月曜日:ComicStudioの準備とペン入れ原稿の読み込み
閲覧数 : 40926回 総合評価 : 6件
[1]ComicStudioの原稿用紙を準備
[2]紙の原稿用紙からComicStudioにスキャン!
■導入
「修正が簡単」「素早く塗れるベタ塗り」「豊富な種類のトーン(しかも貼り放題!)」といったComicStudioのメリットを最速で使いこなしてしまいましょう!
同人誌を作ったことはあるけれど、デジタルは未挑戦という方向けに、「ペン入れ」までは紙の原稿用紙に、そこからはComicStudioのデジタル作業だけで、1週間で同人誌を完成させるまでの手順を紹介していきます!
[1]ComicStudioの原稿用紙を準備
■ComicStudioの起動
(1)ComicStudioのアイコンをダブルクリックしてComicStudioを起動します。
ComicStudioが立ち上がると、空白の原稿用紙があらかじめ準備されていることがあります。
今回は、ペン入れ済のマンガ原稿をスキャンして、ComicStudioの原稿用紙に「貼りつける」作業を行います。そこで、ComicStudio形式で新しい原稿用紙を作成するところから始めます。
印刷サイズに合った原稿を後で作成しますので、ComicStudioが起動したときにすでに準備されている原稿用紙は閉じておきましょう。
(2)[ファイル]メニューから[閉じる]を選択します。
(3)保存されていない原稿用紙を閉じる時は[保存しますか?]というダイアログが表示されることがありますが、今回は保存する必要はないので[いいえ]をクリック。原稿用紙が閉じられます。
ComicStudioの画面の中に原稿用紙が表示されなくなったら、新しく原稿用紙を準備します。
■原稿用紙を準備!
ComicStudioの原稿用紙を作成する前に、あらかじめ自分の描いた原稿の「サイズ」と「ページ数」を確認しておきます。
今回は「B5サイズ」、「8ページ」の準備方法を紹介します。
(1)[ファイル]メニューから[新規作成]→[作品]を選択します。
[新規作品]ダイアログが表示されます。
(2)[新規作品]ダイアログの[寸法指定]と[用紙テンプレート]、2つのタブがあるので[用紙テンプレート]をクリックします。
(3)「デフォルト」→「同人用紙」を選択します。今回はB5の紙にペン入れされている原稿用紙を使うので「同人B5用紙3mm」を選択します。最後の「3mm」は裁ち落とし幅(トンボの幅)を示しています。
(4)[ページ設定]を設定します。
[ページ設定]ではマンガ原稿本文が何ページかを設定するだけで大丈夫です。ページ数は後から変更することができますし、「表紙1~4」を追加するモードなどもあります。このモードについては土曜日に詳しく説明します!
一般的なマンガと同じように本を開く場合[閉じる位置]は[右綴じ]を選択します。本文開始ページは片起こしなら[左]、見開き起こしなら[右]を選択します。見開きのシーンがあったときに、ページが分断されないようにするためです。
[ページ構成]は、紙の原稿用紙をスキャナで読み込む場合、必ず[単ページ]にしておきます。
[新規作品]ダイアログで[OK]をクリックすると、ComicStudioの画面に原稿用紙のサムネイルが表示されます。
このように複数の原稿用紙を一覧できる点がComicStudioの大きな特徴です。それぞれのページの原稿用紙を操作したい場合はサムネイルをダブルクリックすると…
原稿用紙が開いて直接絵を描いたり、操作できるようになります。
画面左側にある▲マークをクリックすると、原稿用紙を開いたままサムネイルで一覧表示することもできます。
原稿用紙を一覧しながら、今何ページ目で作業しているのか判りやすくなりますよ!
開いた原稿用紙を閉じる場合は、必ず[ページ]タブの[×]ボタンをクリックします。
ページ数は、後から追加/削除することもできるので、この段階ではマンガの本文分のページだけ作成しておきましょう。ページ数の入力を間違えても大丈夫!
[2]紙の原稿用紙からComicStudioにスキャン!
■スキャナにセット
(1)原稿用紙が準備できたら、紙の原稿用紙をスキャンします。
(2)原稿のサムネイル一覧から、ペン入れした線画のデータを反映させたいページをダブルクリックして、原稿用紙を開きます。
(3)[ファイル]メニューから[読み込み]→[スキャン]を選びます。
スキャンそのものの手続きはメーカーや機種によって変わります。スキャナの取り扱い説明書はよく読んでおきましょう。
スキャナの読み込み画面が表示されます。この内容はメーカーや機種によって変わります。
ここで注意する必要があるのが「おまかせモード」。読み込む原稿の状態で明るさなどを「自動調整」をしてくれるモードがあるのですが、マンガの原稿を読み込むときはこの機能は必ず「OFF」にします!
