9.メインイラストの着色-シャドウ
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では次のステップ、シャドウの入れ方です!
今回は、一般的にして入門的にしてある意味究極に難しい、2段階のアニメ塗りです。
1.シャドウを入れる
物体に影を入れるというのは、デッサン力やカッコイイ影の形を表現するセンスなんかが問われますが、そんなものは逆に僕が教えてもらいたいくらいなので、ここではあまり影の塗り方を恐れず、感覚的に入れられる方法を紹介します。
とはいえ、やることは単純。
(1)「シャドウ」レイヤーという名前の新規レイヤーを作り、線画レイヤーとカラーレイヤーの間に置きます。
そしてその「シャドウ」レイヤーの合成モードを[通常」から[乗算]に変更します。
(2)そして、色を選択します。色はあとから調整できるので何色でもかまいませんが、くすんだ暗い色にするとよいと思います。あとは「シャドウ」レイヤーに影をガリガリ描いていきましょう!
※下図は、影の部分がわかりやすいように「カラー」レイヤーを非表示にしています。
合成モードを[乗算]にしたレイヤーに塗った色は、その下にあるレイヤーのカラーに乗算変換して表示されるので、シャドウを作成するにはもってこいです。
「カラー」レイヤーを表示させると、いい感じに下塗りの色と影部分の色が掛け合わせられます。こういうのはCGの特権ですね!
このやり方だと、各パーツの色にとらわれずに物体の凹凸(おうとつ)やシャドウの形のかっこよさに集中して作業しやすい気がして、個人的に好きです。
2.シャドウの色をあとから変更する
土台となる下塗りの色はあとから簡単に変更できると先に言いましたが、それはもちろんシャドウ部分も同様です。
「シャドウ」レイヤーをアクティブにした状態で、[フィルタ]メニュー→[色相・彩度・明度]を選んでスライダーを動かします。
同じ形のシャドウでも、色の変化によってまったく違った印象になるので、いろいろ試しながら調整するのもよいでしょう。
このように、色相や明度や彩度の違いでまったく印象が変わってしまいます。
また、応用になりますが、「白い服の部分だけ違う色のシャドウにしたい!」ということも簡単にできます。
■シャドウの色を部分的に変更する
(1)[マジックワンド]ツールの[ツールオプション]で、[選択方法]を[選択状態レイヤーを参照]に変更します。
(2)「カラー」レイヤーをアクティブにした状態で、色を変えたい領域を[マジックワンド]ツールでクリックして選んでいきます。選択範囲を追加するときは、[Shift]キーを押しながらクリックします。
ここでは白い部分を選択して色を変えてみます。
(3)選択状態のまま、「シャドウ」レイヤーをアクティブにして、[フィルタ]メニュー→[色相・彩度・明度]を選択し、表示される[色相・彩度・明度]ダイアログのスライダーを調整します。これで選んだ領域のシャドウだけ色を変更できます。
ということで、やっとこさメインとなる兎小僧ちゃんのイラストが完成しました!!
表紙の方のイラストも、基本的にやっていることは同じなので割愛します!
今回のキーポイントは、キャンバスやレイヤーを分けて描いておくと、あとから調整が容易なのがデジタルイラストの特徴というところです。塗ったあとに色を決めていくなんていうのは、絵の具やマーカー等のアナログ絵では考えられない方法(というか物理的に無理)です。
しかしデジタルイラストは、同じソフトウェアやツールでも、使う人によってぜんぜん違う仕上がりになるという、まるでリアルの画材のような面も持っています。
前回や今回紹介した線画の作成法や色の塗り方はIllustStudioのほんの入り口の使い方なので、ここからもっと派生させた自分だけのデジタルイラストの作成法を見つけてもらえればと思います。
次は、背景の脇役キャラクターのイラストを制作します!
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