5.下描き①パーツの配置を決める
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1.スナップについて
[定規]メニューの中に[スナップ]という項目があります。
ここにチェックが入っていると、[スナップ先を設定]で選んだ定規の形にブラシのストロークが沿うようになります。
パース定規にスナップさせたい場合、[定規]メニュー→[スナップ先を設定]→[パース]にチェックをいれます。
また、[ファイル]メニュー→[カスタマイズ]→[ツールバーのカスタム]で、[スナップ]カテゴリの各項目にチェックを入れておくと、IllustStudioのウインドウ上部にあるツールバーからスナップのオン・オフやスナップ先が切り替えられるので便利です。
※使用しているウィンドウレイアウトによっては、初期状態で登録されています。
スナップのオン・オフは、ショートカット:[Ctrl]+[1]キー(設定が初期状態の場合)でも切り替えられます。ショートカットを使えば、ペンを持っていない方の手を使って切り替えられるので、作業効率を上げられます。
ただ、個人的に[Ctrl]+[1]キーは押しにくいので、[ファイル]メニュー→[カスタマイズ]→[ショートカット設定]からショートカットの割り当てを変更し、ひとつのキー([A]キー)で操作できるようにしています。
3点透視定規の場合、線がスナップする方向は消失点の数だけあります。ショートカットキーで各消失点へのスナップを個別にオン・オフすれば、目的の方向へ確実にスナップさせられます。
[Ctrl]+[←]キーで、左側にある消失点(パース定規を作成したときに左側にある消失点)、[Ctrl]+[→]キーで右側、[Ctrl]+[↑]キーで上か下にある消失点へのスナップを切り替えられます。
スナップがオフになっていると、ガイド線が暗い色で表示されます。
例えば、すべての消失点へのスナップがオンになっている状態で、左側にある消失点だけにスナップさせたい場合、[Ctrl]+[→]キーと[Ctrl]+[↑]キーを押して右側と上・下側の消失点へのスナップをオフにすれば、どんな方向に線を引いても左側の消失点に沿った線がキャンバスに描画されます。
2.近景~中景の箱を描く
いきなり細部を描いてしまうと、パーツの配置を修正したい時に、せっかく描いた細かい部分まで消さなければいけないので、ミスを減らすために、それぞれのパーツを簡単な箱型に描いてアタリをとります。
ラフをなぞるように線を引いてみて、思うような形にならなければ、[Ctrl]+[z]キー(直前の作業の取り消し)を押して線を引く前の状態に戻し、線を引き直す…というやり方で進めます。
(1)新しい線を描く前に、ラフの線と見分けやすいように、ラフの線の色を変えておきます。
[編集]メニュー→[特殊な描画]→[塗りつぶし(詳細)]を実行し、表示されるダイアログで、[描画色]に水色を指定し、[透明度を変更しない]にチェックを入れてから[OK]をクリックします。
線の色が変わりました。
(2)ラフの上に新規ラスターレイヤーを作成します。
スナップさせたいパース定規のレイヤーを表示させ、その他の定規レイヤーは非表示にします。
[定規]メニュー→[スナップ]と、[定規]メニュー→[スナップ先を設定]→[パース]の両方にチェックが入っていることを確認してから、[鉛筆]ツールの[シャーペン]で線を引きます。
(3)踊り場の左側にあるブロックの斜めの線のように、パース定規に沿っていない直線を引く時は、直線の始点になる所をクリック(①)した後、[Shift]キーを押しながら(②)終点にしたい所をクリック(③)します(以降の説明では「Shift+クリック」と略します)。
(4)赤は「近景」、緑は「階段」、青は「踊り場」の定規にスナップさせて引いた線です(見やすいように線も太くしています)。
民家には屋根の位置のアタリも取り、手すりは左右で高さが揃うように補助線を引いています。
3.遠景の箱を描く
遠景の箱は、消しゴムをかけた時に家や踊り場の線を消さないよう、ここまでに描いたレイヤーとは別のレイヤーに描き入れます。
複数の建物を描く際は、階層ごとに高さをある程度揃えるように注意します。
例えば、隣同士の民家で1階と2階の高さが大きく違ったら、低い方の家が遠くにあるように見えてしまいます。
そのため、1階と2階の高さを決めるための補助線を引きます。補助線は、表示をオフにできるように、遠景とはまた別のレイヤーを作成して描きます。
上図のように補助線を引いておき、そこから下図のように線を伸ばして、ある地点における1階と2階の高さを測ります。
この方法を使って、遠景の箱を描いていきます。
手前の車止めと左側にある柵も新規レイヤーに描き入れ、見やすいように重なる線にマスクフィルタレイヤーを重ねて消しています。
■マスクフィルタレイヤーの作成方法
(1)箱を描いたレイヤーをそれぞれ選択した状態で、[レイヤー]メニュー→[フィルタフォルダ化]→[マスク(全領域を表示)]を実行します。
(2)それぞれのレイヤーと[マスク(全領域を表示)]レイヤーが格納されたフィルタフォルダが作成されます。
(3)それぞれのフィルタフォルダの[マスク(全領域を表示)]レイヤーに、線を消したい部分を黒で描画して消します。
※[マスク(全領域を表示)]レイヤーに黒で描画すると、それより下層にあるレイヤーの描画部分が非表示になります。
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