3.色の対比と明暗の整理
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ここからの作業を基本的には「1枚のレイヤー」+「加筆用に1~2枚のレイヤー」、で、それより増えそうなタイミングで統合しています。
上から書いていくときは直接描きかえるのではなくて、通常の[ラスター]レイヤーを足して描いています。
消しゴムをかけたときに前の状態に戻すためであったり、加筆の表示/非表示を切り替えて加筆前との変化を確認しながら描いていきます。
1.対比を作る
ここからどのようにして色を塗っていくかについて、解説します。
基本的には、仕上がりの状態の色をいきなり置いていくことはしません。
最初は明暗がばらばらなので、ある程度これを整理してまとめていって、色の対比を作って画面を落ち着かせます。
このとき、赤と緑のような補色の関係を利用すると、色の対比の影響で鮮やかさを出しやすくなります。
暗い部分はラフのときと同じような緑ですが、明るいところは赤に近づけています。
この作業には、引き続き[水彩]ツールの[丸筆]を使い描きます。
手描きでハッキリ描きたいところでは、[水彩境界]を部分的にオンにしてます、
設定は、処理範囲2.0、透明度影響5.0、明度影響0.0、ぼかし幅1.0ですが、気分で変動します。
水彩境界ではなく不透明度を下げた鉛筆で表現している場合もあります。
水彩境界とは
水を多く含んだ透明水彩絵の具が乾いたときにできるフチのような効果です。
ブラシタッチを強調したり、わざと塗りムラを作って手描き感を強調したり、「透明水彩っぽさ」を表現する設定です。
詳しくは機能解説!トラの巻「水彩ツールを徹底解剖 [3]水彩ツールのツールオプション」をご覧ください
2.滑らかにする
水彩ブラシの[不透明度]を下げて、少しずつ色を馴染ませるように描いていきます。
[不透明度]は固定ではなく、随時調整しながら描きます。
滑らかにすると同時に、ディテールも上げます。
地面などで部分的にガサガサして見えるところは、自作の[ブラシ素材]を使った[水彩]ツールで描いています。
自作ブラシの[ブラシ素材]は、一回部分的に質感を描いたあと、それをどこかに貼り付けて絵を切り取ったものを用いています。
切り取る範囲は任意で流用したいところですが、同じ作業の繰り返しになりそうだとおもったところなどで使い、下地作りに役立てています。
(仕上げの段階では、パターンが際立つ表現は使いません)
それを適当に置いたあとにまた上から描いたり消したりして自然に見えるように工夫しています。
ビルの窓の格子も細かくしました。
空を描く工程
[不透明度]を下げた[水彩]ツールで、周りの色を[スポイト]ツールで拾いしながら、色の境目を無くすように滑らかに描いて行きます。この段階ではまだ空(雲など)をどうするかが決まってなくて、まだ滑らかにしてみただけというかんじです。ここはあとあと空を描くときのための下地作りです。
前に塗った色の取得方法
・スポイトツール
描画系ツールを選択中、[Alt]キーを押している間のみ[スポイト]ツールに切り替わります。
・色履歴
[ヒストリー]パレットの[色]リブは、取得した描画色の履歴を表示します。
ここから色を再取得することができます。
これだけでも、大分落ち着いた印象になります。
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