ページ管理とストーリーエディターを活用する【EX】
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マンガ原稿のネーム作業をするときは、CLIP STUDIO PAINT EXの[ページ管理]ウィンドウと[ストーリーエディター]を活用すると便利です。
※[ページ管理]・[ストーリーエディター]は、CLIP
STUDIO PAINT EXのみの機能です。
[1]ページ管理ウィンドウの使い方
[2]ストーリーエディターの活用
[3]ページ管理とストーリーエディターを利用した編集
[4]ストーリーエディターでの編集作業
■ページ管理ウィンドウ
[ページ管理ウィンドウ]は複数ある原稿用紙を一覧表示して、「今作業中の原稿」を教えてくれたりページを増やしたり入れ変え、削除などのページそのものの管理作業を行います。
■ストーリーエディター
ストーリーエディターはテキストツールで作成するテキストを素早く作成/編集できるものです。これらの機能を組み合わせてネーム作業を行う流れを紹介します。
[1]ページ管理ウィンドウの使い方
複数のページを管理するための機能です。様々な作業を行えます。
1.ページ管理ウィンドウについて
[ページ管理ウィンドウ]が表示されていない場合は、[ページ管理]メニュー→[ページ管理ウィンドウを開く]で表示しておきます。
それぞれの原稿のサムネイルが表示されています。ここで複数のページを操作できます。
[表示]メニュー→[ズームイン]または[ズームアウト]でサムネイルのサイズを拡大縮小して確認しやすい大きさにします。 ウィンドウ下部にあるアイコンでも操作できます。
[ページ管理ウィンドウ]では直接原稿に描き込むことができません。①必要なページのサムネイル上で右クリックメニューを表示して[ページを開く]を選択するか、または②サムネイルをダブルクリックすると原稿を編集できるようになります。
[ファイル]メニュー→[閉じる]を実行する場合は、どのタブが選ばれているかを確認してから行います。
2.ページの作成や移動
新しいページを追加したい場合、ページを挿入したい場所の前のページ上で右クリックメニューを表示→[ページの追加]を選択します。
指定したページの直後に原稿が挿入されます。
ページの位置を移動ときはページのサムネイルをドラッグして、移動先に表示される赤いガイドを参考にドロップします。
POINT
[ページの追加]で追加されるページはクリックした位置のページの設定で作成されます。
もし原稿用紙の大きさや解像度など設定を変更したい場合は[ページの追加(詳細)]を選択します。
表示された[ページの追加(詳細)]ダイアログで他のページと違う設定の原稿を追加することができます。
[2]ストーリーエディターの活用
ストーリーエディターを利用したネーム作業の流れを紹介します。
台詞(ネーム)を最初からテキストで打ち込んで作業を進めています。原稿上の台詞の大きさのメドが立ちやすい、テキストツールを利用した入れ替えや修正が容易などのメリットがあります。
ストーリーエディターの詳しい使い方は[4]ストーリーエディタでの編集作業で紹介しています。
1.ネームの流し込み
テキストエディター(メモ帳)などで書いた脚本を利用します。パソコンのOSに標準でついてくるメモ帳やワープロアプリなど、自分の好きなものを使えます。後で利用するためセリフとト書きの間に空白の行を作っておきます。
↓下図の場合、ト書きには■を付けてわかりやすくしています。
[ページ管理]メニュー→[テキスト編集]→[ストーリーエディターを開く]からストーリーエディターを開き、メモ帳で必要なテキストをコピーします。
①[ここにテキストを入力]と書かれたテキストボックスをクリックしてテキストカーソルが表示されたら、②[編集]メニュー→[貼り付け]を実行します。
不必要なテキスト(■のト書きなど)は個別にテキストを消すことができます。
[Ctrl]キーを押しながらテキストボックスをクリックし、[Del]キーを押すか、または[ページ管理]メニュー→[テキスト編集]→[テキストの削除]を選択して削除します。
貼り付けられたテキストは原稿上に下図のように横に並んで配置されます。
これらのテキストは1枚のテキストレイヤーに登録されています。
2.テキストの移動
ページを移動するときは①必要なテキストボックスを選択、②青く表示している状態でドラッグ&ドロップします。
テキストが他のページに移動しました。
ストーリーエディターでページを移動したテキストは原稿上でも移動されます。
3.テキストの位置調整
構図などを描いて吹き出しの位置を決めます。
[テキスト]ツールか[オブジェクト]ツールを使用して、大まかにテキストの位置を移動します。
※テキストツールの使い方については、機能解説!トラの巻「テキストツールの使い方・基本編」をご覧ください。
[テキスト]ツールを使用してフキダシ内のセリフの改行を調整します。
4.テキストの設定を変更
