4.パース定規の作成②遠景用
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次は遠景用のパース定規を作成します。
「地面が平らで、建物や電柱が全て傾かずに建っている」とすると、手前の車止めも、遠景の住宅街も、アイレベルや下側の消失点の位置は同じなので、変更する必要はありません。
「近景」定規レイヤーを複製し、パース定規のアイレベル上にある2つの消失点の位置だけを変更します。
レイヤーを複製するには、複製したいレイヤーを選択してから、[レイヤー]メニュー→[レイヤーの複製]を実行します。
1.遠景用のパース定規を設定
遠景用のパース定規と一緒に動かしてしまわないように、「近景」定規レイヤーの目のマークをクリックして消し、非表示状態にしてから消失点を移動させます。
遠景の住宅街は、絵の中で正面向きに近い角度で描きました。そのため、近景のパースと比べて左側の消失点は画面の中央よりに、右側の消失点の位置はキャンバスからさらに右側へ離れた位置になります。
2.踊り場用のパース定規を設定
「近景」レイヤーを複製し、踊り場用のパース定規を設定します。踊り場は近景と遠景の中間くらいの角度なので、左右の消失点の位置を近景と遠景の消失点の間に設定するように注意します。
3.階段と手すり用のパース定規を設定
階段・手すり用のパース定規を設定します。階段は傾斜しているので、消失点の高さが変化します。ただし、手前の車止めや民家と同じ向きなので「傾斜の角度を求めるための消失点」だけを設定すればいいことになります。新たに1点透視定規を作成します。
■3点透視で傾斜の消失点を求める方法
(1)元になるパース定規(ここでは近景用の定規)を表示させます。地面側の消失点のガイド線上にあるセンターポイントをドラッグしてガイド線の角度を調整し、線が斜面の向いている方向にある消失点と重なる位置まで動かします。
(2)[定規]メニュー→[パース定規]→[1点透視を作成]を実行し、キャンバス上に1点透視定規を作成します。
(3)1点透視定規のガイド線のセンターポイントを、傾斜している物の位置(階段と手すり)まで移動させます。
(4)(1)で設定した「近景」定規レイヤーのガイド線上であり、なおかつ1点透視定規のガイド線と傾斜している物の角度が合うところまで、1点透視定規の消失点を移動させます。
※1点透視定規のアイレベルの位置は、設定しなくてもかまいません。
これで計4種のパース定規が用意できました。
最後に、各定規の消失点を動かないようにするために、各定規レイヤーに以下の操作を実行します。
作成した定規レイヤーをひとつずつ表示させて、[定規]メニュー→[パース定規]→[すべての消失点の位置を固定]にチェックを入れておきます。
次回は、下描きから線画作成までの工程を解説します。
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