同人誌入稿用語集
閲覧数 : 21622回 総合評価 : 7件
画像データ | 原稿用紙 | 作品付与情報 | |||
製本 | 印刷 |
オフセット印刷 |
マンガ制作 | ||
データ形式 | フォント | カラー関連 |
画像データ
■解像度
解像度とは、「画像をいくつのドット(ピクセル)で表すか」という数値で、これにより画像のきめ細かさが変わります。この数値が大きければ大きいほどきめの細かい画像で、拡大表示してもきれいに見えたり、より細かい描写なども表現できたりします。
解像度の単位は「DPI(またはdpi)」で、これは「DotPerInch」の略です。「1インチの範囲に、どれだけのドット(ピクセル)が含まれているか」という意味です。
インチとは長さの単位(1インチ=2.54cm)ですので、「600DPIの画像」の場合、「1インチあたり、600のドット(ピクセル)で表現している画像」です。
原稿形式 | 推奨解像度 | 備考 |
モノクロ2階調 | 600dpi~1200dpi |
モノクロでの書き出しは、網点のモアレを防ぐため高解像度が推奨されています。 基本的には600dpiで書き出しますが、線が少女マンガのように細い場合などは1200dpiで書き出す方が安全です(その分データは重くなります)。 ※印刷所によっては、1200dpiの入稿を受け付けていない所もあります。 |
カラー原稿 | 350dpi | カラーのデータ原稿は情報量が多いため、容量が重くなりすぎないよう、低めの解像度が推奨されています。350dpiあれば画質には問題ありません。 |
多くの印刷所の推奨解像度表記は、○○dpi~○○dpiといった風に範囲指定されていますが、実際はその範囲内ならどんな数値でも良いというわけではなく、一般的に使われている解像度を使用するのが無難です。
例えば、600dpi~1200dpiと表示されていた場合、「600dpi」か「1200dpi」を選ぶのがセオリーです。「例えば900dpiではダメなのか?」と疑問がわくかと思いますが、結局印刷所で設定されているデフォルトの解像度に合わせられる場合があるため、一般的な解像度に合わせておくのが無難と言えます。
■RGB
赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)によって表現する、モニタ画面用カラーモデルです。WEB上に画像を掲載する場合使用する表示形式です。CMYKに比べて色味が鮮やかです。
■CMYK
藍色(Cyanシアン)、深紅色(Magentaマゼンタ)、黄色(Yellowイエロー)、黒(Blackブラック)によって表現する、印刷用カラーモデルです。RGBに対してややくすんだ色味になります。ほとんどの印刷所ではCMYK形式で出力して印刷をするため、同人誌表紙用のカラーイラストを作成する場合は、必ずCMYK表示の状態で彩色をしないと、予期しない色味の仕上がりとなる可能性があります。
※最近はRGBに対応している印刷所もありますが、追加料金がかかる場合があります。
■色深度
色深度とは、モニタなどの画面上で表示できる色数を、ビットで表したものです。大きく分けて、モノクロ2階調・グレースケール・カラーの3つが一般的です。
「色味がない白黒画像はすべてモノクロなのでは?」と思うかもしれませんが、「モノクロ」と「グレースケール」には大きな違いがあります。
・モノクロ2階調
白と黒、2色のみの表現色です。一見グレーのように見えている場所は、すべて黒の網点で表現されています。
・グレースケール
黒から白までの、濃度の段階で表現される色です。WEB上で白黒マンガを発表する際に向いている色深度です。
・カラー
その名の通り、各種色表現が可能な色深度です。フルカラーの原稿を作成する場合に使用します。
原稿用紙
■トンボ
原稿用紙の上下(天地)左右、および四隅などにある線のことです。
印刷物を作る際に、印刷するときの位置合わせや、断裁(印刷紙のいらない部分を切り落とすこと)の時の目印にしたりします。
印刷所に印刷を依頼する場合は必須です。
■センタートンボ
原稿用紙(版下)の天地左右のそれぞれ中央についた十字マークを「センタートンボ」といいます。ちなみに名称の由来は昆虫のトンボに形状が似ているからだそうです。
こちらのトンボは両面印刷の際の裏表の位置合わせや多色刷りの時の版下合わせの見当に使うことから、「見当トンボ」ともいいます。
■コーナートンボ
四隅についたものを「コーナートンボ」(角トンボ)といいます。「断裁」の目印に使うもので、「裁ちトンボ」「断裁トンボ」ともいいます。
2重線となっていて、原稿の外側のものを「裁ち落とし幅」(「外トンボ」「製版トンボ」「塗り足しトンボ」)といい、内側のものを「仕上がり枠」(「裁ちトンボ」「内トンボ」)といいます。
・仕上がり枠
印刷され、本になったときに断裁されるラインです。ここまでの絵が印刷されます。
・裁ち落とし
