10.衣類・装飾の着色
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始めに衣装の素材や質感を決めておきます。衣類は素材の硬さによって影の付き方が変わりますので、シワの入り方やハイライトも大きく異なってきます。例を挙げると、「硬めの材質のものには細かく影を入れない」「柔らかい材質のものは細かくシワを入れる」などがあります。
細かい材質まで考えてあれば質感を加えるのに有利ですが、大抵そこまで考えずに塗っているので、塗る時には最低限、パーツごとに材質の硬さをランキングにしておきます。
■硬い順:ボタン(装飾)>ベルト>ズボン>ソックス、パーカー(アウター)>キャミソール(インナー)
今回のイラストでは、靴とズボンは全く違う材質のものですが、同じ配色にしました。質感の違う「ズボン」と「靴」の着色手順を比べてみたいと思います。
1. 「影1」レイヤー
■ズボン
逆光で影の部分が多くなる為、「影1」レイヤーはほぼ靴と変わらず大雑把に影をつけます。この時、ほんの少しだけヒップラインの影を削り、[ぼかしブラシ]ツールでぼかして、明るい部分を残しておきます。
■靴
つま先部分の丸みを少し意識しながら光源に向かってぼかします。オーバーニーソックスのたるみが作り出す影は、ぼかさずに描く事でメリハリを付けます。
2. 「影2」レイヤー
■ズボン
レイヤーの合成モードを[乗算]にして、くすんだ青色で細かい影をつけていきます。主にポケットのシワと太ももの付け根のシワを描き込み、他の場所にはあまり影を入れないように気をつけます。最後に[ペン]ツールのブラシサイズを大きめにして影をざっくりと描き込み、その後[ぼかしブラシ]ツールでぼかします。
■靴
「影1」レイヤーと同様、他のパーツや、靴のつま先部分が作り出す影を描き込む程度で大まかに塗ります。靴の場合も細かく影を入れすぎると、素材感が失われてしまいますので気をつけます。
3.「ハイライト」レイヤー
■ズボン
レイヤーの合成モードを[加算]にして、今度は明るめのくすんだ青色(インクブルー)で塗っていきます。光源に近い側は[ぼかしブラシ]ツールで大きくぼかし、筆のタッチを目立たせないように塗るのですが、「照り返し」は[ペン]ツールのタッチを生かしたまま、ぼかさないでおく事が多いです。このパーツの照り返しはほぼ「ウソ」なので、細く縁取る程度にします。
■靴
靴(トレッキングブーツ)は本来ならばこんなにテカらないのですが、イラストにはこういったデフォルメやハッタリも必要だと思います。ズボンよりも強い光を入れたかったので、ズボンで選択した色ではなく「薄い灰色」を使いました。
光源側の靴の輪郭線を[ペン]ツールでなぞり、一番膨らんでいるつま先部分にポツッと丸く光沢を描いて、周りを[ぼかしブラシ]ツールで少しぼかします。丸が1つでは寂しかったので、[水彩]ツールの[丸筆(軟毛)]でもう少し小さい点を付けたし、輪郭線にも少しぼやけたラインを加えて、光沢感を出しました。
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