6.下塗り
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1.パーツごとに塗り分ける
線画に沿って、「肌」「服」「髪」などの各パーツごとに塗り分けたレイヤーを作っていきます。方法は何でもいいのですが、透明部分が残らないように塗りつぶすので、[水彩]ツールや[エアブラシ]ツールで線に沿ってひとつひとつ塗っていくのは向いていません。
今回は[パターンブラシ]ツールの作成でもお世話になった[投げなわ選択]ツールを利用しました。[ツールオプション]パレットで[シュリンク:シュリンクして透明部を選択]に設定して線画の内側を選択し、塗りつぶしています。
2.クリッピングフォルダを作成
パーツごとに塗り分けたレイヤーをもとに「クリッピングフォルダ」を作成します。適当なレイヤーを選択し、[レイヤー]メニューから[クリッピングフォルダ化]を選びます。[クリッピングフォルダ]が作成され、レイヤーに「L」のマークがつきます。「L」のマークは常に「フォルダ内の一番下にあるレイヤー」に表示されます。
[クリッピングフォルダ]は、フォルダ内の一番下にあるレイヤーの描画範囲のみが表示される機能です。これを利用して、塗り分けた範囲からはみ出さないように色を塗り重ねていくことができます。ちなみに、塗り重ねたレイヤーをフォルダの外へ出すと、はみ出した部分も見えるようになります。
[下のレイヤーでクリッピング]機能
この機能を使用すると、フォルダ化せずにクリッピングの機能を利用できます。
[レイヤー]メニュー→[下のレイヤーでクリッピング]を選択すると、レイヤーのアイコンの横に赤いマークがつきます。
下図の状態で描画すると、「B」レイヤーは「A」レイヤーの描画範囲にクリッピングします。
多重クリッピングはできませんが、少ない枚数で描画する場合などに有効です。
■陰影や模様を描き込む際のコツ
影や光、模様などを描き込む際、クリッピングフォルダ内に新しいレイヤーを追加しますが、最初に塗り分けたそれぞれのレイヤーは、常にフォルダの一番下にしておきます。追加したレイヤーは合成モードを[乗算]に設定してから、大まかな影の位置を描いていきます。
[水彩]ツールや[消しゴム]ツール、[ぼかしブラシ]ツールなどで影の色を薄めたりぼかしたり、その上からまた濃い色を乗せたりなどして、描くものの質感を考えながら形を整えていきます。また、場合に応じてハイライト(光)を入れたりします。
この流れを塗り分けたパーツごとに繰り返して、着色作業を進めていきます。レイヤーの合成モードには基本となる[通常]のほかにも様々な種類があるので、好みや描きたい表現によって使い分けができます。 私はレイヤーの合成モードを[乗算]に設定して影を塗ることが多いです。表現できる色の範囲は狭くなってしまうのですが、下に描いたものが透けて見えるため、元となる色に馴染む色遣いができます。
光の表現は[オーバーレイ][ハードライト][覆い焼きカラー]などが個人的には使いやすくて好みです。各レイヤーの特徴をつかんで利用することで、表現の幅が広がります。
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