4.ラフの清書 (髪・翼・帽子のレース・傘)

提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30    作家 : 真彩子(まさこ)
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髪、翼、帽子のレース、傘の部分は、塗りのレイヤーのみで、特に線画レイヤーは作成しません。理由は、塗りながら形を決めたいからです。線画があるとどうしてもその線画の形に縛られてしまいますが、線画が無いと塗りながら好きに変更して描ける点がいい所です。ただし、いつまでたっても形がとれない場合、かなり落ち込むという欠点もあります。ラフの清書なので、ここでは色は使わず、白黒中心に描いて行きます

1.髪の清書

髪を清書していきます。ラフの線の流れを活かしつつラフのレイヤーに直接描き込んでいきます。

今回のイラストにおける風の方向には、右から左への流れと、下から上に突き上げる流れの二つのベクトルが存在します。要するに、どんな方向に髪の毛が跳ねていても、なんとなく様になる設定ですので、毛先を好きな方向になびかせます。ただ一応、右から左に流れる風だけはこの設定の要ですので、右から左へのベクトルを全体の基本として、流れるように描きます。

[エアブラシ]ツールを使って塗っていきますが、線画がない分輪郭をシャープにしたいので、[エアブラシ]ツールで描くときや透明色で消すときは、輪郭がぼけてしまわないようにします。髪は大きな束のように表現して、シルエットのように描いて行きます。細かい部分は塗りの時に書き込んでいくので、今の段階では細かい部分は気にせず、全体のシルエットのバランスのみを重視して描いていきます。

髪の清書1

髪の清書2

2.翼の清書

翼を描きます。翼も前述の髪の毛と同じく、シルエット重視で描いていきます。ラフのレイヤーに直接描き込んでいきます。

細かい部分は色塗りの時に描き込むので、細かい描き込みは現段階ではしません。この段階ではこういう感じにしたい、という雰囲気を掴みます。また、少女のレイヤーや髪のレイヤーが、翼のレイヤーの上に重なっています。見えない部分が大半ですが、色を塗りながら修正する時、全体のバランスを確認しながら作業するために、見えない部分も消さずに残しておきます。

翼は、最初は黒い塊として描き、徐々に[消しゴム]ツールや[エアブラシ]ツールの透明色を使って、細部を削りだすという感じにシルエットを描いていきます。

翼の清書1

翼の清書2

だいたいのシルエットが描けたら、[レイヤー]パレットの[透明部分をロック]アイコンをクリックして透明部分を保護し、[エアブラシ]ツールで、白や中間色などでシルエットの中に羽などを描き入れます。

[透明部分をロック]

翼の清書3

鳥の翼がイメージなのですが、一つの羽を大きく描き、かなり省略した翼になっています。このへんは好みで、羽の枚数を増やすなどするといいと思います。今回は、髪の毛で見えなくなる部分があるので、細かく描かない方がいいかなと思いそうしました。

少女の悲しい気持ちと連動して、つやつやの翼ではなく、すこしぼさぼさした感じにするため羽を毛羽立たせておきます。

翼の清書4

3.帽子のレースの清書

帽子のレースは、[エアブラシ]ツールの不透明度100%で描いていきます。ラフの時のレイヤーに、直接描き込んで修正していきます。レースのうねうねのウェーブを意識しながら描いていきます。レースも色塗りの時に修正しながら塗るので、ここではおおまかな形にとどめておきます。

帽子のレースの清書

4.傘の清書

日傘です。縁にフリルのある傘にします。ラフのレイヤーに直接描き込んでいきます。[エアブラシ]ツールと、大きな面を塗るため[パターンブラシ]ツールを使います。[パターンブラシ]ツールでおおまかに形を決め、[エアブラシ]ツールで形を整えます。少女の体で見えない部分はラフのまま特に修正をしませんが、消してしまうと傘の全体像がつかみにくくなるので、消さずにそのままにしておきます。

傘の清書

これで、人物の清書が完成です。

第2回完成画像

次回は、背景の清書をします。

作者プロフィール:真彩子(まさこ)  (サイトURL:http://powergate.6615.net/glad/

イラストレーター。翼や、風化をモチーフにした絵が大好きです。

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