3.ラフの清書(服・身体・靴下のフリル)

3.では、服などをモノクロで塗るように描きます。4.はシルエットを重視して清書します。細かい部分は彩色の時に描き込む予定です。

風の流れを意識して、清書していきたいと思います。今回の構図には大まかな風の流れが2つあります。ひとつは右から左に流れる風、もうひとつは、少女が高い看板の上にいるという設定からくる下から吹き上げる風です。

ラフの時点ですべてのパーツを別レイヤーに分けて描いてあるので、他に干渉することなく形を修正していくことができます。ラフのレイヤーにそれぞれ直接描き込んでいき、形を明確にしていきます。影の部分も塗りますので、モノクロで塗っていくという表現が一番近いかもしれません。

(1)[エアブラシ]ツールと[パターンブラシ]ツールを使い、白・黒・グレーで塗り重ねるように塗っていきます。

[エアブラシ]ツールでは[ツールセット]パレットの[筆圧ぼかし]を主に使いました。サイズや不透明度を調節して使います。はっきりと塗りつぶしたいときは不透明度90～100％に設定しますが、そうでないときには5～30％くらいで薄く塗り重ねます。また、場所によっては[硬さ]を調整しました。

(2)広い面などは、第1回の[2]で登録しておいたパターンブラシを使います。

[パターンブラシ]ツールの[厚み]は100％にします。こちらも、サイズや不透明度を変えながら塗ります。不透明度は10～50％くらいで塗ります。

※オプションに[厚み]が表示されていない場合は、[すべてのパラメータを表示する]をクリックすると表示されます。

塗った色をはっきり消したいときは[消しゴム]ツールを使います。薄く消したいときは[エアブラシ]ツールの透明色で、塗るように消します。

1.服の清書

(1)ラフを綺麗に清書しながら、影も描いて(塗って)いきます。

▼服のラフの一部と、ラフから形を整え、影を描き込んだもの

▼ラフの状態

▼ラフから大まかに形を整えたもの

(2)服と下のレースの境界がわかりにくいので、新規レイヤーを追加して(黒色/合成モード[乗算]/不透明度57％)で塗り、見やすくします。

(3)形が明確になってきた所で、[レイヤー]パレットのレイヤーを右クリック→[新規レイヤー]→[ベクターレイヤー]を選択して[新規ベクターレイヤー]作成し、服の線画レイヤーを作ります。[新規レイヤー]ダイアログの[表現色]は[カラー32bit]に設定します。[OK]ボタンをクリックすると、新規ベクターレイヤーが作成されます。

(4)線画レイヤーは、服のレイヤー(塗りの部分)の上に持ってきます。ベクターレイヤー上に、[ペン]ツールの[ツールセット]パレットから[丸]ペンを使って服の線画を描いてきます。細い所は[丸]ペン、太いところは[G]ペンを使います。

ベクターレイヤー上では、はみ出た所を[消しゴム]ツールや[線つまみ]ツールで修正します。フリル等、くねくねしていて線が重なる所が多い服の線画は線の修正がやっかいなのですが、これはとても便利です。

(5)はみ出た線の修正が済んだら、今度は[エアブラシ]ツールでも描き込みができるように、[レイヤー]パレットの左端にある[メニュー表示]をクリック→[レイヤーのラスタライズ]から、ベクターレイヤーをラスターレイヤーに変換します。

(6)線画ができたら、モノクロで塗っているように服を塗り進めます。影を入れながら塗っていくと、完成した状態をイメージしやすいです。

(7)服の塗りと同時に、線画も少し修正しました。

2.身体の清書

身体を修正します。

トランプをつまめるように、手を修正しました。

線画をベクターレイヤーで作成し、完成したら、[レイヤーのラスタライズ]で、ラスターレイヤーにします。

傘を持つ手も同じく、影を書き込んだ塗りレイヤーと線画レイヤーに分けて描きます。袖の部分もすべて別レイヤーに、それぞれ塗りレイヤーと線画レイヤーに分けて描きます。それぞれの線画は、最初はベクターレイヤーで描き、修正が終わったらラスタライズします。

3.フリル・リボンの清書

靴下のフリルも同様に、影を書き込んだ塗りレイヤーと線画レイヤーに分けて描きます。線画は、最初はベクターレイヤーで描き、修正が終わったらラスタライズします。ラフの時は上から見た感じで描いていましたが、視点を変更して少し正面に修正しました。

▼ラフ→塗り→線画+塗りの変遷

服と身体と靴下のレースの線画を整理し(重なる部分を消したりして)、ひとつのレイヤーに統合します。服のレースの部分を変更したので、その部分の線画を消しておきます。

リボンもこれまでと同じように清書します。