提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30    作家 : RON(ろん)
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最後に、色調や明るさの微調整をして、仕上げとします。この作業は主に[フィルタ]メニューの[色調補正]や、[トーンカーブ]を使います。
このほかにも[明るさ・コントラスト]や[レベル補正]などがありますが、[トーンカーブ]はこれらの機能を一手に担い、調整することができるので便利です。まずはこの[トーンカーブ]を使って調整をしましょう。

[トーンカーブ]の大まかな仕組みについて説明しておきます。

横軸は入力です。左から右にかけて、明るい色に対応しています。数字の0から255にかけて明るくなります。一方、縦軸は、出力になります。下から上にかけて、明るい色に対応しています。引いてあるカーブ(図では直線ですが)に向かって、横軸から垂直に伸ばし、ぶつかったところで今度は縦軸に水平に伸ばします。こうして、入力→出力の色の明るさをカーブに沿って調整するのです。

トーンカーブ1

言葉だけで説明してもイメージが掴みにくいと思いますので、実際にやってみましょう。髪の毛のレイヤーで試してみます。

トーンカーブを、このような形にしてみます。つまり、明るい方(右寄りの)だけを下に凹ませましょう。暗い方(左寄りの)はそのままです。

トーンカーブ2

こうすると、髪の毛のハイライト(明るい部分)が暗くなりました。「元々明るい部分」だけが暗くなり、「元々暗い部分」は動かしていないので、そのままで変化することはありません。

髪の変化例1

今度は、明るいほうをより明るく、また暗いほうをより暗くしてみます。このようなカーブを描いてみると……

トーンカーブ3

髪の毛のコントラストがはっきりしました。

髪の変化例2

今までは、[トーンカーブ]を「RGB」すべてのチャンネルに適用していましたが、チャンネルごとに適用することもできます。設定のところで[Blue]を選び、青のチャンネルだけにトーンカーブを適用するようにします。暗い(=青のチャンネルの弱い)部分を大きく持ち上げてみます。

トーンカーブ4

今度は髪の暗い部分の青色が強くなりました。このように、チャンネルごとにトーンカーブを調整することで、色味も合わせて調整できます。

このようにしてトーンカーブを利用し、絵全体の明暗や、色味でイメージが合わないところがあれば、適宜調整していきます。イメージ通りであれば、特に変える必要はありません。

髪色の変化

調整が終了すれば、完成です!

完成イラスト RON

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作者プロフィール:RON(ろん)  (サイトURL:http://mosamosa.michikusa.jp/

イラストレータ。和服やヴィクトリア朝、民族衣装等を好んで描きます。

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