CLIP STUDIO PAINTを使い始める時のポイント
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使用したバージョン:CLIP STUDIO PAINT Ver.1.4.2
今回から複数回にわたり、ComicStudioのユーザーに向けて、CLIP STUDIO PAINTへの移行の方法を解説します。
後継ソフトであるCLIP STUDIO PAINT はComicStudioとは違うソフトではありますが、類似した機能はもちろん、今まで以上の表現力を与えてくれる機能もあります。
ぜひ移行時の参考にしていただければ、と思います。
[1]CLIP STUDIO PAINTの素材インストール方法
[2]限定特典をインストールしよう
[3]CLIPで公開されている素材のインストール
[4]別売りトーン素材集のコンバート
[5]ComicStudioからCLIP STUDIO PAINTへのツール移行
[6]ComicStudioからCLIP STUDIO PAINTへの素材移行
[7]3D素材
[8]設定ファイル他の保存場所
[1]CLIP STUDIO PAINTの素材インストール方法
※Ver.1.6.0以降より、追加素材の提供方法が変わりました。 Ver.1.6.0より、CLIP STUDIOを起動後に自動で追加素材がダウンロードされるようになったため、こちらの項目「[1]CLIP STUDIO PAINTの素材のインストール方法」に記載されている素材のインストール作業は不要です。[2]からご覧ください。
※CLIP STUDIO起動時に自動的にダウンロードされる追加素材は、ファイルサイズが250KB以上の場合、起動時にサムネイルのダウンロードのみを行い、使用する際にデータのダウンロードを行います。
1.インストールする素材を選択する
こちら(https://www.clip-studio.com/clip_site/rental/rental_download/sprental/material)から任意の素材ファイルをダウンロードし、ファイルを解凍します。現在であれば一番上の「追加素材 統合1」だけダウンロードすれば大丈夫です。
2.CLIP STUDIOを起動する
まずはCLIP STUDIOを起動して下さい。
3.[設定]アイコンをクリック
そして次に右上の[設定]アイコンをクリックし[素材インストール]を選びます。
そうすると[素材インストーラー]が起動します。[素材選択]をクリックし、ダウンロードした素材の入ったフォルダを指定します。その後、[インストール]ボタンを押せば素材のインストールが完了します。
[2]限定特典をインストールしよう
CLIP STUDIO PAINTには限定特典としてフォントが付属しています。ただしこちらは素材と違い、製品のシリアルナンバーが必要になるため注意して下さい。
1.限定特典素材のダウンロード
こちら(https://www.clip-studio.com/clip_site/download/download_list/clipstudiopaint)のページで製品のシリアルナンバーを入力し、表示されたページから「フォントイワタアンチック体Bのダウンロード」をクリックしてファイルをダウンロードして下さい。
2.フォントのインストール
ダウンロードされたフォント「IwaAntStd-Bd.otf」をダブルクリックし、Windowsの場合は上部の「インストール」、Macの場合は下部の「フォントをインストール」をクリックすることで、フォントが使用可能になります。
[3]CLIPで公開されている素材のインストール
ユーザーやメーカーが公開している素材も多数あります。有料の物もありますが、無料で公開されているクオリティが高い素材もありますので、まずはそういった素材を探してインストールしておくと良いでしょう。
1.CLIP STUDIOを起動
まずはCLIP STUDIOを起動し左側メニューより「素材をさがす」をクリックします。
もし素材の中で人気の高いものを順に表示したい場合は[表示順序]から[人気度の高い順]を選びます。[詳細条件を開く]をクリックすることで[ブラシ]や[3D背景]など様々なものを選んで表示させることも可能です。
2.ダウンロードする
無料であれば[無料でダウンロード]をクリック。有料であればCLIPPYやGOLDなどを使って購入することが可能です。
3.ダウンロードした素材
