2.ラフの制作
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現実にはない世界を美しく描く、ということで、王道なファンタジーの方向性から巨大樹が思い浮かびました。そのイメージを、紙にざっとスケッチしてみます。
(スキャンしたスケッチです)
今年の春に桜のイラストを描けなかったので、時期はずれではありますが、桜の大樹を背景のメインに据えた『和風ファンタジーの舞台』を描くことにしました。
アナログで描いたラフをスキャンして取り込みます。
まず新規用紙を作成します。
(1)[ファイル]メニューから[新規作成]を選択します。
(2)[新規作成]ダイアログを設定し[OK]をクリックします。
・既定のサイズ:A4(350dpi)
・縦にチェック
新規用紙が作成されます。
(3)[ファイル]メニューから[読み込み]→[スキャン]を選択します。
スキャナーの設定はスキャナーによって変わりますが、このアナログラフは参考にするだけなので設定にはこだわりません。
アナログのラフを読み込みました。
スケッチをスキャンしたら、そのレイヤーを下地に、下図のような魚眼レンズを逆にしたような変形パースを意識しつつ、色鉛筆ブラシなどざらざらした質感のブラシでラフをさらに細かく描いていきます。
ラフ用のレイヤーを新規作成します
(1)[レイヤー]パレットから[新規ラスターレイヤー作成]をクリックし、新規レイヤーを作成します。
(2)新規作成したレイヤーのレイヤー名をダブルクリックして、レイヤー名を「ラフ」に変更します。
(3)[ツール]パレットから[鉛筆]ツールを選択し、[ツールセット]パレットから「色鉛筆」を選択します。
(3)[カラー]パレットから「黒」を選択します。
ラフを描画していきます。
建築物は神社・仏閣などがモチーフですが、ファンタジーなので建築様式の正確さについてはあまり気にしません。
桜の花は、日の光が強く反射して輝いている表現をする予定で、花びらを描いても線画の暗い色が邪魔になりそうなので、この段階では描かずにおきます。
背景のラフができました。
アナログで描いたラフのレイヤーとデジタルで描いたラフのレイヤーを統合します。
そのまま統合すると、スキャンした画像のゴミや、デジタルとの線の差がハッキリしすぎているので[不透明度]を調整します。
スキャンした画像のゴミをとります。
(1)[レイヤー]パレットからアナログで描いたラフレイヤーを選択し、[不透明度]を「50」にします。
ある程度のゴミを見えなくすることができました。
次にデジタルの線とアナログの線をなじませます。
(4)[レイヤー]パレットから「ラフ」のレイヤーを選択し、[不透明度]を「57%」にします。
線が濃すぎるところがなくなり、ラフとして見やすくなりました。
レイヤーを結合します。
(5)「ラフ」レイヤーを選択していることを確認し、[レイヤー]メニューから[下のレイヤーに結合]を選択します。
レイヤーが結合できました。
レイヤー名が変わってしまったので、レイヤー名「ラフ」に変更しました。
次に人物のラフを描いていきます。
(1)人物ラフ用に新規レイヤーを作成し、レイヤー名を「人物ラフ」にします。
ではこのレイヤーに人物のラフを描いていきます。
人物のラフは背景に埋もれないよう[ペン]ツールを使います。また、ざっくりと描くのでブラシサイズも大きめにします。
(2)[ツール]パレットから[ペン]ツールを選択し、[ツールオプション]からの[ブラシサイズ]を「30」程度にしました。
人物は主人公を中心に、視線のポイントとなる場所にサブキャラや背景の点景を置いていきます。
ぱっと見たときに、一番目立つ右側の主人公の顔が最初に目に入ってくることを考えて、まず主人公の顔から足の先に流れを作り、左下の男の子、左から右上のキャラに沿って円を描いたような配置にしました。
背景を主とした構成にしようと人物が小粒になっていました。
一枚絵としての見映えを考えて、主人公を大きくします。
(1)[ツール]パレットから[投げなわ選択]ツールを選択し、[ツールセット]パレットから「投げなわ選択」を選択します。
(2)主人公を囲むように選択します。
(3)「人物ラフ」レイヤーが選択されていることを確認し、[編集]メニューから[移動と変形]→[拡大・縮小]を選択します。
(4)表示される[移動と変形プロパティ]パレットの[元画像の比率を維持]にチェックをいれます。
(5)赤いガイド線をドラッグして主人公を拡大します。
大きさが決まったら、ダブルクリックして決定します。
(6)[選択範囲ランチャー]の[選択を解除]をクリックして、選択範囲を解除します。
主人公が拡大されました。
一通りの要素を詰め込んだので、次は線画に移ります。
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