3.葉の描画・ベタ
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※使用したバージョン : ComicStudio Ver.4.5.2
[1]木の葉を描く
5コマ目の公園の奥に木を描き込みます。ペンツールで描き込んでもいいのですがここでは[パターンブラシ]ツールで描いていきます。
1.レイヤーの準備
木の葉を描き込むためのレイヤーを新規に用意します。ペン入れとレイヤーを分けることで修正がしやすくなります。
(1)[レイヤー]パレットの[新規レイヤー作成]ボタンをクリックします。
(2)[新規レイヤー]ダイアログが表示されます。[レイヤー名]を「葉」に設定し[OK]を選択します。
(3)[レイヤー]パレットで、作成した「葉」レイヤーを「枠線」レイヤーの下に移動します。
2.ツールの準備
(1)[ツール]パレットから[パターンブラシ]ツールを選択し、描画色に「黒」を選択します。
(2)[ツールオプション]パレットの[ツール設定メニュー]から「エアブラシ(小)」を選択します。
「エアブラシ(小)」はストロークするだけで、エアブラシのような描画をすることができます。
3.画面を拡大する
作業がしやすいように画面を拡大しておきます。
(1)[Ctrl]+[スペース]キーを押すと[虫めがね]ツールに切り替わります。
※Macの場合は[Command]+[スペース]キーです。
(2)[虫めがね]ツールに切り替わった状態で、5コマ目を左上から右下に囲むようにドラッグします。
(3)5コマ目が拡大されます。
4.木の葉を描き込む
(1)左隅に木の葉を描画します。人物にはみ出してしまいますが、ここでは気にせず描画します。
(2)人物にはみ出した個所を消します。[ツール]パレットから[消しゴム]ツールを選択します。
(3)[ツールオプション]パレットの[ツール設定]メニューから「中」を選択します。
(4)[消しゴム]ツールで人物にはみ出した個所を消します。この時、人物の周りにフチを付けるように消すと人物が背景に紛れ込みません。
[2]ベタを入れる-1コマ目-
ベタとは黒く塗られた部分のことです。[塗りつぶし]ツールを使いベタを塗っていきます。ベタもペン入れのレイヤーと別のレイヤーに入れます。レイヤーを別にすることでベタの修正をしても主線はそのままの状態を保つことができます。
1.レイヤーの準備
ベタ用のレイヤーを作成します。
(1)[レイヤー]パレットの[新規レイヤー作成]ボタンをクリックします。
(2)[新規レイヤー]ダイアログが表示されます。[レイヤー名]を「ベタ」に設定し[OK]を選択します。
(3)[レイヤー]パレットで、作成した「ベタ」レイヤーが「枠線」レイヤーの下にあることを確認します。
2.ツールの準備
(1)[ツール]パレットから[塗りつぶし]ツールを選択し、描画色に「黒」を選択します。
(2)[ツールオプション]パレットの[ツール設定メニュー]から「レイヤー複数参照」を選択します。
【レイヤー複数参照】
■レイヤーの参照先
ComicStudioでマンガを描いていく時、ネーム、下描き、ペン入れ、ベタと工程ごとにレイヤーを分けておくと修正などが簡単で便利です。慣れてきたらペン入れでも場所によってレイヤーを分けておくなどをすると、さらに便利になります。
ここがデジタルのメリットでもありますが、レイヤーを分けておくと、まったく線のないレイヤーにベタを入れることになります。塗りつぶす領域は「ペン入れ」の方にあります。ではどうやって塗りつぶしをしていくのでしょうか?
そこで重要なのが「レイヤーの参照先」です。
ComicStudioでは別のレイヤーに描かれたものを参照して作業をすることができます。
■レイヤー複数参照
[描画]タブの[レイヤー複数参照]を選択しておくと、表示状態になっている[仕上げ]の印刷属性のレイヤーをすべて参照します。印刷属性が[下描き]でないネームや下描きが表示状態になっているとネームや下描きの線も参照してしまします。作業が終わって作業に使わないレイヤーは非表示にしておきましょう。
3.ベタを入れる
ベタを塗りたい個所をクリックします。
4.塗り漏れてしまったら
ペン入れの線が切れていると、その隙間から漏れてベタが広がってしまう場合があります。
このような場合、[ツールオプション]パレットの[隙間を閉じる]にチェックし設定数値を大きくしましょう。
また[細い領域にしみこむ]もONにしましょう。
【隙間を閉じる】
隙間を閉じるとは、[隙間を閉じる]にチェックを入れた場合、設定した数値の隙間までは閉じた領域として認識してくれる機能です。
たとえば下図を見て下さい。
線に4mmほどの隙間があったとします。
この円の中を[隙間を閉じる]:「7mm」と設定して、青色で塗りつぶします。
線の隙間が7mm以下なので、円の外まで塗り漏れることなく塗ることができました。
もちろん、線の隙間より小さな数値を設定した場合は塗り漏れてしまいます。
塗り漏れてしまった場合は[Ctrl]+[Z]キーを押し、以前の作業に戻してから、[隙間を閉じる]の数値を大きく設定し再チャレンジしましょう。
操作の取り消し | 【Win】 [Ctrl]+[Z]キー |
---|---|
【Mac】 [Command]+[Z]キー |
【細い領域にしみこむ】
[細い領域にしみこむ]をONにすると、髪の先などの細い領域は隙間として判断せず、ベタを塗ることができます。
