9.仕上げ(トーン・グラデーション)

提供者 : セルシス    更新日 : 2018/12/05   
閲覧数 : 140510回 総合評価 : 21件
使用したバージョン:CLIP STUDIO PAINT Ver.1.5.6
※本講座はDEBUT版ではご利用いただけない機能を使用しています。

モノクロ印刷のマンガ原稿では、トーン(黒い細かな網点)を使って、グレーの中間調を再現します。CLIP STUDIO PAINTでは、トーン、グラデーションにそれぞれ専用のレイヤーがあります。これらを使って、人物の服の色や影を表現していきます。

POINT

ベタ塗り・トーン・グラデーションレイヤーとは

CLIP STUDIO PAINTには、下記のように専用のレイヤーがあります。

・[べた塗り]レイヤー:指定した色で塗りつぶされた状態で作成されるレイヤー。
・[トーン]レイヤー:指定したトーンを貼り付けた状態で作成されるレイヤー。べた塗りレイヤーをトーン化したものです。
・[グラデーション]レイヤー:グラデーションが描かれた状態で作成されるレイヤー。




[1]トーンレイヤーを貼る
[2]グラデーショントーンを貼る

[1]トーンレイヤーを貼る

選択範囲を作成して、トーンレイヤーを貼ります。

1. [レイヤー]パレットで、トーンレイヤーをまとめて管理するために、[レイヤーフォルダー]を作成します。
[レイヤー]パレットの[新規レイヤーフォルダー]をクリックし、レイヤーフォルダーを作成します。レイヤーフォルダー名は「仕上げ」に変更します。



2. [自動選択]ツールを選択し、[サブツール]パレット→[自動選択]→[他レイヤーを参照選択]を選択します。[ツールプロパティ]パレットは、下図のように設定します。



3. トーンを貼りたい箇所をクリックし、選択範囲を作成します。



4. [選択範囲ランチャー]の[新規トーン]をクリックします。



5. [簡易トーン設定]ダイアログで、トーンの線数や濃度を下図のように設定し、[OK]をクリックします。



6. トーンが貼られました。トーンが貼られると、[レイヤー]パレットにトーン化された[べた塗りレイヤー]が作成されます。



POINT

[選択範囲ランチャー]でトーンを作成すると、自動的に[選択範囲]が解除されます。その他の場合、[選択範囲]の解除は、[選択範囲ランチャー]の[選択範囲の解除]をクリックするか、[選択範囲]メニュー→[選択を解除]を選択します。


7. [レイヤー]パレットで、作成された[べた塗りレイヤー]を選択し、同じトーンを貼りたい部分を、[塗りつぶし]ツールや[ペン]ツールで描き加えていきます。



[レイヤー]パレットで[べた塗りレイヤー]を選択する際は、サムネイル部分ではなく、レイヤー名の部分、またはレイヤーマスクのサムネイル部分をクリックして選択します。

8. 手順2から手順7の操作を繰り返し、キャンバスの他の部分にも、濃度や線数が異なるトーンを貼ります。
手順5の[新規トーン設定]ダイアログで[濃度]や[線数]の値を変更すると、設定の異なる[べた塗り]レイヤーを新規に作成できます。



POINT

マスクの階調

[ベタ塗りレイヤー]などをトーン化した場合、[レイヤープロパティ]パレットの[マスクの表現]は[あり]になっています。[消しゴム]ツールで[軟らかめ]サブツールで消した場合など、[マスクの表現]が[あり]と[なし]では表示結果が異なります。また、印刷する場合も[印刷設定]→[表現色]の設定が[モノクロ2階調(トーン化)]か[モノクロ2階調(閾値)]によって、印刷結果が異なります。




[2]グラデーショントーンを貼る

グラデーショントーンは、色の濃淡にグラデーションがあるトーンです。作例では、奥行きを出したい場合や、光の向きを表現する場合などに使います。

1. [ツール]パレットで[自動選択]ツールを選択し、[サブツール]パレット→[他レイヤーを参照選択]を選択します。



2. グラデーショントーンを貼りたい箇所をクリックし、[選択範囲]を作成します。
ひと続きのグラデーションにしたい部分は、[Shift]キーを押しながら追加選択して、まとめて選択範囲を作成します。



3. [ツール]パレットで[グラデーション]ツールを選択し、[サブツール]パレットで[グラデーション]→[マンガ用グラデーション]を選択します。



4. グラデーションをかけたい方向にドラッグします。



5. [選択範囲]メニュー→[選択を解除]で選択範囲を解除します。

6. [ツール]パレットで[オブジェクト]ツールを選択し、キャンバス内の操作ハンドルをドラッグし、グラデーションの向きや位置を調整します。



POINT

[ツールプロパティ]パレットで設定すると、さらに詳細なグラデーションを作成できます。グラデーションの作成について詳しくは、『CLIP STUDIO PAINTツール設定ガイド』→『ツール・サブツールのカテゴリー』→『グラデーション』を参照してください。


他の部分も同様に、グラデーショントーンを貼りたい箇所の選択範囲を作成し、グラデーションを貼っていきます。



POINT

網点以外のトーン

CLIP STUDIO PAINTでは、網点やグラデーション以外にも様々な種類のトーンを利用できます。簡易トーン設定などでトーンの[種類]を変更すると、万線やノイズ(砂目)のトーンが使用できます。



また、[素材]パレットには、模様やカケアミ、背景など、複雑な柄のトーンも収録されています。



[素材]パレットのトーンは、キャンバスにドラッグ&ドロップすると、使用できます。選択範囲を作成してあれば、その範囲内にトーンが貼られます。




コメント
浜風 2017/03/05 12:54
自動選択ツールで任意の選択範囲を作ると、新規トーンと出てくるはずなのですが……。正常に処理できていていますように。こちらも情報が多いです。(トーンの使い方・基本トーン編) http://u0u1.net/C470
zi-fu 2016/08/28 04:38
選択範囲ランチャーに新規トーンという項目がありません。どうすればよろしいでしょうか?