8.影とハイライト
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下塗りが終わったら、影やハイライトを入れてイラストに立体感をつけます。
新しく影用のレイヤーを作成して、影を描画します。
新規作成した「影」レイヤーにそのまま着色すると、線画の範囲以外の不要な部分にまで色がはみ出してしまいますが、先ほどまでの工程で作成した下塗りのレイヤーで「クリッピング」することではみ出しを防ぎます。
レイヤーを「クリッピング」すると、クリッピング元のレイヤーに描画してある部分以外は非表示になります。
肌レイヤーにクリッピングした影レイヤーなら肌レイヤーに着色してある肌の部分だけ、瞳レイヤーにクリッピングした影レイヤーなら瞳だけというように、元のレイヤーからはみ出すことなく着色できます。
では、実際に「クリッピング」してみましょう。
1. [レイヤー]パレットの[新規ラスターレイヤー作成]ボタンを押します。
2. 新規レイヤーが作成されたら、そのレイヤー名の部分をダブルクリックして、レイヤー名を「影」に変更します。
3. 「影」レイヤーを影のつけたいレイヤーの上に移動します。ここでは「肌」レイヤーの上に移動します。
4. 「影」レイヤーを選択していることを確認し、[レイヤー]パレットの[メニュー表示]から[下のレイヤーでクリッピング]を選択します。
5. 「影」レイヤーが「肌」レイヤーにクリッピングされます。「肌」レイヤーがクリッピング元に設定され、「影」レイヤーの左側に[ ]の表示がつきます。
クリッピングしたレイヤーの表示が薄い色の[ ]になっている時は、下記項目を確かめてみましょう。
・クリッピング元のレイヤーは表示されていますか?
レイヤーの目のアイコンが消えていたら、そのレイヤーは非表示になっています。
クリッピング元のレイヤーを非表示にすると、クリッピングしたレイヤーも合わせて非表示になってしまいます。 目のアイコンの場所をクリックして、レイヤーを表示しましょう。
これでクリッピングは完了しました。
このまま塗り進めてよいのですが、さらに一手間を加えておきます。
6.[レイヤー]パレットの[合成モード]をクリックして表示されるメニューから[乗算]を選択します。
「乗算」は、下のレイヤーと色を足し合わせるモードです。
他に、ハイライトを入れる場合は、[スクリーン]や[覆い焼きカラー]などを選択すると、明るい色になります。
7. 1~6の手順を繰り返して、「影」レイヤーを全てのパーツごとに作成し、それぞれの下塗りレイヤーで「クリッピング」します。
[ペン]ツールを使用して、「影」レイヤーに着色します。
まずは、「顔」の部分の影を塗ります。
1.[カラー]パレットで影用の色を選択します。
[合成モード]の[乗算]を選択して肌の影を塗る場合は、少し赤めの色を使うと、色が沈まずにきれいな肌色になります。
2.「影」レイヤーを選択していることを確認し、[ペン]ツールで着色します。
作例では、肌の影はブラシサイズ「10.0」、不透明度「100」の[ペン]ツールで描画しました。
色を塗ってみてイメージと違う場合は、以下の方法で修正できます。
・取り直し
直前の操作を取り消して、元の状態に戻すには、キーボードの[Ctrl]+[z]キーを押します。
取り消し: 「Ctrl」+「 Z 」キー
・[消しゴム]ツールで修正
[消しゴム]ツールを使用して、影の形を整えます。
影を入れる時には、どの方向から光が差してくるのかを考えながら着色すると、影が必要な場所、不要な場所の判断がつきやすくなります。作例は、画面左上から光が差し込んでいるイメージで着色しています。
顔の影の着色が終わりました。
引き続き[ペン]ツールを使用して、今度は「髪」の部分に「影」と「ハイライト」を入れます。
1.[カラー]パレットで影用の色を選択します。
2.「髪」レイヤーの上にある「影」レイヤーを選択していることを確認し、[ペン]ツールで着色します。
作例では、髪の影はブラシサイズ「10.0」、不透明度「100」の[ペン]ツールで描画しました。
3.不要な部分の削除や、影の形の修正を[消しゴム]ツールで行います。
髪の影の着色が終わりました。
今度は、「ハイライト」を着色します。まずは「ハイライト」用のレイヤーを作成します。
作成のやり方は影用のレイヤーのときと同じです。もう一度復習してみましょう。
1.[レイヤー]パレットの[新規ラスターレイヤー作成]ボタンを押します。
2.新規レイヤーが作成されたら、そのレイヤー名の部分をダブルクリックして、レイヤー名を「ハイライト」に変更します。
3.「ハイライト」レイヤーを、ハイライトをつけたいレイヤーの上に移動します。ここでは「髪」「影」レイヤーの上に移動します。
4.「ハイライト」レイヤーを選択していることを確認し、[レイヤー]パレットの[メニュー表示]から[下のレイヤーでクリッピング]を選択します。
5.「ハイライト」レイヤーが「髪」レイヤーにクリッピングされます。「髪」レイヤーがクリッピング元に設定され、「ハイライト」レイヤーに[ ]の表示がつきます。
6.[レイヤー]パレットの[合成モード]をクリックして表示されるメニューから[スクリーン]を選択します。
「スクリーン」は、下にあるレイヤーの色を反転した状態で、設定中のレイヤーの色を乗算合成します。
…なんだか難しいですね。とりあえずは、「スクリーン」モードのレイヤーに色を塗ると明るく合成される、と覚えておけば良いでしょう。
「ハイライト」用のレイヤーの準備ができました。
このレイヤーに髪の毛に当たる光を描画していきます。
1.[カラー]パレットでハイライト用の色を選択します。
・[合成モード]の [スクリーン]や[覆い焼きカラー]を選択してハイライトを入れる場合は、明るすぎる色を使用すると白色になります。
色味を残したい場合は、多少暗めの色で描画します。
・色が濃すぎたり、明るすぎたりする場合は、[レイヤー]パレットでレイヤーの不透明度を下げ、コントラストを調節します。
2.「髪」レイヤーの上にある「影」レイヤーを選択していることを確認し、[ペン]ツールで着色します。
作例では、髪のハイライトはブラシサイズ「10.0」、不透明度「100」の[ペン]ツールで描画しました。
3.不要な部分の削除や、ハイライトの形の修正を[消しゴム]ツールで行います。
髪のハイライトの着色が終わりました。
他のパーツのそれぞれの「影」レイヤーを着色します。
残っている「パーカー」などのパーツは面積が広めなので、[ペン]ツールだけで塗るのはちょっと手間ですね。
ここでは、[ペン]ツールだけではなく、[塗りつぶし]ツールも併用した着色方法を紹介します。
1. 塗りたいパーツでクリッピングされている「影」レイヤーを選択します。ここでは「パーカー1」の「影」レイヤーに着色していきます。
2. [カラー]パレットで影用の色を選択します。
3. [ペン]ツールで影の外周部分を着色し、その内側を[塗りつぶし]ツールで塗りつぶします。
4. 塗り残しが出てしまった部分を[ペン]ツールで描画します。
5. 不要な部分の削除や、影の形の修正を[消しゴム]ツールで行います。
[消しゴム]ツールで消しすぎてしまった場合は、再び[ペン]ツールで書き足して形を整えます。
6. 1~6の手順を繰り返して、全てのパーツに影を入れます。
影とハイライトの着色が終わりました。
あとは細かい仕上げを残すのみ…もう一息です!
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