第7回 入稿の準備をしよう!
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本文が完成したら、最後の作業は印刷会社への入稿です。入稿の準備をしましょう。
1.作品を書き出そう!
ComicStudioで制作した作品を入稿用に書き出します。[画像のエクスポート]ダイアログで書き出しの設定を選びます。
入稿のファイル形式
多くの印刷会社はレイヤーを全て統合したPSD、もしくはEPSのファイルを指定しています。少数ですがTIFFの入稿を受け付けているところもあります。解像度は元の原稿と同じ設定にします。600dpiが最適です。600dpiでPSD形式、もしくはEPS形式のデータなら色深度に気をつけて書き出せば特に問題なく入稿できるはずです。EPS形式で入稿する場合は、文字のアウトライン化を忘れずに行いましょう。
ComicStudioで書き出せる主なファイル形式について
●JPEG
主にWebでの画像表示に使用される形式です。圧縮して容量を小さくするので、設定によっては画像が劣化することがあります。
●PSD
Adobe Photoshopのファイル形式で、主な画像編集ソフトで開けます。
※以下の形式はPro/EXのみ対応
●EPS
(色深度がモノクロ2階調の場合のみ選択可能)互換性が高く、IllustratorやPhotoshop等の画像編集ソフトで開くことができます。
●TIFF
解像度や色数の制約が少なく、多くの画像編集ソフトがこの形式に対応しています。ただし、設定によっては他のパソコンやソフトでは開けなくなるので、注意が必要です。
●PDF
Adobe Reader用の形式です。マシン環境に左右されず、文章や画像等を元のレイアウトとほぼ同様の状態で表示できるので、ビジネス文書などによく使われています。
出力範囲と色深度
出力範囲の設定は必ず[トンボの断ち落としまで]に設定しましょう。[ページ全体]や[トンボの内側まで]を設定すると原寸に断ち切りの幅を足したサイズになりません。色深度はどうしてもグレースケールにしたい!という場合を除き、基本的にはモノクロ2階調を選択します(グレースケールで書き出したい場合は、トーンレイヤーをラスタライズして書き出すとモアレの心配がなくなります)。
書き出す際の注意点
書き出し時の設定でチェックを入れるのは[仕上げ情報]の全項目と[ページ情報]の[ノンブル]です。[下描き情報]や[ページ番号]等はチェックを入れずに書き出します。トンボの有無については印刷会社によって指定が違いますので気をつけましょう。[種類]で[Photoshop]を指定した場合は、右側の[設定]を選択し、[レイヤーを統合する]に設定して書き出します。
ファイル名の設定
書き出す時、ファイル名にはページ数を連番にした番号が自動でつきます。たとえばファイル名を「honbun」にして書き出すと、1ページ目が「honbun0001」に、24ページ目が「honbun0024」になります。入稿するときのファイル名を印刷会社が指定している場合は、指定に従いましょう。発注者名、もしくは発注した本の題名にしておけば問題はないと思います。連番については、ノンブルのページ数と同じ数でつけます。ノンブルと同じ連番を設定するためには、ノンブルを1ページ始まりに設定します。
2.入稿するときに同封するもの
発注書
入稿に欠かせないものが発注書です。印刷会社のウェブサイト等から入手します。記入事項は、発注者の情報、依頼する印刷物の仕様、発送先の情報が中心です。発送方法には、自宅へ発送してもらう自宅発送と、イベントが行われる会場に搬入してもらう直接搬入などがあります。
データの確認
印刷会社によっては、データ確認書やデジタル出力確認書の送付を指定しているところがあります。これは、原稿がどのような形式で作られたかを確認することによって、データの不備を未然に防ぐ役割があります。項目は解像度や保存形式といった基本的な情報ですが、入稿時に不備がないよう確認書の項目は必ずチェックしましょう。
出力見本
出力見本の提出が必要な場合には、作品をプリントアウトしたものを FAX で送ります。画像データでも可としている場合には、JPEG で書き出したファイルを送付しましょう。画像サイズは横400 ピクセル程度が目安です。送付方法については印刷会社の規定を確認してください。
印刷料金の支払い
印刷料金は、入稿する前もしくは入稿と同時に支払いをします(印刷会社によっては後払いもできますが、例外的です)。もし、オプションや割引などがついていて総額がわかりにくい場合は、事前に印刷会社に見積もりを依頼しましょう。入金方法は銀行振込が一般的ですが、他には郵便振替や為替などがあります。振込明細を送る場合は、念のためコピーを取って控えを手元に残しておきましょう。
アンチエイリアスと二値
「ComicStudioで書き出したらトーンにアンチエイリアスがかかってしまった」という話をよく聞きます。Comicstudioではアンチエイリアス(画面上で線を綺麗に見せるための処理)により、なめらかな表示を行っています。ところが、作品を書き出す際に[色深度]の設定がグレースケールになっていると、トーンの網点にアンチエイリアスがかかってしまいモアレの原因になります。モノクロ2階調ですとアンチエイリアスはかかりませんので、なるべくモノクロ2階調で書き出しましょう。どうしてもグレースケールで入稿したい場合は、トーンレイヤーをラスタライズして書き出すとモアレの心配がなくなります。
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