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パターンブラシの限界に挑戦~草原と木を描く その1~

提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30    作家 : おぎのひとし
閲覧数 : 10320回 総合評価 : 6件
本文中で解説しているオリジナルブラシ[草原]は、「素材を探す」からダウンロードできます。
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今回は「パターンブラシの限界に挑戦」と言うことで、今までよりさらにパターンブラシの使い方に踏み込んでいこうと思います。
パターンブラシは画面効果の補助などに有効ですが、作り込めば作画にも使えます。まずは「草原」そして「樹木」の描画に挑戦してみましょう。

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(完成原稿)

遠景~中景の草を描く

遠景から中景にかけての草を描くためのカスタムブラシの作成方法を解説します。
今回は2つのパターンを1つのブラシに登録するマルチブラシを作成します。

 

(1)ブラシ形状の作成と登録

まずはレイヤーを新規作成し、[ペン]ツールで中央から放射状に伸びる短くて黒い線を描きます。

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[編集]メニュー→[パターンを登録]→[ブラシ素材]を選びます。

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[パターンをブラシ素材に登録]ダイアログが表示されるので、[素材の名前]を「草原」と付けました。それ以外は何も変更せずにOKをクリックします。

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この時作成されるブラシは下記のような物になります。これでは使い物にならないのでどんどん作り込んでいきます。

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(2)もう一つのブラシ形状を登録
草の形が一つだけだと単調になってしまうため、もう一つ別の形の草を登録します。
新規レイヤーを作成し、また[ペン]ツールで中央から放射状に伸びる短くて黒い線を描きます。

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先ほどと同じように[編集]メニューから→[パターンを登録]→[ブラシ素材]を選びます。
[パターンをブラシ素材に登録]ダイアログで[素材の名前]は「草原2」としました。
登録時に「ブラシ素材から新規ツールオプション設定を作成する」のチェックを外しておきましょう。

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※ブラシ素材から新規ツールオプション設定を作成する

 

この項目にチェックが入っていると、登録したブラシ素材を使ったブラシが作成されます。今回は初めに作成したブラシに登録するパターンも使用するので、新たにブラシを作成する必要がないためチェックをはずします。

 

(3)パターン素材を指定

[ツールオプション]パレットから、最初に登録した「草原[a1] 」パターンブラシを選択し、下記スクリーンショットの(①)の部分をクリックします。ウィンドウが表示されるのでそのウィンドウ上部のフォルダアイコン(②)をクリックしてください。

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[パターン素材の管理]ダイアログが表示されるので、草原用のパターン素材を新たに作ることにします。
下記スクリーンショットの矢印部分のアイコンをクリックし[新規素材集]を選びます。

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「草原パターン」という素材集を作りました。

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左側のサムネイルから希望のブラシを選び、素材集に登録します。今回は「草原」と「草原2」を選び、追加しました。登録したらウィンドウを閉じます。

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下記スクリーンショットの(①)部分をクリックし、今作成した素材集「草原パターン」(②)を選択します。

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デフォルトでは[単一]となっている部分をクリックし[複数(ランダム)]を選びます。これで先ほど登録した素材がランダムに切り替わるようになりました。

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ご覧のように複数のパターンがランダムに表示されるようになりましたが、まだまだ草原には見えません。

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(4)各種パラメーターの変更

さらにブラシを作り込んでいきます。
まずは[ツールオプション]パレットのコンテキストメニュー(①)の部分をクリックし「設定情報を変更」(②)を選びましょう。

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表示された[ツールオプション設定の変更]ダイアログの[スタイル]を、ここでは草が広い範囲に散らばるようなブラシにしたいため、[エアブラシ]を選び[OK]をクリックします。

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次に[ツールオプション]パレットの[サイズ]横の赤いボタンをクリックします。

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すると[ブラシコントロール]ダイアログが表示されるのでまずは[ペンの筆圧](①)を選択します。さらに[サイズ]を「10.00mm」、[最小]を「30%」(②)とします。

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これで、筆圧により徐々に大きくなる設定になりました。ただし最小の大きさを「30%」にしたため、不自然に小さくなりすぎないようになっています。

サイズの変化がわかりやすいパターンブラシで説明すると下図のようになります。

006.jpg

 

「間隔」タブ(①)をクリックします。「ランダム」(②)を選び、[間隔]を「130%」、[最小]を「100%」(③)とします。こうすれば密集しすぎるのを防ぐことが出来ます。

ちなみに自分で間隔をコントロールしたいのであれば「ストロークの速度」を選びましょう。

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[散布」タブ(①)をクリックします。[ペンの筆圧](②)を選び、[散布]を「30.00mm」。[最小]を「30%」(③)としました。こうすると、弱く描くと密集し強く描くとバラけます。

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[密度]タブ(①)をクリックします。[ランダム」(②)を選び[密度]を「3」(③)にします。ここは、自分の絵のタッチに合わせて増減させてみてください。

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これで草原ブラシが完成しました。

 

(5)草原の完成
草原部分の完成です。奥の方は弱く描き、手前は強く描きます。こうすることで遠近感が出てきます。

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今回は黒だけで描きましたが、白で描いた草を追加しても良いでしょう。また、全体にトーンを貼っても良いかも知れません。(今回は空が全面トーンになるため地面に貼るのは控えました)

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★Point!

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ブラシが完成したからと言って、使い方を間違えると大変なことになります。

今回の草原用のブラシは便利ですが、画面全体を埋め尽くしてしまうと何が何だかわからないものに仕上がってしまいます。
遠近感を考えて「手前はたくさん描いて奥はあまり描かない」と言うことを心がければ、自然と草原のように仕上がるはずです。

作者プロフィール:おぎのひとし  (サイトURL:http://www.ogino-hitoshi.com/

主にこども向けの漫画やイラスト、絵の学校の講師などを生業としています。
ともすれば画一的になりがちな「デジタル作画」において個性を出せるような使い方を目指しています。
参考にしていただければ幸いです。

「蜃気楼~まんが家おぎのひとしのホームページ」:http://www.ogino-hitoshi.com/

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