5.背景の塗り込み
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1.空
まずは最も遠景となる空から塗っていきます。
(1)レイヤーを新規作成します。
レイヤー名を「遠景」に変更し、「仮塗り」レイヤーの上に配置します。
レイヤーの表示/非表示を切り替えて(目玉マークをクリック)、下の仮塗りレイヤーの色をスポイトで拾いながら、「遠景」レイヤーに塗り重ねていきます。
大樹をメインに据えるため、色ムラを渦巻き状に描いたりして、奥行きや壮大感なんかを出します。
色の取得方法
・スポイトツール
描画系ツールを選択中、 [Alt]キーを押している間のみ[スポイト]ツールに切り替わります。
・色履歴
[ヒストリー]パレットの[色]リブは、取得した描画色の履歴を表示します。
ここから色を再取得することができます。
雲はまず影の色で、全体のシルエットを描いていきます。
(1)レイヤーを新規作成します。
レイヤー名を「雲」に変更し、[遠景]レイヤーの上に配置します。
(2)雲のシルエットを影の色で描画します。
(3)レイヤーを新規作成します。
「雲」レイヤーの上に配置します。
(4)[レイヤー]メニューから[下のレイヤーにクリッピング]を選択します。
これにより、先に描いた雲の影のシルエットの部分にだけ描画できるという効果を得られます。
(5)この状態で雲の色を塗っていきます。
光源は画面左上のあたりです。
ある程度一定の色味が作れたら、雲のレイヤーを結合します。
(6) [下のレイヤーにクリッピング]を適用したレイヤーを選択し、[レイヤー]メニューから[下のレイヤーに結合]を選択し、レイヤーを結合します。
(7)結合された「雲」レイヤーに、直接ディテールを加えていきます。
※わかりやすくなるよう「雲」と「遠景」レイヤーのみ表示にしてあります。
背景の他の色に色調を合わせていく予定なので、ひとまず空と雲はこのぐらいで置いておきます。
2.大樹と建物
続いて大樹や建物を、下塗りの色をベースに、コツコツと塗り込んでいきます。
光の当たる部分に太陽光の色(黄色)、影になる部分は空の環境色(青)を混ぜながら塗ると、色の情報が増えて綺麗に見えます。特にファンタジーの世界はその色味を強めに出すと、幻想的な雰囲気が出ると思います。
(1)大樹と大樹の向こう側にある桜をそれぞれ新規に作成したレイヤーに描画します。
桜は「油彩筆」の葉っぱのタッチが残るように描画しました。
(2)線画のレイヤーの上にレイヤーを新規作成し、大樹の幹のディテールをアップします。
(3)さらに上にレイヤーを新規作成して、大樹の手前にくる桜の花びらを描きます。
レイヤー名を「桜」に変更しました。
なお、桜の花びらの部分は後ほど利用するので、レイヤーは結合せずに分けたまま残しておきます。
(4)さらに「桜」レイヤーの上にレイヤーを新規作成し、三重の塔をコツコツと塗り込みます。
ここで三重の塔の屋根部分を複製して、ちょっぴり楽をしたいと思います。
(5)[レイヤー]メニューから[表示レイヤーのコピーを結合]を選択します。
表示されていたレイヤーが複製され1枚のレイヤーに結合されます。
(6)[投げなわ選択]ツールを選択し、ツールセットパレットの「投げなわ選択」で屋根部分を選択します。
(7)[選択範囲ランチャー]の[コピー+貼り付け]を選択します。
選択部分が複製されました。
(8)[編集]メニューから[移動・変形]→[自由変形]を選択します。
(8)ガイドハンドルをドラッグして上階部分に合わせていきます。
(9)同じように一番上の屋根も合わせます。コピーしたそのまんまだと違和感があるので、コピーしたものをベースにして塗り込み、馴染ませていきます。
(9)屋根の裏以外にコピーされた部分は必要ないので、先ほど[表示レイヤーのコピーを結合]で生成されたレイヤーを削除します。
(10)さらに上にレイヤーを作成し残りの建物などの背景を描き込みます。
一通り塗りが終わりました。
影と光の当たる部分をざっくり起こしただけなので、画面は地味めです。肝心の桜も真っ暗な状態です
次は、ここにレイヤー合成モードの効果などを活用しながら、ディテールを加えていきます。
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