ダウンロードした素材はすべて[素材]の[ダウンロード]内に入ります。画像素材などはそのままキャンバスにドラッグ&ドロップすることで使用可能です。
ブラシはダウンロードするだけでは使用できません。ダウンロードされた素材を[サブツール]パレットにドラッグ&ドロップすることで使用可能になります。
[4]別売りトーン素材集のコンバート
ComicStudio向けなどに販売されているトーン素材集や3Dデータコレクションなどを読み込むことも可能です。
詳しい情報は、以下のリンク先をご覧ください。
ComicStudioユーザー様に向けて
さて、ここまででCLIP STUDIO PAINTを使う基本的な準備は整いました。しかし、この講座を見ていただいている方々は、ほとんどがComicStudioのユーザーだと思います。
ComicStudioが発売されてから、ずいぶん長い時間がたちました。その間ユーザーの皆様はその機能に慣れ、同時に様々なブラシやトーンなどを作成し管理してきたことと思います。
そうすることで貯められた[素材]は、言わば作家の個性のようなものですので、これがない限り始まらない、と考える作家さんもおられることでしょう。
しかしComicStudioと同一のメーカーが作成したCLIP STUDIO PAINTであれば、比較的容易にそれらの素材を移行させることが可能です。
まずは、鉛筆やペンなどの[ツール]を移行する方法を見ていきましょう。
[5]ComicStudioからCLIP STUDIO PAINTへのツール移行
まずはブラシなどのツールを移行します。移行できるのはComicStudio 4.0とIllust Studioのものになります。
1.[メニュー表示]から[ツール環境の移行]を選択
ツールの左上[メニュー表示]から選択できるメニューより[ツール環境の移行]を選びます。さらにそこから、移行したいソフトを選びます。今回は[ComicStudio 4.0から…]を選びます。
2.各種設定を選択
まずはComicStudio 4.0のユーザーデータフォルダーのある場所を指定して下さい。ほとんどの場合Windowsであれば「c:\Users\(ユーザー名)\Documents\」、Macの場合「/Users/(ユーザー名)/Documents/」内にある「ComicStudio Ver4 設定」を選べば問題ありません。
ComicStudio 4.0の実行ファイルも指定する必要があります。初期状態ではWindowsであれば「C:\Program Files (x86)\CELSYS\ComicStudio4 EX\Tool\CS_EX.exe」、Macであれば「/Application/ComicStudio4_EX/ComicStudio EX.app」になっており変更の必要はありませんが、もしこの場所に無い場合は「参照」をクリックし、指定して下さい。
読み込むことのできるツールは多岐にわたりますが、すべて読み込むと煩雑になってしまいます。できれば種類を絞って読み込んだ方が良いでしょう。
すべての選択が完了したら[OK]をクリックすることで読み込みが始まります。
3.読み込んだツールの整理
読み込んだツールは、通常のツールの下にまとめられます。
ブラシを中心にいくつか、変換したツールの例を見てみましょう。
Gペンです。左がComicStudioの線画、右がCLIP STUDIO PAINTの線画です。ほぼ違いは無いと言えるでしょう。
透明色を選択した後[トーン削り用]で黒の上に描画。問題なく消すことができました。
[電話コード]は白黒のブラシ。ComicStudio同様黒の部分が描画色、白の部分が背景色で描かれます。
[クローバーA]はグレーのブラシです。元々半透明ですので重なった部分が濃くなります。これもComicStudio同様です。
[花(桜)3]は、散布系のブラシです。これも問題ありません。
[鎖1]はリボン系のブラシです。継ぎ目が目立つこともなく、きれいに変換されました。
多少描き味が変わる物もありますが、基本的にほぼそのまま読み込まれていることがわかるかと思います。
ただし、必要ないツールが読み込まれてしまっている場合もあるため、その場合はどんどん消して、整理していきましょう。サブツールを右クリックして[サブツールの削除]を選べば、消すことができます。
素材を読み込むと、同時にブラシの先端形状素材なども読み込まれます。その際、「ツール」を読み込んだら読み込んだ回数だけ素材も重複して読み込まれてしまうため、注意が必要です。
