ComicStudio 使い方講座 > 機能解説!トラの巻 > フィルタ > 集中線フィルタの使い方 …

集中線フィルタの使い方 応用編

提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30   
閲覧数 : 13928回 総合評価 : 2件

※使用したバージョン:ComicStudioVer.4.5.6

[1]線の間隔をもっと狭く(基本編)
[2]線の間隔をもっと狭く応用編
[3]集中線を重ねる(2重線の集中線)
[4]集中線を重ねる(その他のパターン)
[5]放射線定規と組み合わせる

 

集中線を自動描画!

集中線を描いてくれる集中線フィルタは、数値を設定して集中線を描くためのツールです。フィルタの実践的な利用方法で、どのような集中線を作ることができるのか紹介しましょう!
[集中線]フィルタを利用して描画する場合、定型的なパターンしか作れないと思っていませんか?
[集中線]フィルタの使い方を一工夫するだけで、描きたい効果線をより効率よく描くことも可能なんですよ!

001.jpg
002.jpg
003.jpg

 

これらのような集中線を描く手順を紹介します。自分の描きたい[集中線]フィルタを活用して描くときのヒントにしてください!

 

[1]線の間隔をもっと狭く(基本編)

[集中線]フィルタでは、線と線の間隔を「角度(°)」か「長さ(mm)」で設定します。

003_2.jpg

 

[間隔]を角度で設定した場合。[距離]が30でも60でも、線の角度(間隔)は同じです。

004.jpg

 

005.jpg

 

しかし、[間隔]を長さ(mm)で設定すると線の間隔は[距離]に応じて変化します。

[距離]で設定した円周上での線の間隔になるため、円の大きさが大きくなる(=[距離]の数値が大きくなる)と結果的に線の間隔が狭くなるんです。

006.jpg

[間隔]を設定するときに、この違いをよく覚えておきましょう。

 

作例を使った集中線の描き方の手順を見てみましょう。

人物と同じ領域にはホワイトで塗りつぶしたレイヤーがあり、人物より下のレイヤーの内容が透けないようにしています。この状態で流線に近い集中線を描いてみます。

008.jpg

 

[集中線]フィルタで中心点をコマの枠から大きく離れた位置に設定します。

中心点は原稿用紙の外にも設定することができます。ただし、このままでは集中線が短すぎるので[長さ]を調整して集中線を延ばします。
(判りやすくするために、コマの外側もすべて集中線を描いていますが、実際の作業では必要な大きさで選択範囲を作成してから集中線を描画すると便利ですよ!)

009.jpg

 

そのまま集中線の[長さ]を延ばしただけでは、集中線の間隔が拡がってしまうように見えます。集中線の内側と外側では線の密度の見え方が変化してしまうためです。

010.jpg

 

そこで[間隔]を再調整するのですが、[間隔]の設定できる数値にも最低単位があります。
「°」(角度)で設定するときは最小で[0.5°]、「mm」(長さ)で設定するときは最小で[0.10mm]です。

011.jpg

 

[間隔]を[0.5°]で設定して描画させてみました([乱れ]アリ)。これ以上間隔の幅を狭めることはできないのでしょうか?

012.jpg

 

「mm」(長さ)で設定する[間隔]は[距離]の円周上での間隔を設定することになります。
つまり、円周が長くなるほど(円の半径が大きくなるほど)引ける集中線の本数が多くなるということ………数学が不得意な方は、とにかく「「mm」(長さ)]で設定すると[距離]を大きくしたら集中線が密になる!」と覚えておきましょう!

[間隔]を最小の0.10mmに設定しました([乱れ]アリ)。この状態で[距離]10mmに設定されています。

013.jpg

 

[間隔]はそのままで[距離]を70mmに設定しました。集中線がとても密になっていますね。

014.jpg

 

ここで注意が必要なのは、[距離]のチェックボックスがOFFになると、狭くした間隔が元に戻って広くなってしまうことです。

描画位置の変形や変更で、集中線の内側の形を楕円にしたりフリーハンドで設定すると[距離]のチェックボックスがOFFになってしまうので、注意が必要です。

015.jpg

 

[2]線の間隔をもっと狭く応用編

では、集中線の内側の形を変更する必要があり(つまり[距離]のチェックがOFFの状態ですね)、かつ、線の間隔を狭くしたい場合の方法も紹介しておきましょう。ここで大きなポイントがあります。

集中線を設定するときに、[間隔]に対して[乱れ]が設定されていることが必要なポイントになります。

016.jpg

 

[間隔]を「mm」(長さ)で設定している場合に、描画位置を調整した状態です。集中線の間隔が拡がってしまっています。

017.jpg

 

「°」(角度)の設定では集中線の描画位置に影響を受けません。

018.jpg

 

結果として距離のチェックボックスをOFFにしている場合、[間隔]を「°」に設定すると「mm」で設定しているときよりも細かく設定できます。

さらに、この間隔を狭めたいと思います。
[集中線]フィルタで描画したレイヤーを複製します。

019.jpg

 

まったく同じ集中線が描かれているレイヤーが2枚重なるだけなので、レイヤーを複製しただけでは集中線の描画内容に変化はありません。
複製後のレイヤーのレイヤーアイコンをダブルクリックすると、集中線の再設定を行えます。そこで[再生成]ボタンをクリックして、1枚目の集中線とは違うランダムさで集中線を再生成します。

結果的に集中線の密度があがっていることが判りますね。

020.jpg

 

