第10回:フキダシにセリフを入れる
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10-1 フキダシ
フキダシは新規レイヤーで
みなさんこんにちは、森野熊太郎です。
さてさて、マンガの原稿ができあがってきたので、今度はフキダシを作っていきましょう。
フキダシを作るときは、フキダシ用に新しくレイヤーを作るのがコツです。セリフを直したい場合にフキダシの大きさが合わなくなっても、描き直しができますからね。
文字の大きさを考慮しながら、フキダシを作ります。
フキダシの中は「白」で塗りつぶしておきます。背景が透けないように、という目的もありますし、後々フキダシの位置を移動したくなってもどんどん調整できちゃいますよね。コミスタで描くメリットを最大限に生かすためにもレイヤーをうまく分けて活用するといいでしょう。
10-2 セリフの入力
テキストツールで入力
フキダシを描いたら今度はセリフ(ネーム)を入力します。
文字は[テキスト]ツールで入力します。文字を置きたい場所でクリックすれば入力することができますが、位置の移動は後で調整できるので、あまり厳密にクリックする場所を悩む必要はないですよ。
文字を入力する[テキスト]ツールを使う時は[テキストツールオプション]パレットで「テキストフォルダに格納する」のチェックをONにし ておきます。文字を入力すると、ひとつのセリフごとにひとつのレイヤーができます。たくさんレイヤーができても[レイヤー]パレット内が散らかってしまわ ないようにするためのものです。
文字を入力したい場所でクリックすると、入力するためのカーソルが表示されます。文字を入力するときに日本語入力システムを使う場合は、日 本語入力モードへ変更してください。多くのWindows用PCの場合は「半角/全角」キーを押すと、日本語入力モードと英語入力モードが切り替えられま す。
日本語入力モードで文字を入力すると、文字はいったんウィンドウの外側に表示されますが変換した文字を確定すると、ポインタの場所に文字が表示されます。
画像のようにうまくフキダシに入るように文字を入力します。最後にびっくりマーク「!」を入力したいのですが、キーボードで入力する「!」 ではなくマンガにぴったりなコミックフォントを使いましょう。ComicStudioPro/EX 4.0にはマンガ用のコミックフォントも同梱されているので、効果的な文字を使うことができます。
[プロパティ]パレット の[テキスト]タブで[入力フィールドを表示]のチェックをONにします。
[入力フィールド]パレットが表示されます。ここから「!!」マークを選択してみましょう。[入力フィールド]ではフォントを選択して、様々な文字を入力できるようになっています。フォントは[ComicStudio外字]を選択します。
10-3 文字設定
[プロパティ]パレットを活用
文字の入力中は[プロパティ]パレットで入力する文字の設定を変更することができます。
ワープロの設定とほぼ同じです。文字と文字の間隔を調整するには[字間]や[行間]を使用しますが、ComicStudioPro/EX 4.0に同梱されているコミックフォントを使用するときは[フォント]に[ComicStudio-GA]か[ComicStudio-GT]を使用する とよいでしょう。
[ComicStudio-GA]はアンチゴチと言って、一般的にマンガ雑誌で使用される文字フォントです。漢字はゴシック体、ひらがなは明朝体を使います。このフォントだとマンガっぽく感じますよね。 [ComicStudio-GT]はモノローグなどで使いやすいフォントです。アナウンスのセリフなどにもよいでしょう。
設定を保存
[スタイルを使用]のチェックをONにしておくと、文字の種類ごとに使用するフォントの情報をあらかじめ設定しておいて、入力時に自動的に 適用させることできます。設定を作りたい、または変更したい場合には、[設定]ボタンをクリックして[スタイル設定]ダイアログを呼び出します。
[スタイル設定]ダイアログの左下にある[新規作成]ボタンをクリックすれば、設定を何種類も用意することができます。うまく使い分けしておくと、セリフの入力がぐんと楽になりますよ。
10-4 文字をあとから調整
ドラッグ一発!
文字を入力してから、文字の位置や大きさが気になる場合は、ドラッグだけで調整することもできます。
こんな風に、フキダシよりも文字が大きすぎる場合、[プロパティ]パレットでフォントサイズ(文字の大きさ)を変更しても良いのですが、それだとちょうどよい大きさが感覚的にわかりづらくなります。そこで、
文字を入力した際に表示されるガイド線の赤丸のハンドルをドラッグしてみましょう。これで文字の大きさを自由に変更することができます。
また、水色のガイド線の内側(赤い部分)をドラッグすると、文字が移動できます。
これで文字がぴったりはまりました。文字を入力したあとに、文字の大きさや位置は簡単に修正することができます。フキダシの大きさなどを考慮して、ちょうど良い文字の配置を考えましょう。
10-5 フキダシ機能
セリフにフキダシをつける
フキダシ機能を使うと、フキダシをコミスタが描いてくれるんです。この機能も紹介しておきましょう。
文字を[テキスト]ツールで入力します。
[プロパティ]パレットで[フキダシ設定]タブをクリック。[テキストに合わせる]のオプションをONにして、[素材からフキダシを選択]ボタンをクリックします。
フキダシの種類がたくさん表示されます。この中からイメージ通りのフキダシを選びましょう。今回は[標準B]を選んでみました。
こんな感じでフキダシがつきました。大きさもセリフの文字数にちゃんとあってますね。
もしこのフキダシの大きさを変更したいときは、フキダシに付加されているガイド線を使ってみましょう。フキダシの大きさを変更するときは[テキストに合わせる]のオプションはOFFにしておきましょうね。
しっぽもつけよう
フキダシにはしっぽも必須です。
[1]は曲線のしっぽ 、[2]は直線のしっぽを作ります。[3]はしっぽを消去します。
直線のしっぽをつけてみたところです。しっぽにもガイド線があるので、あとから位置や長さを変えることができます。
フキダシにはさまざまなバリエーションがあるので、こんなフキダシも簡単に呼び出すことができます。でも、このフキダシだとしっぽが作れそうにありません。
[プロパティ]パレットの[フキダシ設定]のしっぽを追加するボタンも、設定できないようになっています。フキダシには、しっぽを設定する必要のないものもありますので、フキダシを選ぶときに確認しておきましょうね。
[テキスト]ツールでフキダシを作ると、テキストレイヤーにフキダシそのものも含まれることになります。フキダシの位置を変えたり、大きさを変えることが自由にできるようになるのでとても便利に使えるでしょう。ただし、ちょっと欠点がありまして…
こんな感じで、フキダシの形によっては枠線からはみ出してしまうこともあります。フキダシを置く位置をうまく調整してあげてくださいね。実 はマスキングレイヤーや、コマレイヤーといったもっと高度なワザで、このはみ出しを消すこともできるんですが…それはまたの機会、ということで…。
フキダシとセリフの関係を解消する
フキダシをつけると、[テキスト]レイヤーにはフキダシマークがついて、フキダシとセリフは一体化されます。しかし、この関係を解消することもできます。
レイヤーの横にあるボタンをクリックします。
するとメニューが表示されるので、[テキストとフキダシを分離]を選びます。
これで、フキダシだけを消すこともできます。1度フキダシを作るとテキストと一体化してフキダシを消せなくなる、と勘違いするケースもあるみたいなので、この点は気をつけておきましょう。
そろそろ完成
さて、そろそろマンガ原稿が完成です。ラフから下描き、ペン入れ。仕上げ作業にトーンや集中線なんかも引きましたね。
マンガの原稿として使いたい場合は、このまま紙の原稿用紙に印刷をしましょう。次回はいよいよプリント(印刷)についてお話しします。
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