5.トーン
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※ 使用したバージョン : ComicStudio Ver.4.5.2
[1]網点・万線のトーンを貼る
ComicStudioのトーンには大きく分けて網点などのトーンと柄や背景などのトーンがあります。
まずは、影や色合いの表現としてよく使われる網点のトーンを1コマ目に貼ります。
これまでの作業で何か作業をする際はレイヤーを分けるためにレイヤーを追加していました。
ではトーンを貼る時もレイヤー追加が必要なのでは?と思いますが、トーンを貼ると通常のレイヤーとは種類の違う「トーンレイヤー」というレイヤーが自動的に追加されます。なので、トーンを貼る工程ではレイヤーの追加は行いません。
1.網点トーンを貼る
(1)[ツール]パレットから[マジックワンド]ツールを選択します。
(2)[ツールオプション]パレットの[ツール設定メニュー]から[レイヤー複数参照]を選択します。
(3)網点トあります。ーンを貼りたいところをクリックし、選択範囲を作成します。
※選択範囲を色で表示して
(4)[選択範囲ランチャー]が表示されていることを確認します。
【選択範囲ランチャーとは】
[選択範囲ランチャー]は選択範囲を作成したときに表示され、選択範囲を作成した後に行う操作をまとめたランチャーです。
選択範囲を作成しても[選択範囲ランチャー]が表示されない場合は、[表示]メニュー→[選択範囲ランチャー表示]を選択し表示させます。
(5)[選択範囲ランチャー]の一番右にある、[新規トーン作成]アイコンをクリックします。
(6)トーンが貼られ、[簡易トーン設定ダイアログ]が表示されますので、画面で確認しながら線数・濃度などを調節します。
ここでは下記の設定をします。
線数:60.0
濃度:10%
種類:円
角度:45
[同じ設定のトーンがある場合は1枚にまとめる]にチェック
※トーンは後から設定を変更することができます。詳しくは補足をご覧ください。
【同じ設定のトーンがある場合は1枚にまとめる】
ComicStudioでトーンを貼ると、[トーンレイヤー]が生成されます。何か所も貼って行くと[トーンレイヤー]が何枚も作成されて、パソコンを圧迫したりレイヤー管理が大変だったりします。
たとえば下の図の水色の場所にトーンを貼りたいと思います。
[同じ設定のトーンがある場合は1枚にまとめる]のチェックを外して、トーンを貼って行くと…
トーンレイヤーが沢山!
しかも同じ名前のトーンレイヤーでどれがどこに貼ったトーンなのかわからなくなってしまいます。
しかし[同じ設定のトーンがある場合は1枚にまとめる]にチェックを入れると、同じ設定のトーンを作成した場合に[トーンレイヤー]が作成されず、すでにある[トーンレイヤー]を使って貼り足してくれます。
この機能を使えば、トーンレイヤーが散乱することがなく、レイヤー管理も楽になります。
(7)設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックします。
(8)トーンが貼れました。
(9)トーンを貼るとトーンレイヤーが追加されます。トーンレイヤーの名前は、設定した「線数+濃度」の名前になります。
(10)キーボードで[Ctrl]+[D]を押し、選択範囲を解除します。
選択の解除 | 【Win】 [Ctrl]+[D]キー |
---|---|
【Mac】 [Command]+[D]キー |
選択範囲は続けて同じ場所に作業をしない時は解除します。解除し忘れてしまうと、同じ範囲に作業をしてしまいますので選択範囲で作業をし終わった後は選択範囲を解除する癖をつけておくといいですよ。
選択範囲は狭い範囲に作っていると選択範囲があることを忘れてしまう場合があります。他の場所に線を描こうと思ったら描けない!ということが起こったら、選択範囲が作成されていないか確認してください。
(11)鍋の蓋や人物の瞳にも同じトーンを貼って、1コマ目のトーンは貼り終わりです。
(12)同様に他のコマにも網点のトーンを貼り付けます。
2.万線トーンを貼る
5コマ目には、網点のトーンを貼った後で、手前の3人のキャラクターの上に遠近感を現す万線(細かい平行線)のトーンを貼ります。
(1)[ツール]パレットから[マジックワンド]ツールを選択します。
(2)[ツールオプション]パレットの[ツール設定メニュー]から[レイヤー複数参照]を選択します。
(3)トーンを貼りたいところをクリックして選択範囲を作成していきますが、一度の[マジックワンド]ツールのクリックでは、線が閉じられている一箇所の領域しか選択できません。ここでは3人のキャラクター全体の選択範囲が必要なので、選択範囲に新しい領域を追加選択していきます。選択範囲に領域を追加するには、[マジックワンド]ツールを[Shift]キーを押しながら使用します。
