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線画を描くのに適したツール

提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30   
閲覧数 : 19742回 総合評価 : 2件

ComicStudioのツールの中でも線画を描くのに適した、[ペン]・[鉛筆]・[マジック]の3つのツールを取り上げます。
この中でも最も基本的な[ペン]ツールを中心に解説します。[鉛筆]ツールや[マジック]ツールの設定は[ペン]ツールと共通する部分も多いため、各ツールに固有の設定だけ解説しています。

※ 使用したバージョン : ComicStudio Ver.4.5.1

 

[1] 描画系ツールの基本

[ペン]ツールや[マジック]、[鉛筆]ツールなどの描画系ツールで描画するには…
(1) [ツール]パレットでツールを選択します。
(2) [ツール]パレットで[描画色]を選択します。
(3) その他のツールの設定は[ツールオプション]パレットで行います。

 

・ペンツール

 

[ペン]ツールではタブレットの筆圧の強弱に応じて、タッチのある線が引けます。
「Gペン」や「丸ペン」のように、マンガの主線や効果線を描画するのに適したツールです。「筆」のようにブラシサイズを大きくすると、ベタ塗りにも使用できます。

 

※使用できる描画色は、描画するレイヤーの種類や[色深度]によって異なります。
 

・鉛筆ツール

 

[鉛筆]ツールでは筆圧により不透明度(線の濃淡)を変化させることができます。
下描きをする場合などに便利です。
ラスターレイヤーの色深度を「グレー(8bit)」に設定すると、濃淡を活かして描画できます。
黒白(2bit)のレイヤーにも描画できますが、誤差拡散で疑似的なグレーを表現しています。
ベクターレイヤーでは[不透明度]を表現できないため、[鉛筆]ツールを使用できません。

 

黒白2bitのラスターレイヤーに描画した場合

 

・マジックツール

 

[マジック]ツールは[ペン]ツールと違い、タブレットの筆圧に影響されません。また、「入り抜き」も設定できないため、基本的にタッチのつかない均一の太さの線を引くのに適しています。
枠線や描き文字などに適しています。

 
 

[2] ツール設定の選択

ComicStudioでは同じツールでも複数の設定を切り替えられます。

(1) [ツール設定メニュー]ボタンをクリックします。
(2) リストからツール設定を選択します。

 

[ペン]ツールの場合、「Gペン」や「丸ペン」「筆」など、描き味や太さの設定が違うブラシが登録されています。これらのブラシは初期設定のサイズなどが異なる他、筆圧の感度が異なる設定になっています。
[マジック]ツールの一部の設定は「ペン軸の回転」に対応した特別なペンに合わせた設定も登録されています。
また、既存の設定以外にもオリジナルの設定を保存することもできます。

 

[3] ペンツールのツールオプション

1. ブラシサイズに関するオプション

 

[A] サイズ
0.3mm~10.00mmの間でブラシのサイズを設定します。

POINT
基本的に、ペンタブレットの筆圧が最大の時、ここで設定した太さで描画されます。
ブラシのサイズを2mmに設定していても、強く筆圧をかけていない場合は2mmより少し細い線で描画されます。筆圧を生かして描画する場合は実際に引きたい線の太さよりも少し太いサイズを設定しておくと、楽に描画できます。
また、「Gペン」や「丸ペン」といった名前にとらわれず、引きたい線に合わせてブラシのサイズを変更しながら描画するのがコツです。


※ サイズ変更のショートカット
[Ctrl]+[Alt]キーを押しながらドラッグすると、ブラシサイズを変更できます。

[B] サイズを画面上の値として使用
ボタンをオンにすると、ブラシのサイズはページの表示倍率とは無関係に、ディスプレイの見た目上一定になります。
ページの表示倍率を上げると、相対的にブラシサイズが小さくなり、ページの表示倍率を下げると相対的にブラシサイズは大きくなります。
下描きなど、大まかに描画したい場合はオンにしておくと、ブラシサイズを調整する手間が省けて便利です。

※ ブラシサイズを3mmに固定し、[サイズを画面上の値として使用]をオンにして描画した例

 

 
 

2. 不透明度に関するオプション

 

[C] 不透明度
描画する線の色の濃さを設定します。
100%で完全な不透明になり、値を下げるほど、下の色が透けるようになります。
描画するレイヤーの[色深度]によって半透明の扱いが変わってきます。(Point参照)
モノクロ2値の原稿で作画する場合は基本的に100%のままで描画します。

