7.人物の着彩③仕上げ
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[1]人物のフチ取り
人物など、その構図の主要な要素は周りに埋もれないようにフチ取りを加えます。
ただ、フチ取りが強すぎると浮くため、輪郭線を若干強くするくらいです。明暗の差にも要素を浮かび上がらせる効果があるため、背景の色次第ではフチ取りを使わないこともあります。
人物のシルエットより少し大きく塗りつぶし、下にレイヤーを配置することでフチを作っています。
■フチ取りの手順
(1)[レイヤー]パレットの「人物」レイヤーフォルダーを選択した状態で[レイヤー]メニュー→[レイヤーから選択範囲]→[選択範囲を作成]で「人物」のマスクを再選択します。
(2) [選択範囲]メニュー→[選択範囲を拡張](0.05mm程度)で選択範囲を拡張します。
(3)新しく合成モード[乗算]のレイヤーを作成し、[レイヤー]メニュー→[レイヤーマスク]→[選択範囲外をマスク]を選択して、レイヤーマスクを作成します。
(4)レイヤーを深い青緑色で塗りつぶしました。
[2]人物の仕上げ
調整用の「調整レイヤーフォルダー」を作成し、人物の着彩フォルダーの上に配置します。
※「調整」フォルダーはフォルダー外のレイヤーにも合成モードが適用されるように、レイヤーフォルダーの合成モードを[通常]から[通過]に変更します。
①一通り塗り終わった段階/②描き足し/③色調補正レイヤー:トーンカーブ/④木陰乗算
⑤木陰乗算のフチ/⑥ソフトライトグラデーション/⑦背景と馴染ませるための描き足し
②描き足し:
形を直したい部分や少しだけ描き込みたい部分などは、[濃い鉛筆]サブツールを濃度70~90%に設定して直接描き込んでいきます。
③色調補正レイヤー:トーンカーブ:
[レイヤー]メニュー→[新規色調補正レイヤー]→[トーンカーブ]でトーンカーブをかけます。
私はメリハリのきいたコントラストが高めの色合いが好きなので、少しだけ右上を上げ、左下を下げます。
④木陰乗算:
木陰のエフェクトをかけます。
鉛筆などでざっくり描いたのち、[消しゴム]ツールの[軟らかめ]サブツールで削っています。
⑤木陰乗算のフチ:
木陰乗算の、光の当たっている部分の周りを[覆い焼き(発光)]レイヤーで明るめ・鮮やかめにします。
[エアブラシ]ツールでふんわり塗ります。
鮮やかにする色は下地にあわせて、この場合は上着などが青なので青系でエフェクトをかけています。
⑥ソフトライトグラデーション:
色の濃淡が全体的に均一すぎる気がしたので、左下から右上にかけてうっすらグラデーションをかけ、合成モードを[ソフトライト]にしました。
⑦背景と馴染ませるための描き足し:
人物の輪郭を背景になじませたり、細い髪の描き足しなどを[濃い鉛筆]のブラシ濃度70~90%程度で直接描き込んでいきます。
人物の明暗は、背景と合わせて映えるように心掛けています。
人物が背景に馴染みつつも埋もれすぎないよう、輪郭付近は、背景が暗ければ人物は明るく、背景が明かるけば人物を暗めにします。
例:階段付近が明るいので人物の腰から下の色を暗く落としたり、メリハリが出るよう右上のほうは光を強めに入れました。
これで人物の着彩が完成です。
次回は背景の着彩の工程を解説します。
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