8.メインイラストの着色-下塗り
閲覧数 : 12987回 総合評価 : 1件
1.バックを塗る
まずは下準備として新規レイヤーを一枚作成し、「バック」という名前を付けます。
そこにメインイラストに使用しないであろう色(今回は深緑色)をべったり塗って線画レイヤーの下に置きます。これは、着色するときに塗り残しを減らすためです。
キャラクターに白色を使うときにバックの色も白いままだと、どこが塗られていてどこが塗られていないか把握しづらいですが、違う色を塗っておけば、細かい塗り残しに気が付きやすくなります。
2.メインイラストの下塗り
では、あらためて色塗り開始です。
今回のイラストは、線画の線が太くてだいたいのパーツがきれいに線で閉じられているので、[マジックワンド]ツールを使用して色塗りします。
(1)まず新規レイヤーを作成してレイヤー名を「カラー」に変更し、線画レイヤーのすぐ下に配置します。
(2)[マジックワンド]ツールの設定をします。[ツール]パレットの[マジックワンド]ツールのアイコンをダブルクリックすると、[ツールセット]パレットがポップアップ表示します。
選択中のツールセットの[ツールオプション]で、[複数参照]の項目を[すべてのレイヤーを参照]に設定します。
これで、「カラー」レイヤーをアクティブ([レイヤー]パレットでレイヤーを選択した状態)にしながら[マジックワンド]ツールは線画の部分を参照してくれるので、サクサク色を塗れます。
(3)[マジックワンド]ツールで塗りたい場所をクリックすると、線で囲まれた範囲を選択できます。
さらに[Shift]キーを押しながらクリックすると選択範囲を追加していけるので、同じ色に塗る予定の部分をどんどんとクリックしていきましょう。ここでは髪の毛を選択しています。
この状態で「カラー」レイヤーを塗りつぶせば色を塗れるのですが、ここで注目!
今回の線画は[アンチエイリアス]のかかったきれいな線なので、選択している範囲と線の間にほんの少しですが隙間ができてしまいます。
↑おわかりいただけるであろうか・・・?
この状態で塗りつぶすと線画と塗りとの間にわずかな隙間ができてしまいます。
なので、ここでは[選択範囲の拡張(変更)]機能を使おうと思います!
(4)ということで、塗りたい部分を選択したら選択範囲の下部分に注目。
このような選択範囲にまつわるボックス(選択範囲ランチャー)が出ていますので、この中から[選択範囲の拡張]選びます。
※表示されていない場合は、[表示]メニュー→[選択範囲ランチャー]を選択して表示させます。
すると[選択範囲の拡張]ダイアログが表示されるので、ここで適当に数値を入れましょう。
今回のイラストでは線画の線が太いので、余裕をもって「4px」に設定しました。
そして[OK]をクリック。
(5)すると、おお!選択範囲が大きくなって線画の部分まで食い込んでくれました!
(6)そのまま、一番右のアイコンをクリックして「カラー」レイヤーに好きな色を塗りつぶします。非常に便利!
(7)そして選択を解除。一番左のアイコンをクリックします。本当に便利!
今回は、選択したあとに選択範囲を拡張する方法を使いましたが、最初から拡張した選択範囲を作ることもできます。
[ツールオプション]の[領域を拡縮]にチェックを入れ、任意の数値を入力してから選択したい範囲をクリックすると、あらかじめ拡張された選択範囲が作成されます。
また、[最も濃いピクセルまで拡張]にチェックを入れておくと、拡張指定したピクセル数よりも線が細い場合に、線からはみ出さずに選択範囲が作れます。
髪の色を塗りつぶせました。
これを繰り返してキャラクターのすべての箇所を塗りつぶしていきましょう。
これで下塗りが完了です。
下塗りの色の変更はあとで簡単にできるので、ここではあまり色選びに煮詰まりすぎずサクサク塗っていきましょう。
色を変更したい場合は、下記の手順で色を変更します。
(1)[マジックワンド]ツールの[ツールオプション]で[複数参照]の項目を[選択状態レイヤーを参照]設定にします。
(2)この状態で「カラー」レイヤーをアクティブにし、[マジックワンド]ツールで色を変えたい領域を選択します。
(3)[編集]メニュー→[塗りつぶし]で新たな色を上から塗りつぶすか、または[フィルタ]メニュー→[色相・彩度・明度]を選択し、[色相・彩度・明度]ダイアログのスライダーで色を調整します。
[色相・彩度・明度]による色調整は非常に便利です。やったことがない方は、一度お試しあれ!
コメント