POINT
ラスターレイヤーの[色深度]、「黒白(2bit)」や「黒(1bit)」レイヤーではグレーの中間調を表現できないため、細かいドットの密度で濃度を疑似的に表現します。
これらの疑似的なグレーは非常に細かいドットの集まりのため、印刷や書き出し時に綺麗に出力されない可能性があります。
ブラシで中間調を表現したい場合は、「グレー(8bit)」で[減色手法]を[トーン化]に設定するとモノクロ印刷に適した状態になります。

 
 

3. 入り抜きに関するオプション

 

[D] 入り
チェックをオンにすると、描画した線の「始め(入り)」が自動的に細くなります。「入り」の強さ(長さ)は数値で設定できます。

[E] 抜き
チェックをオンにすると、描画した線の「終わり(抜き)」が自動的に細くなります。「抜き」の強さ(長さ)は数値で設定できます。

 
POINT
タブレットの筆圧だけでも「入り抜き」は表現できます。[入り][抜き]のチェックをオンにすると、描画した線すべてに自動的に「入り抜き」が付きます。髪の毛のように繊細な抜きが必要な部分や、スピード線など長い入り抜きを何度も行うような箇所でオンにして、筆圧によるニュアンスや入り抜きを活かしたい時はオフにする、など使い分けるとよいでしょう。


※ショートカットキー「1」(入り)、「2」(抜き)を使用すると描画中でも簡単に入り抜きの切り替えができます。

[F] 速度による入り・抜き
ストロークのスピードによって入り抜きの長さが変化します。
このオプションは「入り」「抜き」がオンのときに有効です。自然な入り抜きをつけたい時はオンにすると良いでしょう。スピード線のように非常に長い抜きが必要な場合は、オフにして抜きの長さを長くするのがおすすめです。

[G] 角をとがらせる
線を90度よりも鋭角に折り返したとき、ブラシのサイズや形状によっては角が丸まってしまうことがあります。[角をとがらせる]をオンにすると、角の先端が鋭角に補正されます。
このオプションは[補正]や[入り][抜き]のチェックとは関係なく使用できますが、[補正]をオンにすると、効果が出やすくなります。

 

4. 補正に関するオプション

 

[H] 補正
チェックをオンにすると描画した線を滑らかに補正します。手ブレなどで線がゆがんでしまう場合にオンにします。
補正の強さは0.1~20.0の間で調節できます。値を上げるほど、強く補正がかかります。

 
POINT
値を大きくするほどに直線的な線に補正されやすくなります。あまり値を大きくすると、描画した線の形が大きく変わってしまいます。
長くてきれいな線を引きたいときだけ、強めの補正をかけるのがおすすめです。

※ ショートカットキー「3」を使用すると描画中でも簡単に「補正」の切り替えができます。

[I] 速度による補正
ストロークの速さに合わせて補正の強弱が変化します。
ストロークが早いほどに補正が強くなり、直線的な線が引きやすくなります。
ゆっくりとストロークすると補正が弱まるので、微妙な線のニュアンスを生かして描画できます。
このオプションは[補正]がオンのときのみ有効です。また、補正のかかり方は[補正]の値に依存します。

[J] 表示サイズを補正に影響させる
ページの表示倍率に合わせて補正の強弱が変化します。表示倍率を下げるほど、補正が強くかかります。
このオプションは[補正]がオンのときのみ有効です。また、補正のかかり方は[補正]の値に依存します。

 

[4] 鉛筆ツール特有のツールオプション

 

[A] 不透明度
[鉛筆]ツールでは、タブレットの筆圧に応じて不透明度を変化させることができます。
線の太さの強弱だけでなく、濃淡のある線が引けます。

[B] 入り・抜き
鉛筆ツールで[入り][抜き]を設定すると、入り抜き部分でサイズと一緒に不透明度が変化します。

 

[C] 比較暗合成
鉛筆ツールで塗り重ねたときの描画方法を変更します。
オンにすると、描画先よりも線が濃いときのみ描画します。
色深度「グレー(8bit)」、もしくは「カラー(32bit)」レイヤーで描画する場合のみ有効になります。

 
 

[5] マジックツール特有のツールオプション

 

[A] サイズ
[マジック]ツールは基本的に筆圧で太さをコントロールできません。また、[入り][抜き]の設定もできないため、常に一定の太さで描画することに特化したツールです。
従って、ペンツールよりも頻繁にサイズを設定する必要があります。以下のショートカットも効果的です。

※ ショートカット
「[」キーでサイズを0.1mm下げることができます。
「]」キーでサイズを0.1mm上げることができます。

コメント
l.h._moc 2013/07/21 20:19
参考になりました。
yuinosuke 2012/12/22 08:27
なんとなく読んでみたら知らないことだらけでびっくりしました。 とても参考になったので、みなさん是非読んでください