1.パソコンで写真をトレースしよう!
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パソコンを使ったデジタルトレースの方法をご紹介。ソフトは『CLIPSTUDIO PAINT』を使って、ベクター線で描いていきます。用紙のレイヤーを半透明にして写真の上に重ね、輪郭を写し取っていきます。
①写真を選ぶ
お手持ちのご自身で撮影なさったものの中から、使いたい写真を選んでおきます。
『CLIPSTUDIO PAINT』を起動し、[ファイル]メニュー→[新規]を選んで新しい原稿を作ります。600dpiくらいが目安です。
そして、[ファイル]メニュー→[読み込み]→[画像]で、用意した写真を選び、原稿に配置しましょう。
②パース定規を作る
「パース定規」という機能を使って、絵全体のパースを確認します。
まず、[レイヤー]メニュー→[定規・コマ枠]→[パース定規の作成]を選び、建物に合わせてパース定規を設定します。
写真のアイレベル(見ている人の目の高さ)を見つけ、屋根や塀などの直線に合わせて、パースライン(消失点に向かう線)を引きます。正確に合わないことがほとんどです。あとで補正できるので、大まかでかまいません。
③パース定規を動かす
パースラインを微調整しましょう。
[オブジェクト]ツールを選んだ状態で、定規のどこかをクリックすると、パース定規操作用のハンドルが表示されます。このハンドルを動かすことでパース定規を自由に操作できるようになります。
微妙にズレたパースを修正したり、ラインを移動したい場合に便利です。
④線を引いて描く
いよいよ、線を描いていきましょう。
写真の上に新しい「ベクターレイヤー」の用紙を用意します。[ペン]ツールや[図形]ツールを使って、下の写真を参考にしながら線を引いていきます。
ペンの種類・サイズがたくさん登録されているので、好きなものを選びましょう。ちなみに、本書の線画は 0.08mm のGペンに設定しています。
パース定規にスナップさせておくとラインに吸着するのでまっすぐな線が引けて便利ですが、フリーハンドや楕円などは、スナップを解除します。
⑤パース定規を移動させる
写真はレンズによって歪んでいます。特に画面端が直線ではなく湾曲しているので、補正が必要です。
「なんだか合わないな」と思ったら、その都度、描きたい部分に合うようにパース定規を動かしたり、新たに設定したりしながら、線を引いていきます。
このあとベタで調整しますので、あまり細かく線を入れすぎないようにします。
⑥ベタを入れて完成
線画がほぼ完成したら、影となる部分に黒(ベタ)を塗って画面に立体感を足します。
どちらから光が差しているのかを決め、影が同じ方向に落ちるようにしましょう。ベタは別のレイヤーにしておくと、線画とベタを別々に調整できるので便利です。
あとは、塀や壁、汚れなどを線画レイヤーに描き足して、完成です。
POINT
CLIP
STUDIO PAINTのパース定規の操作方法について詳しくは、使い方講座の機能解説!トラの巻「パース定規」カテゴリの講座で詳しく解説しています。
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