6.(アナログ制作)全体の着色
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大まかな線画が整ったら、着色の作業に入ります。
着色する部分によって、画材を使い分けていきます。
コツというのか解りませんが、着色の時は、色がはみ出したり、にじみすぎたりすることを気にせず描きます。
はみ出しすぎているのは若干気をつけたほうがいいですが、少しのはみ出し程度でしたら、IllustStudioで消すこともできますし、色がにじむことによって面白い表現ができたりするので、いつも思いつくまま自由に描きます。
①服を塗る
服など細かい部分の色を塗る時は、ハイッテクの時と同様に、色を塗りたい、にじませたい部分に水をふくませます。
その上に顔彩の藍色を薄くランダムに塗り、藍色に加え、他の色も徐々に重ねて塗っていきます
色を濃く塗ってしまった場合は、水とティッシュを使ってふき取ってください。
顔彩で全体に色を塗った後、メリハリをつけるため、水彩色鉛筆で色の境界線をはっきりさせます。
紙がしっとりしている状態のまま柔らかく描き足した後、水を含ませた筆で顔彩を塗った部分となじませていきます。
濃くなってしまった場合は、またティッシュで拭きとります。
②月
月など、線をもっとはっきりさせたい部分には、服の境界線を描いた時と同様に水彩色鉛筆を直に塗った後、筆で優しくぼかします。
同時に、そのまま月の周辺も薄く塗り広げていきます。月のクレーターや、背景に動きを付けるため色鉛筆に直接水を含ませた筆をあて、勢いよくはじいて色を散らします。
オレンジのみだと、色が目立ちすぎるので、黄色など他の同系色の色を混ぜていくと、綺麗な色合いになります。
③水面
水面の着色では、筆で紙に水を馴染ませた後、顔彩の浅葱で、薄くにじませていきます。
水の反射や、波紋をイメージしてベタ塗りではなく、なるべく白い部分を残してランダムに柔らかく描いていきます。
その上に、パステルの水色も重ねて塗ると、水の色が少し柔らかくなっていきます。
水の飛沫を表現するためにこちらでもスパッタリングで色を乗せていくと、動きが出て面白いです。
勢い余って、違うところに色が付いてしまったら、すぐにティッシュで拭くか、色がついた部分に水をたっぷり含ませてからティッシュで吸い取ってください。
④植物
蓮の花や葉は、リアルにくっきりと陰影を付けるというよりも、ふわりとした柔らかいタッチで描いていきます。
また、ハイテックや水彩色鉛筆で既にベースの色が付いているのと、花の筋・細かな部分は、後ほどIllustStudioで描き足していくため、パステルを薄く塗り、水でぼかす程度にします。
⑤背景の着色
明るく・カラフルな色ばかりが多いと、色がまとまらず、全体にしまりがなくなるため、空にかかる霞や、雲をイメージして、ネオカラーのグレーとベージュを使います。
基本的に、スパッタリングで様々な色をのせて混ぜ合わせます。
このグレーとベージュは、不思議とどんな色との組み合わせでもうまくなじむので、背景にはほとんどこちらの2色を使います。
※背景の着色では水を多く使用するので水張りしていても紙が波打ちます。紙の歪みが大きくなってしまった場合は、乾くまで何もせず放置させます。
ドライヤーで乾かすと早いのですが、ドライヤーの風で、のせた色が流れて、崩れ、濁りが生じてしまうので、時間がかかりますが、自然乾燥がベストです。
どうしても急いでいる場合には、色が流れないように注意してティッシュで水分をふき取る、裏から弱くドライヤーをかけて乾かす方法もあります。
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