5.彩色‐人物
閲覧数 : 2995回 総合評価 : 0件
人物を本格的に塗っていきます。1枚の絵として完成に近い状態までもっていきます。
1.クリッピングフォルダ化
下塗りして各パーツのベースになっているレイヤーをすべて[クリッピングフォルダ化]します。これからはそれぞれのクリッピングフォルダ内で作業していきます。
[下のレイヤーでクリッピング]機能
[レイヤー]メニュー→[下のレイヤーでクリッピング]を選択すると、レイヤーのアイコンの横に赤いマークがつきます。
下図の状態で描画すると、「B」レイヤーは「A」レイヤーの描画範囲にクリッピングします。
多重クリッピングはできませんが、少ない枚数で描画する場合などに有効です。
2.色の変更
背景を描き込んだことで人物の金髪が明るすぎるように感じたので、髪が塗ってあるレイヤーの髪部分を選択し、色を薄くして、グラデーションをかけます。
他にも気になる部分が出てきたら、その都度、色を調整していきます。[鉛筆]ツールで塗りかえる方法や[フィルタ]メニュー→[色相・彩度・明度]で色相を変更する方法などで色を調整します。
3.グラデーション
影を描き込む前に、グラデーションをかけていきます。暗くなる部分は合成モードを[乗算]に設定したレイヤーを、明るくなる部分には合成モードを[スクリーン]に設定したレイヤーを新規作成し、グラデーションをかけます。色が濃すぎた部分は不透明度を下げて調整します。すべてのパーツにグラデーションを使うわけではなく、比較的大きい部分や長い部分に使います。この後に合成モードを[乗算]で影を描いていくと、部分ごとに色の幅が出るようになります。
4.全体的に影付け
影付けを始めます。レイヤーを新規作成し、レイヤーの合成モードを[乗算]にします。まずは全体のバランスを見つつ、[水彩]ツールの[不透明水彩]でおおまかに塗っていきます。設定はこんな感じです。
途中で何回か[入り抜き]の[抜き]の長さを調節しています。[入り抜き]の設定を使うと、描き始めと描き終わりに強弱ができるので、細かい影や髪の毛の影に使いやすいです。[入り抜き]の設定値を上げるとより長い強弱のついたストロークになるので、それを利用してアナログ画材の筆ペンを使ったような感じで塗ることができます。
影部分の色が薄いと感じたら、[フィルタ]メニュー→[トーンカーブ]を選択し、色が濃くなるよう設定します。
全体的に影をのせ終わりました。描き進めるうちに、服のパーツに使った赤色がこの絵のアクセントになってきたので、コートの端の模様や碧眼では弱く感じた瞳の色を赤色に変えてみました。
5.瞳を描く
人物の表情のポイントとなる瞳を先に完成させます。[水彩]ツールの[不透明水彩]を使用し、サイズを小さくして瞳を塗ります。光の部分は「線画」レイヤーよりも上に新しいレイヤーを作り、そこに[ペン]ツールの[丸ペン]で描きました。
6.線画を濃くする
瞳を塗るのと同時に、目のまわりや顔の影になる部分の線画の色のバランスを整えます。元のこげ茶のままでは弱いので、[焼き込み]ツールを使って目の周辺の線画の色を濃く変更します。[焼き込み]ツールの不透明度を8%まで下げ、徐々に濃くしていきます。 目のまわり以外にも、塗りながら気がついた部分は色を濃くしました。
7.髪を塗っていく
先程、ざっくりと塗った影を整えていきます。[水彩]ツールの[水彩筆]で影を足したり、[消しゴム]ツールで影を消したりします。[消しゴム]ツールは[硬さ]の値を低く設定します。[硬さ]の値を低くすると、周囲がぼけてエアブラシのような消え方になり、自然なフェードアウトで描くことができます。また、[ぼかしブラシ]ツールで影の先を薄く伸ばして調整しています。
8.光を追加していく
髪のハイライト部分を[丸ペン]で描き入れます。瞳の光を入れたのと同じ一番上のレイヤーに乱れた髪のようにハイライトを描き足します。
9.全体の影をならしていく
ここからは、「肌」→「服」→「服付属品」→「石手すり」の順で「髪」と同じ方法で影を描き足します。色が薄かったり濃かったりする場合は[投げなわ選択]ツールで選択範囲を作り、[トーンカーブ]フィルタで調節します。
塗っている時は、その部分を拡大して塗っていますが、たまに画面を全体表示にしてバランスを確認します。人物に影が入ってくると、背景の木の色が以前より薄く感じられたので[トーンカーブ]フィルタで濃くしました。
コメント