7.リボンブラシの作成
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パターンブラシの制作に入りますが、その前にパターンブラシを使う部分を想定しておくために、大まかに決めておきます。
※今回の解説では、パターンが見やすいように人物の装飾などが描かれたレイヤーは非表示にしています。
今回のイラストでは、何種類かのパターンブラシを使用していますが、その中から2種類の作成方法と設定を紹介します。
1.パターンブラシ用の模様を描く
(1)新規キャンバスを作成し、[ペン]ツールで大まかにラフを描きます。
キャンバスサイズは適当な大きさでかまいませんが、今回は、「縦横678px、500dpi」に設定しました。
ペンの色は、この後の工程でなぞりやすいように水色を使います。
ラフが描けたら、レイヤーの不透明度を35%ほどに下げておきます。
(2)ラフを描いたレイヤーの上に新規レイヤーを重ね、ラフをなぞっていきます。
黒色で[ペン]ツールで大まかに描いて、[消しゴム]ツールで余分なところを消します。きれいな曲線を描きたい場合は、[曲線]ツールや[ベジェ曲線]ツールを使ってもよいでしょう。
※[ベジェ曲線]ツールの使い方については、機能解説!トラの巻「ベジェ曲線ツールを徹底解剖 」を参考にしてください。
下図のように、模様の左側半分だけを描きます。
(3)半分が描けたら、[ツール]パレットの[矩形選択]ツールで模様全体が入るように囲み、選択範囲の下に表示される[選択範囲ランチャー]で[コピー+貼り付け]アイコンをクリックします。この操作により、選択範囲内の画像がコピーされた新規レイヤーが作成されます。
(4)[レイヤー]パレットでコピーされたレイヤーを選択し、再び[選択範囲ランチャー]から[移動と変形]アイコンをクリックします。
(5)表示される[移動と変形プロパティ]ダイアログの上部にある[左右反転]アイコンをクリックして模様を反転させたら、赤いガイド線の内側をドラッグして画像の位置を調整します。位置が決まったらダイアログの[OK]をクリックして確定します。
左右対称の花のような形になりました。
(6)模様が完成したので、左右の模様で分かれているレイヤーをひとつのレイヤーに結合します。
上にある方のレイヤーを右クリックします。表示されるメニューから[下のレイヤーに結合]を選択します。
レイヤーがひとつに結合されました。
(7)最後に、模様の右端が少し画面からはみ出してしまったため、大きさを調整します。
[編集]メニュー→[移動と変形]から、今度は[拡大・縮小]を選択します。
ダイアログ中央にある[元画像の比率を維持]にチェックが入っているのを確認してから、赤いガイド線上や四隅にあるハンドル(□)をドラッグして、キャンバス内に画像が収まるように調整します。
(8)ブラシ用の画像が完成しました。水色で描いたラフのレイヤーは非表示にしておきます。
2.模様をパターンブラシに登録する
模様ができたら[パターンブラシ]として使えるように登録します。
(1)[編集]メニュー→[素材の登録]→[画像をブラシ素材に登録]を選択します。
※この操作では、描画部分が素材に登録されます。画像の一部分だけをブラシに登録したい場合や余白を含めて登録したい場合は、[矩形選択]ツールなどでブラシにしたい部分を選択してからコマンドを実行してください。
(2)[画像をブラシ素材に登録]ダイアログが表示されます。[素材の名前]に任意の名前を入力し、[表現色]を設定します。
[ブラシ素材から新規ツールオプション設定を作成する]にチェックを入れて[OK]をクリックします。
[表現色:カラー32bit]では、フルカラーのパターンブラシを登録できますが、汎用性を高めるため黒一色のデータにしてあります。
(3)オリジナルのパターンブラシが[ツールセット]パレットの[柄]フォルダ内に登録されました。
3.ツールオプションの設定
登録されたツールセット「リボンブラシ」の[ツールオプション]を調整します。
(1)パターンブラシは、登録したすぐの状態では、描画スタイルが[スタンプ]になっているため、これを[リボン]に変更します。
リボンに変更すると、登録した模様が重ならずきれいに描画できます。
(2)また、このままの設定ではブラシを横にストロークすると、上図のように模様が横向きに並びますが、登録したときと同じ向きに描画したいので[向き]を「90」度に設定しておきます。
これで、オリジナルのリボンブラシが作成できました。
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