提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30    作家 : 憂(ゆう)
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パーツごとに単色での塗りつぶしが終わったら、それぞれのパーツをベースになる色に変更します。 この時点では、あまり立体感は意識せずに、色の変化に気を付けながらベースになる色を決めていきます。 下塗りで使用するツールは、前回線画の色を塗るときに紹介したものと同じです。

使い分けとしては、確実に塗りつぶしたい首の部分や、色をきちんとおきたい目尻、髪の流れをパキッと決めておきたい部分はブラシサイズを大きめに設定した[ペン]ツールの[G]で塗り、頬やまぶたなどのぼかして塗りたい部分は、[水彩]ツールや[エアブラシ]ツールでにじませるように塗っていきます。

1.肌の下塗り

下塗りは肌の色から塗り始めていきます。最初に明るい色で塗りつぶして、次第に濃い色をおいて美しいグラデーションになるようにしましょう。

目元や首周りなどにポイントとして濃い色を塗っていくと、血色のいい肌に仕上がります。

2.羽の下塗り

羽は色味に変化がでるように、いろいろな色で下塗りをします。

(1)[ペン]ツールの[G]でおおまかに色を置きます。

(2)[水彩]ツールの[不透明水彩]で色を引きのばすようになじませます。

(3)さらに、(1)→(2)を繰り返します。

POINT
いろいろな色を使うときのコツ

ひとつの絵の中で、いろいろな色を使いたいときは、赤青黄などの色相の変化だけを気にして選ぶのではなく、明度や彩度も気にすると、まとまりのある色調に仕上げられます。

たとえば、上で紹介した羽の色が、多数の色を使用しているにもかかわらずまとまって見えるのは、すべての色の彩度を同程度に低く合わせて使用しているためです。また、今回は全体的に白っぽい絵で、パーツごとに色相がわかれていないため、全体の彩度を低く抑え、明度を高くすることによって、いろいろな色を使用しているにもかかわらず統一感のある絵に仕上げることができています。

 

(4)仕上げに、いろいろな色で下塗りした羽全体に白を塗り重ねます。
ペンタブレットの筆圧に気を付けて、軽くぽつぽつと絵の具を置くようなイメージで白色を乗せてからゆるく伸ばします。
力を入れすぎて白で塗りつぶしてしまわないように、元の下塗りの色を生かすような気持ちで塗ります。

3.目の下塗り

眼球が球体であることと、肌の奥にはまっている構造を意識して、下図のように光を当てていきます。

最後に瞳と白目部分に色を塗っておきます。

4.髪の下塗り

(1)下塗りのベースとして、髪全体を明るいベージュ色で塗りつぶします。

(2)頭髪のつむじ、首の後ろ、髪同士が重なるところなどを一段階濃い色で塗ります。

(3)下塗りより一段階明るい色でハイライトを描いていきます。

(4)ハッキリと色が分かれすぎているところ、形がおかしいところなどは[エアブラシ]ツールと[水彩]ツールで色を伸ばしながら修正します。

5.下塗りの完成

その他のスカートやアームカバーなども色の変化に気を付けながらベースになる色を着色し、だいたいの下塗りが終わりました。複雑に色が混じり合っています。

作者プロフィール:憂(ゆう)  (サイトURL:http://arcadia-art.com/index.html

群馬県出身、東京都在中。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒。独特の色彩と装飾で構成されたイラストレーションを作成する。挿絵、CDジャケットデザイン、シンボルデザインなど幅広く活動中。

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