テキストのプロパティは一括で変更できます。
①ストーリーエディターで変更したいテキストボックスを複数選択し、②テキストのプロパティを[ツールプロパティ]や[サブツール詳細]で設定、③[ページ管理]メニュー→[テキスト編集]→[テキストにツールプロパティを適用]を実行します。
この例ではテキストのフォントを[メイリオ]に変更します。
①ストーリーエディターで必要なテキストを選択し②右クリックメニューを表示、[テキストにツールプロパティを適用]を選択します。
テキストのプロパティが変更されます。複数のテキストボックスを選択して設定できるので。フォントや文字の大きさ、行間などの設定を統一する際に便利です。
セリフをすべて配置しました。
[3]ページ管理とストーリーエディターを利用した編集
ネーム作業中にエピソードの挿入/削除や入れ替えを行う場合、[ページ管理]ウィンドウとストーリーエディターを組み合わせて効率的に作業を行うことができます。
1.差し込み用の空白ページを追加
エピソードを差し込む部分(赤い線の部分)に空白を挿入します。
①ページを挿入する直線のページで右クリックメニューを表示、②[ページを追加]を実行します。
空白の原稿が追加されました。
2.エピソードの移動
今回差し込むエピソードは半ページ分です。必要な(赤く表示されている)部分を選択範囲で指定して挿入した空白の原稿にコピーペーストしておきます。
コピーして重複した部分は削除してつめます。
新しいエピソード(赤部分)を描き入れます。
3.ネームの移動
入力したテキスト(ネーム)をページをまたいで移動する場合は、原稿上のテキストボックスをコピーペーストするよりもストーリーエディターを活用した方が効率良く作業できます。
[Ctrl]を押しながらテキストボックスを選択(複数も可)して、テキストをドラッグ&ドロップでページをまたいで移動させます。
新しいページを開いてテキストボックスの位置を調整します。
[4]ストーリーエディターでの編集作業
ストーリーエディターでの具体的な作業方法について紹介します。
1.ストーリーエディターの設定
[ファイル]メニュー→[環境設定] →[テキスト編集]で、ストーリーエディターの設定を変更できます。
[表示]の[方向]を[縦書き]に指定するとテキストエディターの表示を変更できます。
ストーリーエディターの設定(縦横向き/フォントなど)で見やすい状態にしておきましょう。
2.テキストボックスの選択方法
ストーリーエディターを利用中は、テキストボックスをクリックするとテキスト入力モードになります。
テキストボックスそのものを選択する場合は[Ctrl]キーを押しながらボックスをクリックします。
続けてクリックすると複数のボックスを選択します。
①1つ目のテキストボックスを[Ctrl]を押しながら選択、②最後のテキストボックスを[Shift]を押しながらクリックすると連続したテキストボックスを複数選択します。
[Ctrl]を押しながらテキストボックスの外側のページエリアをクリックするとページにあるテキストをすべて選択します。
選択されたテキストボックスは[ページ管理]メニュー→[ストーリーエディター]→[テキストを削除]でボックス単位で削除したり、ドラッグして位置を移動することができます。
3.テキストの追加/削除
ストーリーエディター上でテキストを追加(挿入)する場合は、テキストを挿入したい箇所の手前のテキストをクリックして[ページ管理]メニュー→[テキスト編集]→[新規テキスト]でテキストボックスを追加、テキストを入力します。
テキストボックスの削除は、[Ctrl]キーを押しながらテキストボックスを指定して青く表示された状態で[ページ管理]メニュー→[テキストを編集]→[テキストを削除](または右クリックメニューから[テキストを削除]で行います。
テキストボックスを選択して青く表示されている状態であれば[Del]キーでも同様に削除できますが、テキストカーソルが表示されている場合は文字単位の消去(削除)になります。
4.テキストの検索/置換
入力したテキストを検索して変更/置換することができます。
[ページ管理]メニュー→[テキスト編集]→[検索と置換]を選択して、元の文字を[検索文字列]に、変更後の文字を[置換文字列]に入力して[検索]ボタンをクリックします。
テキストの検索はテキストボックスを選んだ位置から検索が始まります。その位置から[前方]か[後方]かも指定できます。
[置換]で該当する語句をチェックしながら置換ができます。
文字の検索は、以下のの3種類です。
①[検索]:テキストカーソルの移動のみ
②[置換]:1つずつ置き換える文字を確認しながら置換
③[すべて置換]:適用範囲の文字列をすべて置換
※[すべて置換]では同じ文字を使う違う単語の一部が置き換えられてしまう可能性があるので注意が必要です。
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