提供者 : セルシス    更新日 : 2015/06/30    作家 : 零花(レイカ)
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下書きが完成したら、キャラクターの線画作業に入ります。まずは[レイヤー]パレットで下書きを描いたレイヤーをクリックして選択します。ここで[Ctrl]キー + [B]キーを押します。すると、レイヤーの表示色が変わったことを示すアイコンが表示されます。下書きの線の色が青くなりましたね。

これが下書きレイヤーを[グレー(8bit)]にする理由です。下書きから線画をトレースするとき、下書きが線画と同じ色(黒)の場合は、トレースした線画が見にくいので作業がやりにくいです。下書きの線を青くすることによって、黒い線画がかなり見やすくなります。これはアナログで青い芯の鉛筆やシャーペンを使って下書きを描くのと同じ原理です。IllustStudioでは、レイヤーモードが黒(1bit)、黒・白(2bit)、グレー(8bit)であれば、レイヤーにある画像の表示色を[Ctrl]キー + [B]キーで簡単に変えることができます。青以外も、[レイヤープロパティ]パレットの[レイヤーカラーを使用する]でどんな色にでも設定できます。

POINT

[レイヤープロパティ]パレットは、[パレット]メニュー→[レイヤープロパティ]を選択すると表示されます。
[レイヤープロパティ]パレットの[レイヤーカラーを使用する]にチェックを入れると表示色が変わります。
[メインカラー]が黒の代替色、[サブカラー]が白の代替色になります。

また[メインカラー]の色をクリックすると[色の設定]ダイアログが表示され、好きな色に変更することができます。

 

新しく[グレー(8bit)]のレイヤーを作り、一番最初にカスタマイズした線画ブラシ([水彩]ツール)を選択して、線画を描きます。CDジャケットのサイズは小さいので、ブラシサイズは2~3pxにします。B5やA4サイズの絵を描くときは3~6pxでもいいでしょう。

下書きのレイヤーの[不透明度]を「50」%まで下げると、線画がより見やすくなります。

輪郭線は強く、中身の線は弱く描くと、線にメリハリが出て味のある線画になると思います。ここで大活躍しているのが、[筆圧設定]ダイアログです。わたしは線画を描く途中にブラシサイズを変更するのがあまり好きではありませんので、筆圧の設定をカスタマイズすることでサイズ一定の一つのブラシだけでもメリハリのある線画が描けるようにしています。人それぞれの好みが違うと思いますので、何回も設定を試して自分に一番合う筆圧設定にしてみてください。

 

IllustStudioでは、ショートカットキーのカスタマイズもできます。線画作業でかなり重要になる機能は、「左右反転」と「キャンバスの回転」だと思います。わたしは左右反転を[C]キーに、キャンバスの回転を[Ctrl]キー + [Space]キー + クリックに設定してあります。
[ショートカット設定]ダイアログは、[ファイル]メニュー→[カスタマイズ]→[ショートカット設定]を選択すると表示されます。

アナログでは、線画が描かれた紙を裏返しして顔のバランスやデッサンを確認しますが、IllustStudioではこの左右反転機能で簡単に実現できます。データは実際に反転されませんが、リアルタイムで左右反転された画面が表示されます。左右反転されている状態でもキャンバスに描くことができるので、画像の修正も簡単です。もう一回左右反転すると画面の向きがリセットされます。

キャンバスの回転を使うと、アナログの紙のようにキャンバスをくるくる回しながら描くことができます。例えば、私はキャンバスの回転のショートカットキーを[Ctrl]キー + [Space]キー + クリックに設定してありますが、[Ctrl]キーを押しながら[Space]キーを押すと、マウスカーソル(マウスポインター)が丸い矢印に変わります。この状態でクリックしながらマウスを動かすと、キャンバスを自由に回転することができます。この状態でダブルクリックすると回転角度がリセットされます。

この足のように、描きにくいアングルがあったらどんどん使いましょう。

 

画面全体の流れを意識しつつ、キャラクターの線画を完成しました。

 

ここまでの作業の状態です。

 

作者プロフィール:零花(レイカ)

中国出身アメリカ留学イギリス在住の日本文化大好きなオタク。グラフィックデザイン・イラスト・映像などさまざまな分野で駆け出し中。

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