本の周囲を断裁するときに、[仕上がり枠]のラインがずれた場合の予備の領域です。
ページの端まで作品を印刷したいときに、裁ち落とし幅いっぱいまで描く処理も「裁ち落とし」といい、その処理が施されたコマは「裁ち落とし(裁ち切り)ゴマ」とます。
製本を行うときに、本の周囲を断裁(切り落とし)します。断裁したあと、端の部分まで絵が残るように、このような処理を行います。
印刷される範囲内ぎりぎりに描くと、端に余白ができてしまう場合があります。
断ち切り(マンガの絵などが、原稿用紙いっぱいに描かれているもの)の場合、この「裁ち落とし」まで描画します。
・裁ち落とし幅(ドブ)
「仕上がり枠」と「裁ち落とし」までの幅です。「ドブ」とも呼ばれます。印刷所によって指定幅が違います。
■基本枠(内枠)
コマを配置する基準となる枠です。セリフや絵などを原稿の端の方に描くと、製本後に切れてしまったり、綴じられて見えなくなってしまうことがありますが、それを回避するためにあるのがこの「基本枠」です。
大事なセリフや絵は、基本枠の内側に描くようにしておくと、製本しても問題なく印刷されます。
■天地・ノド・小口
マンガ原稿の部位を表します。上部を天、下部を地といいます。綴じ側がノド、綴じと逆側が小口(こぐち)です。
ノド側(下図ピンクのエリア)は、製本後にイラストやセリフが隠れやすくなります。大事なセリフや画像はノドに寄せすぎないようにします。
作品付与情報
■ノンブル
ページ数を示す数字のことです。正しい順序で印刷や製本するために必要です。
ノンブルを振る場合は、表紙を1ページ目とする方法と、本文を1ページ目とする方法が一般的です。順番さえ合っていれば、開始番号にはこだわらない印刷所もあれば、ノンブルの開始位置をきっちり指定している印刷所もあります。
ノンブルを付けるのは本文のみで、表紙には付けません。マンガ作品の場合、コマ枠の外に配置されるのが一般的です。
※ノンブルを付けないと、印刷所によっては受け付けてもらえない場合もあります。
■隠しノンブル
絵とノンブルが重なるなどの理由で、ページ内にノンブルを配置したくない場合、製本後、見えにくい場所にノンブルを配置します。このノンブルを「隠しノンブル」といいます。
※仕上がり枠より外に配置すると、印刷所の方で確認ができなくなります。必ず、仕上がり枠より内側に配置します。
■奥付
同人誌の最後のページには、必ず「奥付」を付けます。奥付には一般的に、作品情報(作品タイトル・発行日・入稿した印刷所など)や、作者情報(著者名・連絡先・サイトURLなど)を記載します。
一昔前は、連絡先に著者の本名や住所を載せるのが一般的でしたが、現在はプライバシー保護や、インターネット環境が広まった関係で、ペンネームやメールアドレスの記載のみというのが多くなっています。
製本
■綴じ
本のページが綴じられている方向のことです。
セリフが縦書きのマンガなど、文章が縦書きの本の場合は、一般的に右綴じにします。
セリフが横書きになっている海外マンガなど、文章が横書きの本の場合は、左綴じにします。
■無線綴じ(平綴じ)
製本方法の一つで、ホチキスや糸を使わず、接着剤で綴じることをいいます。もっともポピュラーな綴じ方です。
■中綴じ
本を開いた状態の紙(通常1枚で4ページ分となる)を重ね、中央部分に沿って針金で綴じることをいいます。雑誌などに多い綴じ方です。
■表紙
書籍類の最初と最後のページ、紙のことを総称して「表紙」といいます。
最初のページを「表表紙」(おもてびょうし/表1)、最後を「裏表紙」(表4)といい、それぞれの紙の裏側(表2、表3)といいます。
■裏刷り
「表2」「表3」に印刷する場合は「裏刷り」といいます。またこの場所に特殊な飾り紙を貼り付けたりすることを「裏打ち」といいます。印刷所によっては、裏刷りに追加料金がかかる場合があります。
■本文
目次や奥付、マンガなど「表紙」を除くすべてのページのことを「本文」といいます。「本文」という表記だと文章をイメージするかもしれませんが、印刷用語ではマンガ原稿の場合でも「本文」という呼称が一般的です。
なお「遊び紙」はページではないので「本文」としてカウントしません。
■遊び紙
「同人誌」など書籍類で「表紙」と「本文」との間にある、頁数に含まない飾りのページ(紙)の事を「遊び紙」といいます。
■トビラ
いちばん最初のページです。タイトルページともいいます。
■背幅(背厚)
本の背表紙の幅のことを「背幅」と言います。
■差し込み
本文内に、別の紙を差し込んで製本する事です。特殊紙を使ったイラスト口絵ページや、フルカラーの口絵ページを差し込む場合が多いです。
■台割り
台割りとは、同人誌の構成を意味するもので、合計で何ページあるのか、どのページがどこにくるのかなどを一覧にしたものを「台割り表」といいます。
印刷
■オフセット印刷
印刷技術の一つで、版についたインクを中間転写体に転写(オフセット)した後、紙などの被印刷体に印刷する方法です。
