提供者 : セルシス    更新日 : 2016/06/16    作家 : 寿志郎(ことぶきしろう)
閲覧数 : 31215回 総合評価 : 4件

主に使用するのは、[鉛筆]ツール、[エアブラシ]、[水彩]ツールです。

■[鉛筆]ツール
瞳や唇の輪郭線など、はっきり描くときに使用。基本カスタマイズは以下の通りで、ペンの太さを自在に変えて使います。

鉛筆ツール


■[エアブラシ]
肌の濃淡を塗るときに使用。肌の柔らかい質感が出ると思うので多用してます。

エアブラシ


■[水彩]ツール
肌、影や衣装などを描くときに使用。優しく柔らかい色が出せて楽しいツールです。

水彩ツール
 

目はオンナノコの命!

1.2次元と3次元の瞳


例えば、イラストの画風にも、
・3D(3次元)……リアルイラストや厚塗り的手法
・2D(2次元)……漫画やアニメ的手法
などあると思いますが、寿の画風はちょうどその真ん中あたり。2.5Dといった感じ。3D、2D、どちらも素晴らしい魅力を感じていて、ちょうどその間をウロウロしながら描くのが好きなのです。

■3Dな瞳
ガシガシと塗り込みます。

3D


■2Dな瞳
シンプルで無駄を省いたラインって、漫画・アニメが生み出した機能美だと思います。

2D


■2.5Dな瞳
寿はこんな感じ。ちょびっとリアルが好きなんです。

2.5D


 

2.瞳


瞳を描くとき、主に使うのは[鉛筆]ツールです。輪郭線と調和が取れるようバランスを見ながら描いていきます。

(1)下描きスケッチを参考にします。

下描きを参考に


(2)[鉛筆]ツールで、上から描き足していきます。

上から描き足す


(3)黒目を描いていきます。

黒目は、大きいほど幼く、小さいほどオトナっぽい。
瞳孔は、大きいほど幼く、小さいほどオトナっぽい印象になります。
 

黒目を描いて


(4)さらに描き込んでいきます。少し涼しげな瞳に変更します。眉は意志のある太眉に。

さらに描く


(5)ハイライトを入れて、出来上がり。瞳は、ガラス玉に映る光の反射をイメージして描いていきます。

ハイライトを入れてできあがり


■ポイント
「ハイライトの入れ方でその人の個性が出る」とエライ人が言ってました。ハイライトは、ある意味色紙に書くサインのようなものです。自分なりのハイライトを見つけてみるとイイですね。

 

唇もオンナノコの命!唇を描いていきます。

(1)下描きスケッチを参考に……

下描きを参考に


(2)上から描き足していきます。[鉛筆]ツールで、輪郭線をはっきりと。

上から描き足す


(3)紅を塗ります。いつもより多めに塗っております。[エアブラシ]でややぼやけ気味に。

紅をさして


(4)陰を描いて立体感を出します。上唇にも陰を描いてぷっくり感を。

陰を入れる


(5)光沢を入れます~主光源からのテカリ~。白色の[鉛筆]ツールで強めの光を入れます。

強めの光を描いて


(6)光沢を入れます~環境光からのテカリ~。例えば下から来る弱めの日光の照り返しを考えて、[エアブラシ]で柔らかめに塗ります。

環境光を足す


光沢を入れるコツは、唇にいくつかの光が当たっているのをイメージして塗るとイイと思います。

光の状態


・ハイライトを強くするとグロス感が出て、オトナっぽい唇になりますね。
・ハイライトを少なくすると、幼くなります。
・紅の輪郭線をはっきり描くと、さらにオトナになります。
・唇の色でも印象が変わります(赤色が薄いと幼く、濃いとオトナっぽくなります)。

■ポイント
寿個人は「唇の厚いコは情も厚い」という定説から、厚唇に描くのが好きです。まあ、単なる厚唇派閥なだけなんですけどね。唇も瞳同様に女性の重要なチャームポイントですね。

 

顔全体

顔全体を描き上げます。

(1)[エアブラシ]で陰と影を描き加えます。

エアブラシで


(2)同様に[エアブラシ]で、ほおに赤みを加えます。

これもエアブラシで


(3)明るい部分も描き加えて、出来上がり。下からの日光の照り返しが少し当たっている感じで。

明るい部分も描きこんで


■ポイント
ほおに赤みを入れると血色がよく見えて健康的になります。ただ、赤過ぎると、子供っぽく、あか抜けない感じになってしまうので、適度に。また、赤みを減らすと大人っぽくなります。

第4回の完成はこんな感じです。

できあがり


次はいよいよ仕上げです。

作者プロフィール:寿志郎(ことぶきしろう)  (サイトURL:http://www12.wind.ne.jp/kotobuki/index.html

イラストレーター。女性の髪や唇の艶感、ボディラインを巧みに表現するデジ絵師。書籍の表紙、ゲームキャラクターのデザインなど多方面で活躍中。
< 作家・寿志郎さんは、2016年6月15日に逝去されました。寿さんには、IllustStudioのキービジュアルや本講座など、数々の素晴らしい作品を制作していただきました。謹んでお悔やみ申し上げます。>

コメント
コメントはありません