第4回 いよいよ本文!でもその前に…
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1.表紙と本文以外に必要なものって?
2.ComicStudioで作品設定をしてみよう!
前回までは表紙の作り方を説明してきました。今回は同人誌の本文を作成していく前に必要な設定をご紹介します。
1.表紙と本文以外に必要なものって?
本の設計図「台割」を作る
台割(だいわり)とは、本の設計図のようなものです。表1から表4まで全てのページの構成を考えて、どこに何を入れるかリストアップしていきます。この作業をすることにより、本の全体像をつかみやすく、作業中にページが足りなくなるという事態も回避できます。作り方は簡単です。エクセルやワードなどで表を作り、ページ数を記入します。そのあとに各ページの詳細を記入していくだけです。
●扉
表紙の次にくるのが、扉(とびら)と呼ばれる部分です。ここを絵にするかデザイン的なものにするかでだいぶ印象が変わってきます。本文中に入れ、話の区切りを表す扉は中扉(なかとびら)と呼ばれています。マンガ雑誌で各マンガの始まりのページ、タイトルやマンガ家の名前が入った箇所も扉と呼ばれています。
●前書き・後書き
作者のコメントページ。自分が読者に伝えたいことを書いたり、内容は自由です。
●奥付
いつ誰が発行したのかを記します。自分のホームページがあればその紹介と、利用した印刷会社の名前などを入れます。奥付に「ネットオークション厳禁」と書かれた本も存在します。注意事項や告知などもこの奥付に入れるようにしましょう。本文が予定より少なかった場合などは、余ったページにイラストを入れてみたり、今後の活動予定を入れてみたりして有効活用しましょう。
こんなときに台割が必要
ComicStudioがあればページ一覧を確認できるので、台割は不要…なんて思う方もいるかもしれません。しかし、数人で1冊の同人誌を作る場合や、デジタルとアナログの原稿が混在する場合、部分的に印刷方法を変える場合などがあります。はやり、細かい仕様をしっかり確認するためにも、きちんと台割を作っておきましょう。
2.ComicStudioで作品設定をしてみよう!
それでは実際に作品ファイルを作ってみましょう。ComicStudioでは、単ページの[ページ]ファイルまたはそれらが集まった複数ページの[作品]ファイルを作成できます。ここでは、[作品]ファイルを設定してみましょう。[ファイル]メニュー>[新規作成]>[作品]を選択します。[新規作品]ダイアログが表示されますので、ここで作品に必要な基本情報を設定していきます。
ページ設定
[ページ設定]では[ページ数]、[綴じる位置]、[開始ページ]、[ページ構成]を設定します。[ページ数]には、作成する本の総ページ数から表紙と裏表紙の4ページ分をひいた数を入力します。[綴じる位置]では、右綴じまたは左綴じのいずれかを設定します(詳しくは第2回「表紙を作ろう(1)」参照)。[開始ページ]は、右綴じの場合は左始まり、左綴じの場合は右始まりとなります。[ページ構成]は好みによりますが、単ページの方が作業しやすいでしょう。
寸法指定
次に[寸法指定]を行います。
①基準解像度
解像度とは、パソコンで画像を表示する際に使われる点(ピクセル)の数を表した数字です。この数値が大きいほど細かい点で表現された緻密な絵となります。dpiで表わされるのは印刷解像度と呼ばれ、数値が大きいほど細かく、データ容量が大きくなります。一般的にモノクロ同人誌であれば、[基準解像度]を600dpiで設定します。最初の用紙設定でこの数値を300dpiなどにしてしまった場合、直すのにとても手間がかかりますので、この解像度の設定は原稿作成に取り掛かる前にきちんと確認しておきましょう。「1200dpiの方がきれいに印刷に出る」という意見もありますが、同人誌印刷の場合ですと600dpiも1200dpiもあまり差はないようです。
②仕上がり枠・基本枠
[仕上がり枠]は、出来あがる本のサイズを設定します(A5ならこの部分がA5、B5ならB5となります。詳しくは印刷会社のWEBサイトで確認してください)。製本した際に、絵や文字が綴じ位置に近いと読みにくくなります。[基本枠]は、それを予防するために設けられています。この[基本枠]の中に文字や絵を収めておくと、本を開いた際に絵や文字をきちんと読むことができます。あえて、紙の端までコマを使いたい場合には、この枠より外まで描くことになります。[仕上がり枠]や[基本枠]は、作りたい本のサイズ、「B5」「A5」などを選択するだけで設定できます。
③裁ち落とし幅(トンボ)
トンボとは、仕上がりサイズに断栽するための目印となるもので、印刷の予約をする際、印刷会社からトンボ(断ち切り幅)を何mm取るか指定されます。一般的には3mm~5mmです。ComicStudioで[断ち落とし幅]となっているのがこのトンボの幅ですので、印刷会社に指定された値で設定しましょう。
原稿用紙テンプレート
ComicStudio には、さまざまな用紙テンプレートが用意されています。テンプレートを使用すると寸法設定の手間が省けて便利です。同人誌を作成する場合には、「同人用紙」フォルダから選ぶとよいでしょう。複数の印刷会社の専用原稿用紙が入っていますので、自分が利用する印刷会社があった場合は、希望の用紙を選ぶだけで簡単に印刷会社推奨の原稿用紙を作成できます
希望する印刷会社のフォルダがない場合には、テンプレートの用紙名、用紙サイズ、断ち切り幅などを参考に、自分の使いたい印刷会社の基準に合うテンプレートを探しましょう。用紙名を選択すると、画面の右下に各サイズが表示されます。例えば、「同人 A4用紙 B5仕上がり3mm」であれば、画面に表示される用紙サイズが A4、本のサイズが B5、トンボの幅が 3mm となります。また、用紙の中には4コママンガ用、3列3段などのバリエーションもあり、これはコマ割がしやすいようにあらかじめガイド線が描かれているものとなります。
締切は守ろう!!
どの印刷会社でも夏コミや冬コミなど、イベントの開催日程に合わせて入稿しなくてはならない「締切日」が決まっています。締切が早かったり、遅かったり、設定日は印刷会社によって違いますが、締切に合わせて原稿が完成するように作っていくことが最も大切です。事前予約が必要な印刷会社も多く、気づいたときには印刷の予約を締め切ってた!!なんてことにならないように、出来れば作品の制作に取り掛かる前に予約しておきましょう(予約は印刷会社のホームページで受け付けています)。
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