2.ペン入れ
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1.レイヤー構成
ペン入れに入る前にレイヤー構成を考えます。ペン入れは、下描きと同様、髪、人物、背景の3つは必ずレイヤーを分けます。
通常、ペン入れをするときには、他のパーツにはみ出した線を消していきますが、消さなくても着色用のレイヤーを重ねることによって自然に消える部分があります。下図左側の画像で赤くなっている線は「背景主線」レイヤーで本来消さなければならないところですが、右図のように髪などの着色用レイヤーを重ねると見えなくなります。
線画のレイヤーを分ける理由は、主にこういった自然に消える部分を消す手間をなくすためです。
レイヤー構成が決まったら、ペン入れ用の新しいレイヤーを「下描き」レイヤーの上に作ります。ペン入れするレイヤーの合成モードはすべて[乗算]に設定します。レイヤーは「髪小物」「髪」「ストール」「人物」「背景のバラ」「背景」に分けました。
今回は人物が半透明のストールを持っているという設定なので、「ストール」レイヤーは「人物」レイヤーとは別に作りました。薄いものを描く場合、主線の不透明度を下げたりするので、ペン入れの段階でレイヤーを分けておくと、あとで調節するときに便利です。背景にある「バラ」もあとで複製して増やしていく予定なので、「背景」レイヤーとは別にしておきます。
この段階でのレイヤー構成はこのようになっています。
2.ペン入れ
レイヤーを作り終わったらいよいよペン入れです。ペン入れは、[ペン]ツールの[ツールセット]にある[G]を使いました。主線の色は黒ではなくこげ茶に設定して、線に強弱をつけるように勢いよく描きます。「髪小物」「髪」「ストール」「人物」と人物だけで4つにレイヤーが分かれているので、描くレイヤーを間違えないように気をつけます。
今回は半透明のストールを持っているという設定です。女の子の左腕とドレスが一部ストールと重なりますが、あとでストールの着色レイヤーを半透明にするので、重なる部分も気を抜かずに描いていきます。
これで人物のペン入れが終わりました。
次は背景のペン入れです。
下描きの段階では適当に描いているので、ペン入れではパース定規と平行線定規を使ってしっかり描いていきます。
「背景主線」レイヤーに、[定規]メニュー→[パース定規]→[2点透視を作成]でパース定規を作ります。2つの消失点を動かして調節します。「背景主線」レイヤーに線を描き込む前に、[定規]メニュー→[スナップ]と、[定規]メニュー→[スナップ先を設定]→[パース]にチェックを入れておきます。ここにチェックを入れると定規に沿った線が描けます。
※パース定規の使い方について詳しくは、機能解説!トラの巻 「パース定規の使い方」を参照してください。
「背景主線」レイヤーの上に新しい[乗算]レイヤーを作り、今度は平行線定規を使って描き込んでいきます。パース定規と同じように[定規]メニュー→[特殊定規]→[平行線を作成]で定規を作り、スナップのチェックが入っているかどうか確認をしてから描き始めます。
今回のイラストは、背景にバラが敷き詰められているという設定です。すべてのバラのペン入れをするのはかなり大変なので、ペン入れの段階では少しだけ描いておき、着色まで終わってからレイヤーを複製して増やしていきます。
これでペン入れの完成です。
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