6.メインイラスト用のキャンバス作成

提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30    作家 : 壱(いち)
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まずどこから作成していくのかといいますと、このラフの黄色く塗っている部分、つまりはこの表紙と裏表紙イラストのメイン部分を制作していこうと思います。

 

さて、それではここでこのラフをそのまま下に敷いてペン入れして・・・ということはいたしません。
ラフを見ていただいても分かるように、このイラストは手前の兎小僧ちゃんと背景イラストが完全に独立している構成です。
なので、兎小僧ちゃんの全身像と背景を別々に作成し、最後にそれらを組み合わせるという作戦でいきます。

POINT
メインイラストと背景を別々に制作すれば、レイアウト作業のときに調整や修正がしやすいという利点があります。
一見画面に映らない部分も制作するというのは時間のかかる作業に見えるかもしれませんが、このようなCGならではの制作方法をとった方が最終的に時間を短縮できたり、新しい表現を取り入れやすくなったりします。
アナログでは面倒なレイアウトがIllustStudioでは非常に簡単・便利に作業できますので、みなさんどんどんラクしちゃいましょう!

 

1.レイアウト作業を先に見据えた絵のサイズ


ではさっそく新規キャンバスを作ってイラスト制作に入りますが、どんなサイズで作りましょう?
答えは、『大きめに作っておく』です。

これは、IllustStudioに限らずCG全般に言えることなのですが、CGは縮小しても問題ありませんが拡大すると汚くなります。
例えば、下図の2枚のイラストを比べてみてください。この2枚イラストは一見同じに見えますが、解像度が違います。

左のイラストは、解像度350dpiで大きめに作成したもの。右のイラストは、72dpiで作成したもの。

 

この2枚を、350dpiの一般的な同人誌の表紙・裏表紙フォーマットに合わせてレイアウトすると・・・。

 

ぎゃあ!こんなにも違いが!
もちろん、72dpiで作成したイラストの方は画面で表示されているのと同じように、印刷でもガタガタに刷り上ってしまいます。

なので、後でレイアウト作業をすることが決まっているのでしたら、本番のイラストはラフで描いた絵よりもひとまわりふたまわりでもいいので大きめに作成しておくのがよいでしょう。

POINT
本番用のイラストは、なるべく大きめに作っておいた方がいいのですが、かといってあまりにも大きいサイズで制作するとパソコンの処理動作が重くなって絵の制作が遅れてしまいます。IllustStudioの機能を100%引き出すためにも、自分のマシンが快適に動く範囲内でサイズを調整しましょう。

 

では、メインイラスト用の新規キャンバスを作成します。

(1)[ファイル]メニュー→[新規作成]を選択し、[新規作成]ダイアログの[既定のサイズ]から[B5(350dpi)](一般的なフルカラー同人誌の表紙サイズ)を選びます。

 

(2)前回作成したラフ画データからメインイラストの線画レイヤーを選択してコピーします。
そして新規に作ったキャンバスへ貼り付け!

 

(3)貼り付けたら、手裏剣部分も含めたメインイラストの全身が入るように調整をします。
こういう場合は、『貼り付けたラフ絵を縮小する』か、または『キャンバスのサイズを大きくする』方法でクールに対応しましょう。

先ほど説明したとおり、どちらかというと本番用のイラストは大きめに作っておいた方があとで融通が利きます。そのため今回は、『キャンバスのサイズを大きくする』の方法をとります。
[編集]メニュー→[キャンバスサイズの変更]を選択します。


(4)すると、[キャンバスサイズの変更]ダイアログが表示されるので、[幅]や[高さ]の数値を大きくするか、またはキャンバス上に表示される赤いガイド線をドラッグしてキャンバスサイズを変えます。

 

手裏剣の全体も描こうと思うので、こんなくらいの大きさに変更しました。

 

さて、これで下準備は完了! ペン入れ作業に入っていきますよー!

 

作者プロフィール:壱(いち)

時々同人活動したり時々お仕事受けたりのよくあるタイプのボヘミアン絵師。 強弱のついた線とビビットなカラーと攻撃的なムーブを好む反面、メルヘンと自転車をこよなく愛するクセっ毛ショートの美少女(自称)という一面もあわせ持つ。

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