Ver.4.5.0からついた新機能です。どんどん活用していきましょう。
5.それでも塗り漏れてしまったら
上記機能を使っても、隙間が大きすぎてベタが塗り漏れてしまう場合もあります。
このような場合は、あわてずに[Ctrl]+[Z]キーを押し、ひとつ前の作業に戻ります。
※Macの場合は[Command]+[Z]キーです。
[ペン]ツールで線を塞いでからベタを入れましょう。
6.細かい塗り残しができてしまったら
[塗りつぶし]ツールを使っていると、細い場所に塗り残しができる場所があります。
このような場所は[閉領域フィル]ツールで塗りつぶしましょう。
(1)[ツール]パレットから[閉領域フィル]ツールを選択し、描画色に「黒」を選択します。
【閉領域フィル】
[閉領域フィル]ツールとは、細かな閉じられた領域を簡単に塗りつぶせる便利なツールです。
このツールは囲みきった閉じた領域を塗りつぶしてくれるツールです。囲みきらなかった個所は塗りつぶされません。
たとえば三角だけ残して、他は真っ黒にしたいのに塗り残しが複数あったとします。
このような場合、[ペン]ツールなどで一つ一つ塗りつぶしても良いのですが、[閉領域フィル]ツールを使うとあっという間に塗りつぶすことができます。
[閉領域フィル]ツールオプションの[ツール設定メニュー]から「投げなわ」を選択して作業します。
※投げなわで囲んだ領域を緑色で表示しています。
三角は少し囲んでしまっていますが、すべてを囲まないようにすると…
囲みきらなかった三角を残して、塗りつぶすことが出来ました。
このように、囲みきった閉じた領域だけを簡単に塗りつぶせてしまうのが、[閉領域フィル]ツールです。
ちなみに[ツール設定ミューから]を[ブラシ]を選択した場合、緑色に塗り領域を指定します。
緑色に塗りきった閉じた領域を塗りつぶすことができます。
(2)[ツールオプション]パレットの[ツール設定メニュー]から[なげなわ]を選択します。
(3)塗り残した場所を囲み、塗りつぶしましょう
1コマ目のベタが完成しました。
[3]ベタを入れる-2コマ目-
2コマ目は[ペン]ツールと[塗りつぶし]ツールを使い、人物の影を入れます。
1.影の境を描画する
下図のように囲まれていない青色で示された個所にベタを入る場合、あらかじめ[ペン]ツールでベタの場所を囲む必要があります。
(1)[ツール]パレットから[ペン]ツールを選択し、[ツールオプション]パレットの[ツール設定メニュー]から「G」ペンを選択します。
(2)「ベタ」レイヤーが選択されていることを確認します。
(3)影の場所を数の青線のように[ペン]ツールで描きます。
2.ベタを入れる
(1)[ツール]パレットから[塗りつぶし]ツールを選択します。
(2)[ツールオプション]パレットの[ツール設定メニュー]から「レイヤー複数参照」を選択します。
(2)先ほど囲んだ線の内側をクリックし、ベタを入れます。
囲まれていない場所は同様の手順で[ペン]ツールでベタを入れたい所を囲んでから、[塗りつぶし]ツールでベタをいれます。
3.ベタを削る
服に全部ベタを入れてしまい真っ黒になってしまったので、服のベタの一部を削ります。デジタルでは透明色で描くことでベタを消すことができます。
たとえば下図はベタと線画でレイヤーを別々に描いた絵です。
このベタを透明色で描くと…
線画を残したまま、ベタのみを[ペン]ツールで描くような感じで消すことができます。
(1)[ツール]パレットから[ペン]ツールを選択し、描画色に「透明」を選択します。
(2)現在のままでは線画とベタの見分けがつかないので「ベタ」レイヤーを[カラー表示]にします。
これで線画を見ながらベタを削ることができます。線画にそってベタを削りましょう
(3)ペン入れをするときと同じようにベタを削りたい場所をストロークします。
服にハイライトを入れるようにベタを削ることができました。
(4)[レイヤー]パレットで「ベタ」レイヤーの[カラー表示]を戻します。
2コマ目のベタを入れることができました
[4]ベタを入れる-3コマ目-
1.ベタを塗る
3コマ目は2コマ目と同じ要領でベタを入れていきます。
(1)「ベタ」レイヤーが選択されていることを確認します。
(2)[ツール]パレットから[ペン]ツールを選択し、描画色に「黒」を選択します。
(3)[ペン]ツールで下図の青線のようにベタを塗りたいところを線で囲みます。
(4)細かなベタも[ペン]ツールで下図の水色の部分のように塗ってしまいましょう。
(5)[塗りつぶし]ツールでベタを入れます。
2.ベタを削る
新聞の文字を入れるためベタを削っていきます。
(1)[ツール]パレットから[ペン]ツールを選択し、描画色に「透明」を選択します。
(2)新聞のベタ部分に「こどもしんぶん」と描きます。
3コマ目にベタを入れることが出来ました。
[5]ベタを入れる-5コマ目-
最後は1コマ目と同様に[塗りつぶし]ツールでベタを入れます。
(1)[ツール]パレットから[塗りつぶし]ツールを選択します。
(2)[ツールオプション]パレットの[ツール設定メニュー]から「レイヤー複数参照」を選択します。
(3)ベタを入れたい場所をクリックしベタを入れていきます。
同じ手順で、他の場所もベタを入れていきます。
すべてのコマにベタを入れてベタ入れの工程が完了です。
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