2.ラフ
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ラフを描き始めます。ラフを1枚で済ませようとすると、どうしても余計な線が多くなりがちなので、大まかに描いては新しいレイヤーにトレースして、必要な線を探り出していきます。
1.ラフ
構図を元に「人物の向き」や「表情」など、この絵をパッと見た時に目を惹かせたい部分を、描き込んで行きます。構図の線と区別が付くように、ラフの線は青緑色にしました。
■手順
(1)「構図」レイヤーの上に新規ラスターレイヤーを作成し、「ラフ」レイヤーを作ります。
(2)構図の線の色が濃いと、ラフの線を描く際に構図の線とラフの線が重なって見づらくなってしまうので、「構図」レイヤーの不透明度を15%程度に下げて、見やすい濃度にしておきます。
(3)出来上がった「ラフ」レイヤーの上にパーツごとに新規レイヤーを作り、納得のいくまで描き込みをします。完了したらパーツごとのレイヤーを「ラフ」レイヤーに統合します。
ざっくり描いた人物のポーズはたいていデッサンが狂っているので、構図のイメージを損なわないように注意しながら、デッサンの狂いを調整していきます。といっても、私はデッサンが得意な方ではないので、何度も自分でポーズを取ったり、他の人にポーズを取って貰ったり、資料写真を探したりして、実際に再現出来ないポーズだけは描かないよう心掛けています。
それともうひとつ大事なのが、たとえスカートで隠れる部分であっても、ラフの段階では必ず「人体のアタリ線」を描いておくことだと思います。イラストを描く際には勢いも大事ですが、基礎を気にすることで、手足の関節から下があらぬ方向へ曲がっていたりなど、大きなデッサンの狂いが減ります。
「ラフ」レイヤーへの描き込みが終わったら、ここで一度ファイルに名前をつけ、保存します。
2.配色設定
全体的な図案ができたので、次は全体的な「色」の設定を行いたいと思います。設定と言ってもあまり難しく考えず、使いたい色や全体の雰囲気を固めるために、軽くラフに色をのせていきます。
「ラフ」レイヤーの上に新規ラスターレイヤーを作成し、レイヤーの合成モードを[乗算]にして、[水彩]ツールや[ペン]ツールで大まかに色をのせます。
色をのせる際に光源を設定しますが、今回のイラストの場合は、月というわかりやすい大きな発光体があります。月に近い方をより明るく、遠い部分はより暗く設定すればよいのです。
本番の着色では暗い部分にうっすらと照り返しを入れますが、ごちゃごちゃ細かく色を入れてしまうと見づらくなってしまうので、配色設定には描き込みません。
3.配色サンプルを保存
大体の配色が決まったら任意の場所に別ファイルとして保存し、着色作業の際に見本として呼び出せるようにします。キャンバスサイズを小さくした方がPCのメモリにかかる負荷を軽減出来るので、保存する前に小さくします。[編集]メニューから[キャンバス解像度の変更]ダイアログを呼び出し、任意の倍率を入力して[OK]をクリックします。
その後、[ファイル]メニュー→[別名で保存]で、保存する形式を[JPEG](またはPNG)にして保存します。保存形式は何でもかまいませんが、
・配色設定は[サブビュー]パレットに小さく表示させるのであまり精度が必要ない。
・メモリにかかる負荷はなるべく軽減したい。
というふたつの理由から、適度に圧縮してくれる保存形式を選びました。保存したら、配色設定用のレイヤーは削除してしまいます。キャンバスの解像度を低く変更したままの場合は、[取り消し(アンドゥ)]を利用して元の解像度に戻します。ショートカットキーは、[Ctrl+Z]です。
※元データを縮小した複製画像は、[別名で保存]→[JPG設定]→[元データからの拡縮率]を下げる操作でも作成できます。
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