6.彩色③塗りに深みを加える
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塗りに深みを加えるための手順を紹介します。
[1]グレースケールでコントラストを上げる
[2]彩度を戻して色を乗せる
[3]色味の最終調整
[1]グレースケールでコントラストを上げる
まず、深みのある色合いにするためには、画面全体のコントラストをはっきりさせる必要があります。
(1)[レイヤー]メニュー→[新規色調補正レイヤー]→[色相・彩度・明度]を選択し、表示されたダイアログで[彩度]を[-100]に設定。一度画面をグレースケールのような状態にします。
(2)線画を描いたレイヤーをはさむように、上と下にそれぞれ新規レイヤーを作成し、そこに描き込みを加えていきます。
基本は「下」レイヤーに描き込み、線画の上に描き込みたい場合は「上」レイヤーで描いて形を整えます。
(3)陰影を描き加えていきます。
(4)線画より上に色を乗せたいときは「上」レイヤーに描きます。
女の子の顔も、より細かく陰影を描き込みました。
[2]彩度を戻して色を乗せる
グレースケール状態で加筆していない部分(遠景など、あまり描き込みを増やしたくない部分)は、彩度を元に戻します。
「色相・再度・明暗」色調補正レイヤーにマスクを適用し、[消しゴム]ツールでグレースケールにしたくない部分の効果を消していきます。
グレースケールで加筆した部分は、レイヤー合成モードを[オーバーレイ]と[乗算]に設定したレイヤーを重ねて色を付けていきます。
[乗算]レイヤーに[塗りつぶし]ツールなどでパーツの形に塗りつぶせば、グレースケールの絵に色を乗せることができます。
今回の場合は、パーツごとに塗りつぶしたレイヤーがすでにあるので、それをコピーし合成モードを[乗算]にして、上に配置します。
このままでは彩度が低く暗すぎるので、合成モードを[オーバーレイ]にしたレイヤーを上に作り色を乗せます。先の[乗算]レイヤーと同じように、彩色したパーツをコピーしたものを利用します。
コントラストが強すぎてギラギラしているので、ちょうど良い明るさになるよう、レイヤーの不透明度を調節します。
[乗算]レイヤーを41%、[オーバーレイ]レイヤーを73%にしました。
同じように、他のパーツにも[乗算]と[オーバーレイ]レイヤーを重ねる作業を繰り返し、グレーになったすべてのパーツに色を乗せました。
[3]色味の最終調整
全体を見直すと、まだ色のギラつきが気になったので、[レイヤー]メニュー→[新規色調補正レイヤー]→「トーンカーブ」を選択し、色味を調整していきます。
グラフ内の左が暗い部分、右が明るい部分です。
左を少し持ち上げると、暗い部分が全体的に明るくなり、右を少し下げると明るい部分が少し暗くなります。
上図のようにS字になるように設定するとコントラストが下がります。
画面に効果がプレビューされるので、それを見ながら好みの色味になるまで調整します。
さらに、細かい部分を見直しながら加筆を繰り返し、納得できたところで完成です。
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