もっと密度をあげたければ、レイヤーを更にコピー→[再生成]ボタンをクリックします。しっくり来るランダムになるまで何度か[再生成]をクリックするといいでしょう。

021.jpg

 

POINT

022.jpg

 

1枚の[集中線]フィルタを適用したレイヤーで[レイヤーをクリアする]をOFFにして再生成を繰り返せば、同様に集中線の密度をあげることが可能です。作業に慣れてきたら1枚のレイヤーで集中線を重ねて再生成する方法も試してみましょう。

 

[3]集中線を重ねる(2重線の集中線)

[集中線]フィルタは重ねることによって、表現力を拡げることもできるんです。少し違ったパターンの集中線を描いてみましょう。
下図の作例は[集中線]フィルタだけで描画しています。2重線の集中線はフィルタのレイヤーを重ねることで描画することが可能になります。

023.jpg
※画面はホワイトが見えやすい様に[透明部分表示]をONにしていま。

 

それでは、このパターンを[集中線]フィルタで描画する手順を見ていきましょう。
まず、少し太めの集中線を描きます。この作例では[幅]「1.0mm」に設定しました。

024.jpg

 

集中線の描画位置は、変更/変形していても構いません。

025.jpg

 

次に、[集中線]フィルタを適用したレイヤーを複製します。

026.jpg

 

同じ画像のレイヤーが2枚になります。つまり「[集中線]フィルタの中心点や設定内容も全く同じ」ということです。
複製したレイヤーの[集中線]フィルタを再設定して、[描画/背景色]を[白]に設定します。

027.jpg

 

画面上は集中線がすべて白く見えますが、コピー元のレイヤーには黒い集中線がそのまま残っています。
線を白くしたら、少し[幅]を細くします。

028.jpg

 

今回は元の[幅](線の太さ)が「1.00mm]に対して、複製したレイヤーの白い集中線は[0.60mm]に設定しました。
線が細くなったぶん、下のレイヤーの黒い集中線が見えて2重の集中線のようになっています。
しかし、このままではまだ問題があります。集中線の先が白く抜けきっていません。

029.jpg

 

そこで、もう一度レイヤーを複製します。

030.jpg

 

集中線を白く設定したレイヤーを複製して、再度集中線を設定します。

[長さ]を短く(作例では10.00mmに設定)、[幅]も少し細め(作例では「0.20mm」)に設定します。画面を拡大して、うまく集中線の先が抜けるように調整しましょう。

031.jpg

 

一番上のレイヤーは内側のホワイトの抜きを作ります。

032.jpg

 

2番目のレイヤーで、残りの部分のホワイトをおきます。

033.jpg

 

これで、2重線の集中線が描けました。

034.jpg

 

折角作った集中線は[素材]パレットに登録して、あとから呼び出せるようにしておきましょう。
複数のレイヤーを[素材]パレットに登録するためには、レイヤーフォルダに必要なレイヤーを納めておく必要があります。

035.jpg

 

フォルダを選択した状態で[レイヤー移動]ツールで集中線を移動させることが可能です。

036.jpg

 

[4]集中線を重ねる(その他のパターン)

集中線の重ね方次第で様々なパターンの集中線やフラッシュを作ることができます。重ね方の基本的な考え方は次の通りです。
ABCのパターンは同じ中心点を持つ集中線です。「集中線フィルタ」レイヤーを複製して、[長さ]や[幅]、[間隔]などを調整して3種類の集中線を作成しています。

037.jpg
038.jpg
039.jpg

 

同じ中心点の集中線を重ねることで、より複雑な集中線/フラッシュのパターンを作ることができます。

040.jpg
041.jpg
042.jpg

 

2重線の集中線とは逆の発想で、ランダムなフラッシュの作り方の設定を紹介しておきましょう。
等間隔のフラッシュを作ります。

043.jpg

 

設定内容は下図のように。

044.jpg

 

[集中線]フィルタを適用したレイヤーを複製します。

045.jpg

 

複製したレイヤーでは[集中線]フィルタを再設定します。

046.jpg

 

[描画/背景色]を[白]に設定。[幅]を極端に太く、[間隔]を少し広め、[乱れ]も設定します。
これで等間隔のフラッシュに対して、ランダムに間隔を置くことができます。

047.jpg

 

「等間隔」と「ランダムさ」を組み合わせた集中線は、[集中線]フィルタ単独では作成することができません。
[集中線]フィルタを組み合わせることによって、より複雑なパターンを作成できるようになりますよ!

 

[5]放射線定規と組み合わせる

[集中線]フィルタの中心点の位置を放射線定規と同じ場所に設定すれば、より自由な集中線やフラッシュが描けます。
下描き用のレイヤーなどに中心点をマーキング、放射線定規を作成してマークの位置と中心点を合わせます。
放射線定規の中心を[Q]キーを押してマウスカーソルの位置に移動する方法を利用すると便利ですよ。

048.jpg

 

フラッシュは[集中線]フィルタの得意とするところです。[放射線定規]と組み合わせて、より自由にフラッシュを作り込んでみましょう。
[集中線]フィルタでフラッシュを作ります。でもちょっと味気ないかもしれません。

049.jpg

 

新しいレイヤーに[放射線定規]を使って、放射線を描き足していきます。

050.jpg

 

フラッシュをすべて手で描くよりもずっと効率的に描けますよ。

051.jpg

 

[集中線]フィルタではある程度規則正しい集中線のパターンになってしまいますが、中心点を合わせて[放射線定規]で描き足していけば、様々な集中線やフラッシュが描けます。

052.jpg

コメント
コメントはありません