5.調整
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[1]全体の色調の調整
[2]パーツごとの調整
[3]配置やディテールの調整
ひとまずざっくりとは塗り終わりましたが、色味の鮮やかさとまとまりを出すため、調整をして絵の完成度を上げたいと思います。
[1]全体の色調の調整
まずはイラスト全体の色調を整えるレイヤーを用意し被せます。
調整の方向性としては、秋の穏やかな感じを出したいので、
- ・光は強くなく、やわらかな感じで全体の明度を上げる
- ・紅葉にあわせて、朱、黄、緑色の光を取り入れる
という感じで、明るいトーンの色で不透明度を低めにしたレイヤーを色ごとに重ね、合成モードを選びます。
ベタ塗りやグラデーションのレイヤーを作成して、レイヤーモード[焼き込みカラー]や[スクリーン]、[乗算]などを使います。
光は [スクリーン]のレイヤーで表現しますが、重ねると全体のコントラストが弱くなってくるので、[焼きこみカラー]のレイヤーでコントラストを維持しつつ、緑の光を取り入れたり、全体の色を馴染ませてトーンの調整をしていきます。
普段からphotoshopで使っている効果レイヤーを再現してみました。
調整前後を比較してみます。
[2]パーツごとの調整
同じ要領で各キャラクターのパーツにも要所々々に調整用のレイヤーを挟んでいきます。
部分によってレイヤーの合成モードと、ベタ塗りorグラデーションを使い分けて変化を出します。
例としてキャラクターの髪の部分では、下地の上に全体の色調整用のレイヤーを追加しました。
髪の明るい部分を表現するので、全体の光のトーンにあう色にしています。
また、柔らかい感じにするために、塗りで入れた色の端部分を、徐々になじませるように調整しました。
図では影とハイライトで説明していますが、他の色の部分も同様になじませたい部分を調整しています。
すでに色が塗られている色を徐々になじませる場合、[色混ぜ]→[ぼかし]などでなじませる方法もありますが、[グラデーション]ツールで徐々に透明になるように消していく事でも表現できます。
[グラデーション]→[描画色から透明色]を選択します。描画色は何色でも構いません。
[ツールプロパティ]パレットの[描画対象]を、「編集対象のレイヤーに描画」になっていることを確認して、[合成モード]を「消去」にします。
消したい部分に対してグラデーションをかけます。
消去する強さは、[ツールプロパティ]パレット→[不透明度]で調整できます。
キャラクターの他の部分や室内の小物、紅葉なども同様に調整します。
調整前後でだいぶ印象が変わったと思います。
[3]配置やディテールの調整
その他、キャラの配置やディテール、バランスなど気になる個所を追加・調整しています。
キャラクターが前景で隠れる部分は、キャラクターのフォルダーをレイヤーマスクで目隠ししています。
キャラクターで隠れる前景部分もレイヤーマスクで目隠ししました。
[レイヤー]パレットで、レイヤーマスクのリンクを無効にすると、レイヤーを動かしてもマスクの位置は変わリません。
一旦目隠ししたレイヤーの位置を調節する場合に有効です。
塗り残しなどの作画的なミスがないかを再度チェックをして作業は終了です。
最後にちょっと引いた位置から全体を見て、表紙全体の雰囲気からふわっと優しいイメージが浮かんできたら、完成です。
お疲れさまでした!
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