また、例えば「筆」ツールを読み込んだ場合、読み込んだ「筆」サブツールだけ消去してもブラシ形状の素材はそのまま残ってしまいます。本当に必要が無いのであれば、必ず「素材」も確認して、こちらも消去するように心がけましょう。このとき読み込まれた素材には[ComicStudio]というタグがつけられていますので、これを選んだ後に整理してみてください。
[6]ComicStudioからCLIP STUDIO PAINTへの素材移行
次に、トーンなどの素材を移行しましょう。これにはCLIP STUDIOを使います。
1.CLIP STUDIOからコンバート
右上の歯車アイコンをクリックし[ComicStudio 4.0素材のコンバート]を選びます。この際必ずCLIP STUDIO以外のセルシス社アプリケーションは終了させておいて下さい。
2.素材フォルダを指定
ComicStudio 4.0の素材は、設定フォルダに入っています。従ってここでは「ComicStudio Ver4 設定」フォルダを指定します。インストール時に変更をしていなければWindowsの場合「C:\Users\(ユーザー名)\Documents\」、Macの場合「/Users/(ユーザー名)/Documents/」にあるはずです。
フォルダを指定したのち[OK]をクリックすることでコンバートが実行されます。
3.コンバート
コンバートされた素材は素材パレットの[ComicStudio 4.0素材]フォルダに入ります。
左がモノクロの[パターントーン]。右がグレーの[背景トーン]です。どちらも問題なく通常のパターン素材として読み込むことができました。
[7]3D素材
3D素材は直接CLIP STUDIO PAINTのキャンバスにドラッグすることで使用可能です。
1.ファイルをドラッグ&ドロップ
CLIP STUDIO PAINTで扱える3Dファイルの形式は「lwo,obj,6kt,6kh」です。
2.素材として登録
素材として登録する際は、CLIP STUDIO COORDINATEを使用します。 詳細は以下をご確認ください。
(http://www.clip-studio.com/site/gd/csp/manual/migrationguide/csp_Migrationguide/350_material02/350_material02_3d_csc.htm)
素材の活用方法
CLIP STUDIO PAINT EXの場合、読み込んだ3D素材は[レイヤープロパティ]の[ライン抽出]アイコンをクリックすることで線画に変換できます。
また[レイヤーのLT変換を実行]をクリックすることで、さらに高精度な線画とトーンに変換することが可能です。
[8]設定ファイル他の保存場所
設定ファイルの保存場所は、ComicStudioでは「ドキュメント」フォルダ内の「ClipStudio 4.0」フォルダでしたが、CLIP STUDIO PAINTの場合は「ドキュメント」(Macの場合は「書類」)フォルダ内の「CELSYS」フォルダになります。
この中には様々なファイルが入っていますが、中でも「CLIPStudioPaintData」には書類のバックアップデータが入っています。「InitialBackup」フォルダ内にはファイルを開いて一度目の上書き保存時のバックアップデータが。「DocumentBackup」には上書き保存時のバックアップデータがそれぞれ保存されています。
予期せずアプリケーションが終了してしまった場合なども、ここから復帰させることが可能な場合もあります。覚えておくと便利でしょう。
逆に、このフォルダを放置しすぎるとファイルがたまってディスク容量を圧迫してしまうため、不要なバックアップファイルは消去しても良いでしょう。
※ComicStudioの場合ほとんどのデータは「ドキュメント」の「ClipStudio 4.0」フォルダ内にありますが、前の項目でも触れたように3Dデータのみ「C:\ProgramFiles(x86)\CELSYS\ComicStudio4EX\Setting\3Dデータ」(Windows)、「/Application/ComicStudio4_EX/Settings/3Dデータ」(Mac)に入っています。参照する場合は気をつけてください。
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