12.部屋全体の描き込み
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前回までで下塗りが終わったので、今回は下塗りとして塗った色を基に部屋全体の描き込みに入り、仕上げを行います。
時々キャンバスを縮小して全体のバランスを確かめながら作業していきます。
1.床・壁の描きこみ
(1)床に落ちた窓の光を描いていきます。
[レイヤー]パレットの右上にある[新規ラスターレイヤー作成]アイコンをクリックし(①)、作業用のレイヤーを作成します(②)。
※レイヤー名は、レイヤー作成後に名前部分をダブルクリックすると変更できます。
(2)パース定規を表示し、スナップさせて描画します。
パース定規を表示するには、[レイヤー]パレットの[定規]タブにある[定規]レイヤーの左側をクリックし、「目」のマークが表示されている状態にします。
パース定規にスナップさせるには、[定規]メニュー→[スナップ先を設定]→[パース]にチェックを入れて、スナップ機能をONの状態にします。
※パース定規の使い方について詳しくは、機能解説!トラの巻「 パース定規の使い方」を参照してください。
このあたり最後は光でぼかしてしまう上、キッチリキッカリ描くのは大変なので、彩色ブラシを使ってぼんやりとさせたまま進めていきます。
(3)壁や床など大きなところが完了したら、背景のカラーレイヤーを結合してしまいます。(キャラだけは別に残しておきます。)
あまりレイヤーの数を残しておくと重くて作業が大変なので、結合しても問題ないと判断したらどんどん結合します。[レイヤー]パレットで結合したいレイヤーを選択した状態で右クリックし(①)、表示されるメニューから[下のレイヤーに結合]を選びます(②)。結合すると下のレイヤーに結合されます(③)。
2.全体のコントラスト修正
ここで全体を見て、コントラストが弱いと感じたので修正していきます。
[フィルタ]メニュー→[明るさ・コントラスト]を使ってもいいのですが、より自然な感じに調整するため、レイヤーの合成モードの[乗算]をつかった方法を説明します。
(1)[レイヤー]パレットで「カラー」レイヤーをコピーします。コピーしたいレイヤーを選択した状態で右クリックし(①)、表示されるメニューから[レイヤーの複製]を選びます(②)。
(2)[カラーのコピー]レイヤーが作成されたら(①)、コントラストを修正します。
合成モードを[乗算]に変更し(②)、キャンバスの画像を見ながら、好みの強さになるまで不透明度を下げます(③)。
全体的に色が強くなりクッキリしました。
(3)窓や床の光まで少し暗くなってしまうので、[カラーのコピー]レイヤーの窓や床の部分を[消しゴム]ツールで抜きます。
[消しゴム]ツールの設定を変更するには、[ツール]パレットの[消しゴム]ツールのアイコンを長押しして、[ツールセット]パレットを表示します。
窓や床の部分を抜くとき、境界をふわっとした感じにするため、「ざっくり」を選択し [硬さ]を最小値に設定しました。
このままの色味では全体的に緑が強すぎるため、[フィルタ]メニュー→[色相・彩度・明度] を選択し(①)、表示されるダイアログの[プレビュー]にチェックを入れて(②)変化を確認しながら、[色相]スライダーをマイナス方向に動かし(③)、[カラーのコピー]レイヤーの全体の色を調整しました。
下図左は、調整済みの[カラーのコピー]レイヤーだけを、不透明度100にして表示した状態です。レイヤーの合成モードが[乗算]になっている[カラーのコピー]レイヤーを[カラー]レイヤーの上に重ねることで、暗いところは暗く、明るいところは元の明るさのままで色味も落ち着き、自然なコントラストがつきました。
3.天井の描きこみ
天井は、線のはみ出しを整理し、光を意識しながら形を整えて完成させていきます。
(1)中央の格子のような細かくて面倒なものは、別レイヤーに描いておきます(①)。
格子を描いたレイヤーの上に新規レイヤーを作成し(②)、右クリックで表示されるメニューから[下のレイヤーでクリッピング]を選択します(③)。クリッピング機能がオンになると、[レイヤー]パレット上に赤い表示が付きます(④)。
(2)新規作成したレイヤーにグラデーションを描きます。[下のレイヤーでクリッピング]がオンになっているので、格子の部分だけグラデーションが乗りました。
(3)床からの反射光を受けて格子の奥に落ちる影を描きます。
格子の描いてあるレイヤーをコピーします。ここでは[格子下塗りのコピー]というレイヤーが作成されました(①)。レイヤーモードを[乗算]にし(②)、コピー元のレイヤーの下に重ねます(③)。
(4)[格子下塗りのコピー]レイヤーの色味を落とし、 [レイヤー移動]ツールで少し左上にずらして配置します(①)。はみ出した線を[消しゴム]ツールで消します(②)。
ハイライトを描き加えた格子を表示するとこのような感じ(③)。
格子の奥に落ちる影が描けました。作業が完了したらその都度、足したレイヤーは結合しておきます。
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