※選択範囲を色で表示してあります。
必要な箇所の選択範囲を作成できました。
※選択範囲を色で表示してあります。
(4)[選択範囲ランチャー]の一番右にある、[新規トーン作成]アイコンをクリックします。
(5)[簡易トーン設定ダイアログ]が表示され、前回貼ったトーンがプレビューとして貼り付けられます。ここでは下記の設定に変更します。
線数:27.5
濃度:10%
種類:線
角度:0
※トーンは後から設定を変更することができます。詳しくは補足をご覧ください。
(6)設定が完了したら、[OK]ボタンをクリックします。
(7)キーボードで[Ctrl]+[D]を押し、選択範囲を解除します。
選択の解除 | 【Win】 [Ctrl]+[D]キー |
---|---|
【Mac】 [Command]+[D]キー |
(8)トーンを貼り終わりました。
[2]柄物のトーンを貼る
[選択範囲ランチャー]では柄物のトーンを貼ることはできません。柄物のトーンを貼る場合は、[素材]パレットにあるトーンの中から直接選択範囲にドラッグ&ドロップします。3コマ目の男の子が羽織っている風呂敷にトーンを貼ってみましょう。
1.選択範囲を作る
(1)[ツール]パレットから[マジックワンド]ツールを選択します。
(2)[ツールオプション]パレットの[ツール設定メニュー]から[レイヤー複数参照]を選択します。
(3)網点のトーンを貼ったときと同じように、トーンを貼る部分に選択範囲を作成します。
2.トーンを貼る
柄物トーンは[素材]パレットに収納されています。まずは[素材]パレットを表示しましょう。
(1)[ウィンドウ]メニューから[素材]を選択します。
[素材]パレットが表示されます。
(2)[素材]パレットを見やすくするために大きくします。
(3)[素材]パレットから「トーン」→「BasicTone」→「5 Image」→「服柄_背景模様」から「円重ね模様」トーンを選択します。
(4)画面上にドラッグ&ドロップします。
(5)選択範囲内にトーンが貼られます。
(6)キーボードで[Ctrl]+[D]を押し、選択範囲を解除します。
選択の解除 | 【Win】 [Ctrl]+[D]キー |
---|---|
【Mac】 [Command]+[D]キー |
3.トーンの柄の大きさを調整する
貼ったトーンの柄が大きすぎる時や小さすぎる時は表示倍率を変更して調整します。
(1)柄を調整したいトーンレイヤーを選択し、アイコンをダブルクリックします。
(2)[プロパティ]パレットが表示されますので、[倍率]を調整し[OK]をクリックします。
トーンの柄の大きさを変更できました。
網点トーンと柄物トーンをすべてのコマに貼ってトーンの作業は終了です。
[3]トーンの削り・貼り足し
ComicStudioでは、トーンを簡単に削ったり貼り足したりできます。
「トーンレイヤー」に透明色で描画するとトーンが削られ、黒で描画すると貼り足すことができます。
1.削り
1コマ目のトーンを削りましょう。
(1)[レイヤー]パレットから [トーンレイヤー]「60L 10%」を選択します。
(2)[ペン]や[消しゴム]でも削ることはできますが、ここでは[ツール]パレットから[パターンブラシ]ツールを選択し、描画色に「透明」を選択します。
[パターンブラシ]を使用すると、カッターナイフや砂消しゴムでトーンを削ったようなアナログ風の仕上がりにできます。
(3)[ツールオプション]パレットの[ツール設定メニュー]から[トーン削り用]を選択します。
(4)トーンを削りたい所をストロークすると、トーンが削れます。
2.貼り足し
(1)[レイヤー]パレットから [トーンレイヤー]「60L 10%」を選択します。
(2)[マジック]や[パターンブラシ]でも貼り足しは行えますが、ここでは[ツール]パレットから[ペン]ツールを選択し、描画色に「黒」を選択します。
(3)描画したところにトーンが貼り足されます。
すべてのコマのトーンに削りと貼り足し処理を施して、トーン作業が完了です。
補足
トーンの設定を変える
一度貼った網点トーンは後から設定を変更することができます。
(1)[レイヤー]パレットから、設定を変更したい[トーン]レイヤーのアイコンをダブルクリックして[プロパティ]パレットを表示させます。
(2)[プロパティ]パレットで線数、濃度などの数値を変更して[OK]をクリックします。
トーンの貼り替え
1度貼ったトーンを簡単に貼り替えることができます。
(1)[レイヤー]パレットから貼り替えたい「トーンレイヤー」を選択します。
(2)[素材]パレットから新たに貼り替えたいトーンを選択します。
(3)[素材]パレットの左上にある[トーンの貼り替え]ボタンをクリックします。
トーンが貼り変わります。
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