは浮いてしまう場合があるため、作品の雰囲気に合わせてぼかしを入れ、背景に馴染ませます。下のように、境界に色を取り入れる事で各々の色を活かしつつ、人物をより引き立てる事ができます。
[3]効果
■ぼかし
キャラクターを引き立てるための加工方法として「ぼかし」が挙げられます。遠近感を利用して、人物の手前にあるものと奥にあるものに、ぼかしをかけ、メインにピントを合わせる事で、より人物を強調する事ができます。
キャラクターと背景レイヤーを事前に分けておき、フィルターから「ガウスぼかし」を選択後、ぼかし範囲を調整します。
パースが効いた構図の場合にぼかしを用いる際は、背景全体をぼかすのではなく、ピントを意識して人物が立っている赤いラインから徐々にぼけていくように、加工を行いましょう。
下のように、遠近感を利用したぼかしを行うことで描き込みの多い、魅せたい箇所に視線が定まり、キャラクターをより引き立てる事ができます。
■その他の技法
明度差・色相差・ぼかし以外にも、「進出色」「後退色」といった色の性質を利用した配色や、「誘目性(ゆうもくせい)※」に考慮した彩度の調整、カメラの特徴を活かした「周辺光量落ち」や「玉ボケ」の活用等、様々な方法が挙げられます。
※誘目性:人目を引きつける度合いのことです。一般的に無彩色より有彩色が誘目性が高く、有彩色の中では暖色、それも高彩度色が高いとされております。
配色で差を意識しすぎて、キャラクターが浮いてしまう場合には、イラスト全体にオーバーレイをかける等をして、統一感を出すように調整を行いましょう。
以上で「キャラクターを引き立てる!背景の描き方講座」は終了です。色相や明度、ぼかしを工夫してみることでキャラクターの見え方が全く違いますね!この講座を参考にして、自分のキャラクターの引き立て方を研究してみましょう!
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