日曜日:入稿
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[1]入稿用データを用意する
■「入稿用の画像データ」とは
「本文」と「表1/表4」のComicStudio作品データが完成したら、同人誌印刷所に入稿できるように「書き出し」作業を行います。ComicStudioで保存したファイルはComicStudio専用のものなので、印刷所によってはそのまま入稿できないことがあります。
「書き出し」作業とは原稿1枚ずつを「画像ファイル」に変換する作業です。
画像ファイルには「形式」が何種類かあります。多くの同人誌印刷所では「psd」「tiff」「eps]形式などが利用可能です。これらは「1枚の原稿」に対して「1つのファイル」が作成されます。全16Pある場合には、16ファイルが生成されます。ファイル名には連番をつけて、どのファイルが何ページ目かを示しておきます。
画像をWebにアップロードするときなどに利用する[JPEG形式]は画像を圧縮して劣化してしまう恐れがあるので、印刷時の入稿には利用しません。
最近では「PDF」というファイル形式も同人誌印刷所に入稿できるようになり始めています。これはComicStudioで作成した「作品すべてのページ」に対して「1つのファイル」が作成することが可能です。ページの順番が入れ替わることがない分トラブルが発生しにくくなります。
psdやTIFF、epsと言った画像ファイルで納品をするときは、原稿の一枚一枚をすべて別々の画像ファイルにする必要があります。画像ファイル番号の順番を間違えてしまったりすると、乱丁落丁の原因にもなります。ComicStudioの「書き出し」作業では自動でファイルに数字を付加することができるので、こういった間違いがありません。
■画像データの書き出し(本文/表紙データ別)
実際の入稿用画像データの書き出し手順を紹介します。[ファイル]メニューから[書き出し]→[画像ファイル(寸法指定)]を選択します。
[画像のエクスポート]ダイアログが表示されます。
①出力サイズ
同人誌印刷の場合は必ず[等倍で出力]を選びます!
[出力範囲]では[ページ全体」を。
[色深度]では[モノクロ2階調]を選びます
②下描き情報
下描き画像/下絵→チェックを必ずOFFにします。
③仕上げ情報
仕上げ画像/トーン/テキスト→チェックをONに。
[ラスター詳細設定]と[トーン詳細設定]は初期状態のままで大丈夫です。もし不用意に設定を変えてしまったときは下記を参照してください。
[ラスター詳細設定]
[トーン詳細設定]
④ページ情報
トンボ/ノンブル→ON
基本枠/グリッド→OFF
ページ番号/作品名…は同人誌には印刷されない範囲に付加されます。ONでもOFFでも大丈夫!この「ページ番号」はノンブルとは別物です!
⑤ファイルの設定
[ファイルの名前]でファイル名を設定します。「honbun」と入力すると、honbun0001、honbun0002…と連番でファイルが出力されます。
[種類]でファイルの形式を選びます。
入稿できるファイル形式は、同人誌印刷所によって指定されますので、それに従います。「psd形式」で出力したい場合は「Photoshop」を選びます。
[種類]でPhotoshop(psd形式)を選んだ場合の設定について。同人誌印刷所に入稿する時は[設定]ボタンをクリックして[Photshop設定]ダイアログで[レイヤーを統合して出力する]のチェックボックスをONに設定しておきます。
[種類]でpdf形式を選んだ場合の設定について。同人誌印刷所に入稿する時は[設定]ボタンをクリックして[PDF設定]ダイアログで[品質]を[100%]に設定します。
[出力先]
ページを出力するフォルダを指定します。画像出力用のフォルダは新しいものを作ります。
[出力範囲]
全ページを指定します。
[見開きを分けて出力]
同人誌印刷所に入稿するときは、必ずONにしておきましょう。
[OK]をクリックすると、ファイルの書き出しが始まります。
本文と表紙部分のデータも作品を開いて同様に書き出しておきます。
「本文用」と「表紙用」で別フォルダにそれぞれのファイルを書き出しておくと、管理がしやすくなりますよ。
■[参考]BOOK Linerを使う
パソコンを使うのは得意!という人は、CLIPサイトで公開中の[BOOK Liner]というアプリに挑戦してみてもいいでしょう。
[BOOK LINER 使い方講座]
今回は表紙もComicStudioで作成しているので、本文分の作品に表1~表4までのページを挿入しておきます。表紙分の作品と同時に開いて作品一覧のウィンドウを並べます。ページのサムネイルを作品間でドラッグ&ドロップすると、作品を越えてページをコピーすることができます。
表1~4までのページを挿入したらComicStudioを終了します。
[BOOK Liner]ではComicStudioのオリジナルファイルや、書き出された画像ファイルを読み込んで入稿用データとしてまとめることができます。
用意した入稿データがどんな本になるかシミュレーションもできるので、データの不備をすぐに見つけられるスグレ者です!
[BOOK Liner]を使うためにはCLIPサイトで無料の会員登録と、ダウンロード→インストールの作業が必要です。
■出力見本
デジタルデータで同人誌印刷所に納品をする場合でも、紙に印刷した原稿を求められることがあります。ファイルデータはインターネット上で送って、印刷した原稿はFAXで送る必要がある場合も。同人誌印刷所がページの順番を間違えたり(乱丁落丁)することを防ぐためのものです。
印刷をする前にも、書き出しの時のような設定を確認しておきましょう。[ファイル]メニューから[印刷設定]を選んで[印刷設定]ダイアログを選びます。
印刷見本は、ページの順番などを確認するのが目的なので、[印刷設定]ダイアログの[ノンブル]のチェックボタンをONにしておきます。
設定が終わったら[印刷]ボタンで印刷を開始します。
プリンターを持っていない!という場合は[CLIPプリント]を利用すると、近くのセブンイレブンのマルチプリンターから自分の原稿を出力することもできますよ![CLIPプリント]を使うためにはCLIPサイトで無料の会員登録が必要です。
[2]原稿を送付!
■すべての準備が終わったら…
お願いする同人誌印刷所によって細かく内容は変わりますが、注文指示書や台割りなども用意します。どの形式のファイルで保存しているかなどを明記する印刷所さんもあるので、指示に従って下さい。
すべての準備が終わったら、ファイルを送付します。CD-Rなどにファイルを焼いて出力見本や書類と一緒に郵送するパターンや、ファイルを圧縮して印刷所さんのWebサイトでアップロードして出力見本などをFAXで送るといったパターンなど、同人誌印刷所によってまちまちです。
あらかじめ必要なものは自分でチェック票を作って、足りないものがないか送付時に確認しておきましょう。
確認を怠らずにきちんとチェックしながら入稿するのはアナログのときと同じです。
同人誌印刷所から、確認の連絡が来ることもあるので原稿のプリントアウトは自分用にもう1部用意しておくと便利ですよ!
あとは無事印刷された同人誌が指定した配送先に送られてくるのを待つだけです!
ここまで一週間でComicStudioを使った同人誌を作る方法を紹介してきました。一度デジタル制作を体験してしまえば、次回からはもっともっとスムーズに入稿作業まで進められますよ!ぜひ、ComicStudioのデジタル制作作業であなただけの素敵な同人誌をたくさん作っていってくださいね!
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