14.背景を描き込む
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背景のテクスチャ
「記憶の海」というテーマに合わせて、インクが水の中に落ちている写真を背景用テクスチャの素材として読み込みます。
[ファイル]メニュー→[読み込み]→[画像ファイル]で選択するか、画像ファイルを直接キャンバスにドラッグ&ドロップします。
[処理選択]ダイアログが表示されたら、編集できる状態にしたいので[ラスター]を選択します。
[Ctrl]キー + [T]キーを押して、サイズや角度を合わせます。
写真素材のレイヤーの合成モードを[スクリーン]にして、茶色に塗りつぶされた背景レイヤーの上に配置します。[スクリーン]モードは50%の灰色より明るい色だけが表示されますので、インクの部分は透過されて下の茶色が見えるようになります。
背景に写真素材が適用されました。
ここまでの作業のレイヤー構成です。
小物のズレ表現
海の中に浮遊しているイメージをさらに表現するために、ズレの加工をします。
小物の塗りフォルダに格納されているレイヤーを結合し、その結合レイヤーをコピーします。
[レイヤー]パレットで小物の塗りフォルダを選択して右クリックし、表示されたメニューから[選択中のレイヤーを結合]を選択します。
[レイヤーの結合]ダイアログが表示されます。[元のレイヤーを残す]をオンにし、[OK]をクリックします。
小物の塗りフォルダ内のレイヤーが結合された状態のコピーレイヤーが作成されます。
[色相・彩度・明度]フィルタで明度を上げて、小物の塗りのコピーレイヤーに描かれている画像を真っ白にします。
[フィルタ]メニュー→[色相・彩度・明度]を選択し、ダイアログで明度を上げます。
そして、[レイヤー移動]ツールでドラッグし、上にすこしずらします。この状態だと小物の塗りレイヤーが、白い小物の塗りのコピーレイヤーで隠されてしまいますね。
重なっている白い部分を取り除くため、下に隠れている小物の塗りレイヤーフォルダの画像に選択範囲を作成します。
[レイヤー]パレットで小物の塗りレイヤーフォルダのサムネイルを[Ctrl]キーを押しながらクリックすると、塗りレイヤーフォルダの不透明範囲が選択されます。
真っ白な小物の塗りのコピーレイヤーを選択します。
[Delete]キーを押して、選択範囲内の画像を消します。これで重なっていた白い部分が消去され、小物の塗りレイヤーが見えるようになりました。[Ctrl]キー+[D]キーを押して選択範囲を解除します。
小物の塗りの画像を統合
現在、小物の塗りフォルダ(items-colour)は合成モードが[差の絶対値]になっているため、その下にあるテクスチャや背景のレイヤーの影響を受けています。これを見ためを変えずにひとつのレイヤーにまとめ、小物の塗りの画像だけ加工できる状態にします。
具体的には、テクスチャや背景のレイヤーをコピーし、小物の塗りレイヤーに描かれた画像のコピーで切り取って、これらを統合します。つまり、下記のような状態のレイヤーを作成します。
小物の塗りのコピーレイヤーも名前が「items-colour」で紛らわしいので、「items-white」に変更します。
小物の塗りフォルダを右クリックし、表示されたメニューから[選択中のレイヤーを結合]を選択します。
[レイヤーの結合]ダイアログが表示されます。[元のレイヤーを残す]をオンにし、[OK]をクリックします。
小物の塗りフォルダ内のレイヤーが結合された状態のコピーレイヤーが作成されます。
背景(bg)と背景のテクスチャ(Liquid_Ink_V1_1128)をそれぞれコピーし、下記のように配置します。
コピー元のレイヤーは非表示にしましょう。
一番下の小物の塗りフォルダのコピーレイヤー(items-colour)に対して、背景とテクスチャのコピーレイヤーをそれぞれクリッピングします。右クリックしてメニューから[下のレイヤーでクリッピング]を選択します。
小物の塗りフォルダのコピーレイヤー、背景のコピーレイヤー、テクスチャのコピーレイヤーの、合計3つのレイヤーを選択し、右クリックしてメニューから[選択中のレイヤーを結合]を選択します。
[レイヤーの結合]ダイアログが表示されます。[元のレイヤーを残す]はオフにし、[OK]をクリックします。
結合されたレイヤーを、下記のように小物の塗りフォルダの下に配置します。
非表示にしていたレイヤーを表示させます。
小物の塗りフォルダ(items-colour)と、結合されたレイヤーを選択し、右クリックして[選択中のレイヤーを結合]を選択します。
[レイヤーの結合]ダイアログが表示されます。[元のレイヤーを残す]はオフにし、[OK]をクリックします。
小物の塗りの画像がひとつのレイヤーになりました。これで背景に影響されません。
画像の見た目も変化がありません。
人物のテクスチャと全体の調整
人物にもテクスチャーがあったらいいなーと思いまして、もう1枚インク写真を読み込みます。
読み込んだインク写真のレイヤーを、すべてのレイヤーの一番上に配置して、レイヤーの合成モードを[オーバーレイ]にします。
不透明度を下げるといい感じになるんじゃないかと思い、19%まで下げました。
テクスチャを使ったら画像の情報量が増えてきましたので、小物の塗りレイヤーの彩度をすこし下げます。
[レイヤー]パレットで小物の塗りレイヤー「items-colour」を選択し、[フィルタ]メニュー→[色相・彩度・明度]を選択します。[色相・彩度・明度]ダイアログで彩度を少しだけ下げます。
海の中に浮遊しているイメージを表現するために作った真っ白なズレレイヤーと同じように、時間の遅れを表現するために、ほかにできることがないかと考えてみたのですが、小物の線画がよく見えなくてもったいない気がしましたので、小物の線画を再利用しようと思いました。
小物の線画レイヤーをコピーし、[Ctrl]キー+[T]キーを押して、すこし拡大して上にずらします。
そして、小物の線画レイヤーのコピーの色をフィルタで反転します。
[フィルタ]メニュー→[階調の反転]を選択します。
画面全体に赤が足りないと感じましたので、一番下の背景レイヤーを茶色からピンクに変更しました。
さらに距離感を出すために、背景のインクの写真をフィルタでぼかします。
[レイヤー]パレットで背景のインクの写真のレイヤー「Liquid_Ink_V1_1128」を選択し、[フィルタ]メニュー→[ぼかし]→[ガウスぼかし]を選択します。[ガウスぼかし]ダイアログで設定する[ぼかす範囲]は17ぐらいです。
これで背景は大体できました。
次は人物と浮遊感の描きこみに移ります。
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