すべての原稿を同じ明るさで読み込んでおきたいからです。
(4)スキャナの設定は[読み込み解像度600dpi]、カラーモードは[グレースケール]に設定(モノクロ/白黒2値ではありません、ご注意!)。
読み込みの大きさは原稿の大きさに合わせます(今回はB5に設定)。[自動調整]など画像補正機能がある場合はすべて[OFF]にして、原稿を読み込みます。
■スキャンの調整
(1)スキャナの読み込みが終わると[処理選択]ダイアログが表示されるので[通常]を選びます。
読み込まれた原稿がComicStudio画面上に表示されます。
読み込まれた原稿の回りに赤い調整ハンドルが、[プロパティ]パレットでは[位置調整]タブが表示されています。
紙の原稿用紙とComicStudioで用意した用紙の大きさがまったく同じでも、読み込まれる範囲が少しずれてしまう場合があります。
(2)赤枠の内部をドラッグして位置を調整します。画像を移動させたい場合は、[□]マークや[+]マークに触れないように気をつけましょう。
赤い[□]ハンドルをドラッグしてしまうと大きさが変わってしまうので、その場合は[リセット]をクリックすれば初期状態に戻ります。
原寸で読み込んでいるので、ここで大きさを変更する必要はありません。もしComicStudioで用意した原稿用紙と、読み込んだ画像の大きさが違う時は、原稿の大きさとスキャナの読み込み設定をもう一度確認して下さい。
(3)原稿画像の位置が決まったら、[プロパティ]パレットの[画質調整]タブをクリックして、[レイヤー設定]タブで設定を行います。
・レイヤー名を[ペン入れ画像]などの判り易い名前に変更
・[種類]を[ラスターレイヤー]
・[解像度]を[600dpi]
・[表現色]を[グレー(8bit)]
・印刷属性を[仕上げ]
・減色手法は必ず[閾値]に設定…数値は初期設定の[127]のままで構いません。
・[フィルタ設定]タブは何もさわりません。
設定が終わったら[OK]をクリックすれば、読み込んだ原稿の画像がレイヤーとして作成されます。2枚目以降の原稿も同様に読み込んでおきます。
■スキャンした線画の調整
スキャンした線画は、レイヤーに記録されています。レイヤーの調整で後から線の太さを少し調整することが可能です。
(1)[プロパティパレット]の減色手法の[閾値]を調整します。
プロパティパレットの[レイヤー]タブの表示は、初期状態では[簡易表示]モードになっているので、[詳細表示]ボタンをクリックして[詳細表示モード]にしておきましょう。
[閾値]の値を低くすると線が太く、値を高くすると線が細くなります。値を上げ過ぎると線が途切れてしまうこともありますので注意しましょう。
線の太さが決まったら、[レイヤーの変換]で[グレー(8bit)]から[白黒(2bit)]へ変換します。
(2)原稿を読み込んだレイヤー(ここでは「ペン入れ画像」)を選択している状態で[レイヤー]メニューから[レイヤーの変換]を選びます。
(3)[レイヤーの変換]ダイアログで、「種類」は[ラスターレイヤー]のまま、[表現色]を[黒白(2bit)]に変更して、[OK]ボタンをクリックします。先ほど[閾値]で調整した線の太さが確定されます。
■ゴミ取り
また、紙の原稿用紙を読み込むと必要な線画以外に「ゴミ」が出てしまうことがあります。消しカスがアナログ原稿の上に残っていると、影が出てしまうのと同じです。綺麗な原稿にするためにゴミは[消しゴム]ツールでできるだけ取り除きます。デジタルなら、この大変な作業がグンと楽にできます!
ゴミが多く発生してしまった場合の細かな部分のゴミは、ゴミ取りツールを使うと便利です。
(1)[ゴミ取り]ツールを選択し、インク色を[透明]にします。
(2)[ツールオプション]パレットで「ゴミ取り(大)」を選択します。
(3)ゴミを包み込むように指定するとまとめてゴミが消去されます。
(4)線画の調整やゴミ取りが終わったら、レイヤーにロックをかけておきましょう。
こうすると、せっかく調整した線画レイヤー上に絵を描いてしまったり、消してしまったりする事故が防げます。
他の原稿も、最初に設定した減色手法の[閾値]を参考に調整するといいですよ!
読み込みが終わったら、必ずファイルを保存しておきましょう。ファイルの保存は[ファイル]メニューから[すべて保存]を選びます。
コメント