7.線画の作成
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1.ペン入れ
ペン入れには、ラフや下描きで使用したラスターレイヤーではなく、ベクターレイヤーを使用します。
ベクターレイヤーでは、[消しゴム]ツールのツールセット[ベクター用(交点消去)]が使用できます。[ベクター用(交点消去)]は、線のはみ出しを簡単にきれいに消去できる便利な機能です。
※ベクターレイヤーと[ベクター用(交点消去)]について詳しくは、機能解説!トラの巻「 ベクターレイヤーを使いこなす [3]線を修正するためのツール」をご覧ください。
(1)下描きの線をラフと同じ手順で水色に塗りつぶします。
(2)[レイヤー]メニュー→[新規レイヤー]→[ベクターレイヤー]を実行して線画用のベクターレイヤーを作成します。
「近景」、「中景」、「遠景」と3枚のベクターレイヤーを作成し、距離に応じて線画を描き分けます。
(3)線画レイヤーを下描きの上に配置して、[ペン]ツールのオリジナル[補正付きG]でなぞります。
①ブラシサイズが大きいと、機械的に線を引いたのが目立ってしまうので、なるべく小さいサイズで線を引きます(ここでは「2」)。
②わざとはみ出すように線を引いてから、はみ出した部分を消しゴムツールの[ベクター用(交点消去)]で消すと綺麗に仕上がります。
③パース定規に沿った直線は、すべてスナップをさせながら引きます。
④定規に沿っていない直線を引く場合は「Shift+クリック」で、曲線はフリーハンドで描きます。
線を2度描きすると汚くなってしまうので、1本の線で引くように心がけます。
⑤線と線の間が途切れていると、レイヤーを塗り分ける際、[塗りつぶし]ツールでうまく塗りつぶせなくなることがあるので、できるだけ線をつなぐようにします。
⑥線画レイヤーを「近景」、「中景」、「遠景」に分けておくと、例えば、『遠景の線画だけ色を付けてぼかして空気感を出したい!』と思ったときに、他の部分に影響することなく遠景だけに簡単に効果を付けられます。
また、『遠景の線画の上に光の効果がかかるようにしたいけれど、中景には被さって欲しくない』といった場合にも役立ちます。
近景(手前の車止めと左側の柵)と中景(階段・踊り場・民家など)を描きました。
次は遠景です。
基本的には近景~中景を描くのと変わりありませんが、線が細かすぎて、[ベクター用(交点消去)]では、はみ出しをうまく消せない(線を一本まるごと消してしまう)ことがあります。その場合は、ひとまずそのままにしておき、後でラスターレイヤーに変換したときに細かく修正します。
「近景」、「中景」、「遠景」、すべてのペン入れが終わりました。
2.加筆
住宅街にアクセントが欲しくなったので、電柱を描き足してみます。
線で描いても細かくて潰れてしまうため、シルエットで描き入れて、後で彩色するときにも同じひとつのレイヤーで作業できるようにします。
「遠景」の線画の上に新規ラスターレイヤーを作成し、オリジナルの[水彩ベタ]を使って、電柱のシルエット描きます。
また、中景用の線画の上にも新規ラスターレイヤーを作成し、電線とその左脇にある支線を描きます。線画の他の部分は輪郭線として描いたので線を細くしましたが、電線と支線はシルエットで描画するため、ブラシサイズを少し太くします。支線は[水彩ベタ]で「Shift+クリック」、電線は少したわんでいるので、[曲線]ツールのツールセット[曲線を描画]で描きます。
最後に、後の工程で線画を[水彩]や[エアブラシ]などの描画系ツールで着彩したいので、それぞれの線画レイヤーを選択してから[レイヤー]メニュー→[ラスタライズ]でラスターレイヤーに変換しておきます。
下描きは必要ないので削除しますが、ラフは彩色時に参照したいので、線と塗りのレイヤーを一旦表示させてから結合し、レイヤーの位置を一番上にします。
この時点でレイヤー構造は以下の通りです。
次は彩色に入ります。
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