版についたインクを中間転写体に転写(オフセット)した後、紙などの被印刷体に印刷する方法です。同人誌ではもっともポピュラーな印刷方法です。
■オンデマンド印刷
オンデマンド印刷機を使った印刷方法です。データを製版することなく、そのまま印刷機に送り込んで印刷します。
「オンデマンド」は印刷技法そのものを意味する言葉ではないので、「小口の印刷を短期で納品する印刷」という意味でも使われています。
■PP加工
印刷された紙にポリプロピレンのフィルムを圧着させる加工です。フィルムを貼ることで表面の保護や光沢感を向上させることができます。
■マットPP加工
通常のPP加工が光沢の強い仕上がりになるのに対し、マットPP加工は、表面の艶が抑えられた仕上がりになります。
■落丁
ページが一部抜け落ちていることです。
■乱丁
ページの順序が誤って製本されていることです。
■誤植
文字や数字、記号などの誤りのことです。
■フィルム印刷
製版方法の一つです。キレイに印刷ができます。
■箔押し(ホットスタンプ)
熱と加圧によって箔を転写する特殊印刷です。金や銀の箔をタイトルなどに貼ることが多いです。
■シルクスクリーン印刷(スクリーン印刷)
印刷方法のひとつで、シルクに図柄などのフィルムや紙を貼り、インクを伸ばして印刷する方法です。あらゆる材質に対し、また様々な条件に応じて印刷することができます。
■部数
印刷発行数です。100部ならば100冊を意味します。
マンガ制作
■モアレ
連続模様が重なって生じる新たな模様で、干渉縞ともいいます。
主に下記の条件下で発生しやすい現象です。
・トーンを重ね貼りした場合
・網点の角度を45度以外にした場合
・網点にアンチエイリアスがかかっている場合
など
■トーンジャンプ
画像のグラデーション部分で階調の連続性がなくなり、縞模様の境界ができてしまう現象です。
スキャンの失敗や、極端な補正を行った場合などに起こりやすいです。
■白ヌキ
黒ベタのところに、文字・絵を白く抜き出すことです。
■白フチ
セリフや描き文字などのフチを白く抜き出すことです。
■見開き
左右のページにつながった絵が描かれていることを「見開き」または「見開きページ」といいます。
データ形式
■BMP
ビットマップ画像ともいう、Windowsの標準画像形式です。画質は高いですが、データ容量は重くなりがちです。拡張子はBMPです。
■TIFF
DTP用の画像貼り込みに広く使用されている画像形式です。拡張子はTIFです。
■JPEG
インターネット用に普及している画像形式で、写真など階調の多い画像に適しています。汎用性が高い一方、72dpiでの使用が一般的なため、他のデータ形式に比べ画質は低めです。拡張子はJPGです。
■PNG
GIFとJPEGのよいところを合わせ持った第3のインターネット用画像形式で、透明部分の指定が可能です。画像圧縮方式として元の情報を完全に復元できる可逆圧縮に対応しています。拡張子はPNGです。
■PSD
事実上デザインの世界では標準となっている、Adobe社のグラフィックソフト「Photoshop」の画像形式です。レイヤー機能を持っています。拡張子はPSDです。
■EPS
DTP用の画像貼り込みに広く使用されている画像形式です。画面上では低解像度用のデータで高速に編集することができ、印刷時には高解像度用のデータで最高性能の出力を得ることが可能です。拡張子はEPSです。
フォント
■フォント
コンピュータ用の書体セットのことです。
■書体
文字セット全体の、統一されたデザインのことです。
■アンチゴチ体
ひらがな、カタカナを「アンチック体」、漢字を「ゴシック体」で表記する商業マンガ誌で一般的な書体です。
■ゴシック体
文字を構成している縦横の棒が、おおむね均一な太さでできている書体です。
■明朝体
文字を構成する線の始めや終わりに、筆の書き出しや書き終わりにできるような形の強弱がついている書体です。
■PostScriptフォント
大きなサイズでもギザギザのない美しい文字で画面表示や印刷ができる、アウトラインフォントです。高価格ですが高解像度のため、主に商業向けとして普及しています。プリンタにフォントが必要です。
■TrueTypeフォント
大きなサイズでもギザギザのない美しい文字で画面表示や印刷ができる、アウトラインフォントです。低価格で低解像度のため、主に個人向けとして普及している。プリンタにフォントは不要。
カラー関連
■色見本帳
色を示す見本帳。基本色のインクをベタ刷りしたものと、4色(5印刷の色指定の際に使うカラーチャートとがあります。
■フルカラー印刷
フルカラーで描かれた原稿を「シアン・マゼンタ・イエロー・黒」の4色に分解し、それに見合ったインクで印刷することを指します。
■多色刷り
カラー原稿の色分解(フルカラー印刷/ 4色分解印刷)による印刷ではなく、単色原稿を元に複数の色インキで重ね刷りするカラー印刷の方法です。
■基本色
印刷所が用意している、墨(黒)以外でオプション料金の取られない、もしくは格安で使える印刷インクです。
コメント